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32話

مؤلف: 東雲桃矢
last update تاريخ النشر: 2026-07-05 16:07:54

 翌朝、百合が目を覚ますと、秋明の姿が見えない。

「仕事、かしら……?」

 財閥の会長の仕事内容などひとつも知らないが、秋明本人が生活リズムが安定しないと言っていたのを思い出し、きっと仕事だろうと思う。

 伸びをしてベッドから出ると、ドレッサーの椅子にかけていたタオルがないことに気づく。きっと秋明が洗濯機に入れてくれたのだろう。

「あの人って、何ができて、何ができないんだろう……?」

 秋明のことは、未だによく分からない。共に生活をするのだ。使用人が来て家事や料理をしてくれるが、それは朝から夕方までの話だ。秋明は明日来た使用人にやらせればいいと言うが、時には自分達で何かしないといけないことも出てくるだろう。

 その時のために、秋明ができることは知っておきたい。

「あとで、話せるといいけど……」

 洗面所に行こうと廊下に出ると、食欲をそそるにおいがした。洗顔と着替えを済ませてキッチンに入ると、ベーコンエッグ、サラダ、トーストが並んでいる。

「おはようございます、奥様」

 双子のひとりが、爽やかな笑顔で挨拶してくれる。百合は彼女をじっと見つめ、左側の首筋に小さなほくろがあるをの見つける。
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