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第1285話

ラクオン
「お兄ちゃん、私たち帰ってきたばかりで、実咲ちゃんも少し疲れてるの。明日じゃだめ?」

「いいよ」駿弥はあっさりと答えた。「早く休め。明日また来るよ」

そう言って、彼はまたあっさりと電話を切った。

「……」

紀香は頭をかき、振り返って「何か食べる?」と実咲ちゃんに声をかけた。

けれど、そこには誰もいなかった。

玄関の方でドアの閉まる音がした。

慌てて追いかけたが、エレベーターには一歩遅れてしまった。

……

駿弥はすでに車を回していたが、そのとき実咲から電話がかかってきた。

彼は車を降りた。

足早に駆けてきた実咲は、彼の目の前でつまずき、危うく倒れそうになった。

彼は結局、手を伸ばして支えた。

見上げる小さな顔にはどこか懐かしい面影があった。

同じように、実咲も彼を見つめていた。

紀香が追いついたとき、ちょうど駿弥が実咲を抱きとめ、二人が見つめ合っている場面を目にした。

そこには彼女の入り込む余地のない空気があった。

彼女は足を止め、少し考えてから結局近づかなかった。

代わりに、そっと写真を撮って来依に送った。

産褥期で退屈していた来依は、その写真を見
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