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誕生日ケーキ

작가: るな
last update 게시일: 2026-08-07 20:29:04

「智也さん、着いたよ」

「ここは……」

塁が連れてきたホテルは、湊コーポレーションが所有するホテルだった。つまり、このホテルのオーナーは俺の父親だ。

「もしかして、予約してくれたお店って……」

「そう。ここの一階にあるレストランだよ。智也さん、今日、誕生日でしょ。だから、特別な場所でお祝いしたくて」

「ありがとう、凄く嬉しい」

塁の心遣いが嬉しいのは本当だ。しかし、レストランの支配人は、俺の顔を知っている。父親に連れられ、俺は何度もここのレストランを訪れていた。

「智也さん、行こう」

「うん」

よく考えたら、今日、支配人がレストランに居るとは限らない。目立たない客になれば、気づかれることもないだろう。俺は覚悟を決めた。

「ここはどれも料理が絶品なんだ。今日はコース料理を予約したから」

「ありがとう」

俺はメニュー表を眺めた。なるべく顔を上げないようにし、レストランのスタッフに顔を見られないようにした。

「智也さん、どうかした?」

「こういう所慣れてなくて、緊張して……」

「なんだ、そういうこと。肩の力抜いて?」

「うん」

その時、ウェイターが俺達のテーブルに料理を運んできた。

「お待たせいたしました」

俺は久しぶりのコース料理を眺めた。最後に家族と食事をしたは、俺の大学入学祝いの食事会だった。その日の夜、俺は家を出たいと父親に話した。仕事人間の父と、父に従順な母。家族団欒とは名ばかりの息苦しい時間。あの日の料理の味は覚えてもいない。しかし、感謝することといえば父親が俺にマナーを叩き込んでくれたことだ。お陰で、今日、塁の前で恥をかかずに済む。

「智也さん、美味しい?」

「とっても」

「智也さん、甘いものは好き?」

「好きだけど」

「良かった」

料理も終盤に差し掛かった頃、塁がホールに居るウェイターに手を上げた。塁に気づいたウェイターが俺たちのテーブルにやってきた。

「そろそろお願いします」

「かしこまりました。少々お待ちください」

何の話だろうか?俺は食後のコーヒーを飲みながら、塁の様子を眺めていた。

しばらくすると、支配人が立派な誕生日ケーキを俺たちのテーブルに運んできた。

「智也様、ごぶさ……」

「あ!誕生日ケーキ頼んでくれたんだ。ありがとう。凄く嬉しい」

俺は支配人に目配せした。優秀な彼ならば察してくれるはずだ。今、塁に俺の正体がバレる訳にはいかない。俺はありのままの俺で塁とデートがしたいのだ。

「智也さん、誕生日おめでとう」

「ありがとう。塁さん」

「食べよ」

「うん」

20歳の誕生日は一生忘れないだろう。会社のためでもなく、親のためでもなく、俺自身のための誕生日を祝ってもらえた。塁には感謝してもしきれない。

だけど、幸せな時間は長くは続かない。このケーキを食べ終えたら、俺と塁の疑似恋愛も終わる。俺は初めてシンデレラの気持ちが分かったような気がした。0時の鐘が鳴ったら魔法がとける。

その瞬間、シンデレラはどんな気持ちだったのだろうか?今の俺の気持ちと似ているのだろうか?

叶うなら夢から醒めないでほしい。そう願う俺が居た。

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  • 御曹司の俺が正体を隠してレンタル彼氏を試したら、まんまと本気になった話   塁の怒り

    俺はガレージに停めてある車のうち、智也がよく運転している高級車に乗り込んだ。そして、俺は位置情報をスマートフォンの画面に表示させた。運転前に、智也の居場所を確認した俺はアクセルを踏んだ。レンタルスペースには、20分程、車を走らせると到着した。俺はすぐに車から降り、入口まで走った。すると、俺に気づいた女性たちが寄ってきた。「あの……もしかして、サークルの飲み会に?」「いえ、俺は迎えにきただけです」「そんなこと言わずに、折角なので一緒に飲みましょうよ」「お構いなく」一人の女性が俺の腕を掴んだ。彼女も酔っているのか、やたらと俺に触ってきた。俺は不快感を顕にした。「湊くーん」その時、部屋の中で智也を呼ぶ声が聞こえた。俺は掴まれた腕を剥がし、智也の元へ急いだ。「智也!!」「あ、るいだぁ」「智也、しっかりして。帰るよ」俺はテーブルの上に山積みになった空のグラスを見つけた。智也がここまで飲むとは考えにくい。やはり、飲まされたのだ。俺はその場に居た男の胸ぐらを掴んだ。「おい、智也に何したんだ」「そんな怒んないでよ。綺麗な顔が台無しだよ」「黙れ」「湊くんが、キスしたくないって言うからさ。だから飲んでもらった。それだけ」「へぇー、それだけ」俺はテーブルの上に、酒の入ったグラスを見つけ、それを手に取った。そして、男の顔に酒をぶっかけた。「二度と智也に関わるな」「あははっ。君、怖いねぇ」俺は男を睨みつけると、智也を担いで車に戻った。「智也、シートベルトするよ」「うーん……」智也は一人でまともに歩けない程、泥酔していた。俺は智也の体調が心配で仕方なかった。「あ、塁だぁ」「うん、俺だよ」「俺ね、キスしなかったよ。塁以外としたくなくて」「うん、だからってこんなに飲まされて……」俺は智也を今すぐにでも抱き締めたかった。やはり、智也を一人で行かせるべきではなかった。俺は後悔の念に駆られた。 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「智也、着いたよ」「うーん……」「智也、歩ける?」「うーん……」俺は助手席で寝ている智也を抱きかかえ、寝室へ運んだ。智也をベッドに寝かせると、彼はシャツのボタンを外し始めた。「暑いよ……」「待ってて。楽にしてあげる」俺は智也の靴下を脱がせ、上着のボタンも全部外し、更に、ズボンのベルトも外した。「

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