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第1439話

Author: 夜月 アヤメ
修は若子を部屋まで送り、若子は疲れた様子で窓辺に腰かけた。

「若子、ベッドで少し横になって。お昼になったら、また起こしに来るから」

「修、あなた顔色がすごく悪いわ」

修の顔は真っ青だった。

「大丈夫、たぶんこの二日ほとんど寝てないせいだよ」

「なら、あなたも少し休んで。私のことばかり気にしないで」

このところ、若子が悪夢で目覚めるたびに、必ず修がそばで寄り添ってくれていた。そのせいで、まともに寝ていないのは分かっていた。何も昨日今日の話じゃない。

「大丈夫、眠るまで待つよ。お前が寝たら、俺も行くから」

修は若子をそっとベッドに寝かせ、毛布をかけてあげた。

若子は目を閉じて、深く息を吐いた。

「そうだ、若子、ひとつ話があるんだ」

「なに?」若子が聞く。

「小さな女の子がいる。名前はナナ」

「ナナ?」若子はすぐに起き上がった。「ナナに会ったの?」

修はうなずいた。「別荘で見つけた。あの子、ずっとお前のことをママだって言ってた。遠藤のことはパパだと」

「ナナは、西也が養子にした子。とてもいい子なの。だけど、地震で足を失くしてしまって......」

「そうだったんだ。当時、詳しい事情は分からなかったし、ナナも幼すぎて、どうしていいか分からなかった。だから、とりあえず引き取って、今は別の場所に預けている。お前はどうしたい?施設に入れるか、それとも別の方法を考える?」

若子は少し悩んで、「どうしたらいいのか、私にも分からない。ナナは西也が養子にした子で、すごくおとなしくて、かわいそうな子。でも今は片足がなくて、施設に入れたら絶対にいじめられるわ」

「じゃあ、引き続き養子にする?」

「修、もしできるなら、ナナに新しい里親を探してあげてほしい。その人の人柄や経済力、しっかり調べてくれる?お願い」

やっぱり、ナナは自分の実の子じゃないし、ナナを見るとどうしても西也との過去が思い出されてしまう。心の傷が、どうしても癒えない。

修は「分かった、任せて。ちゃんと信頼できる里親を探す。定期的に様子も見させるし、絶対にナナに辛い思いはさせないよ」と言ってくれた。

若子は「ありがとう」とだけ答え、目を閉じて眠りについた。

修はそのまま部屋を出ず、ソファに座って彼女を見守った。肩の傷がうずくのを感じながら―

若子を助けたとき負った怪我は、まだ治りきっ
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Comments (3)
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barairose88
はい、確かに! もし、このまま千景の子が生まれたら、若子は絶対に暁ちゃんより優先する未来しか見えません。 そもそも殺し屋 千景の子は、この世に生まれて来てはいけない存在です。 その子には、千景に殺された人たちの怨念が渦巻いているに違いない!
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シマエナガlove
やっぱり出来てましたね 修に感謝すらしない ヴィンセントの事ばかり まさかと思ってましたが 修の家にいて 修に父親代わりをさせてるのか 絶対暁ちゃんに愛情あるとは思えない 普通なら堕胎するでしょ 殺人犯の子供 ヴィンセントが乗り移ってたら 修と暁ちゃんを害するのでは サスペンスになりそうな気配
goodnovel comment avatar
barairose88
修の無償の愛が尊く…そして悲しいターンでした。 若子は、絶対に修の自己犠牲なんて考えもせず、心から感謝をすることなどないでしょうね。 修にも、四の五の言って会わずにいた暁ちゃんに対しても、とても不誠実です。 そもそも若子に、あの2人からの愛を受け入れる資格はあるのかな… 千景の愛に狂ったように溺れ、西也の憎しみと嫉妬を煽ったのはあなたの責任です。 修の傷が心配です。 どうか大事に至りませんように。 あの若子では、千景の子を偏愛し、暁ちゃんをないがしろにする未来しか見えません。 修が暁ちゃんを守らなければ!
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