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第30話:襲撃

Auteur: Kaya
last update Date de publication: 2026-05-02 05:30:00
再び、家族オフィスでの調査。

今夜は、鑑定士達は連れてきていないと言う。

久しぶりに朔夜と顔を合わせたが、顔色が悪く、疲れているようだった。

「朔夜さん、どこか体調でも悪いんですか?」

美術管理室前。

朔夜は背後に警備員を連れ、一瞬私の言葉に戸惑うような表情を見せた。

「いや、体調は悪くない。心配は無用だ」

つんとした返事。

まあ、そうよね。

いくら私が心配したところで、あなたにとって私は、ただの他人でしかないんだもの。

私たちは、まるで何かに取り憑かれたかのように、美術品の調査に没頭した。

朔夜には、例の海外コードのことは話していない。

いずれあれが、朔夜や燈の弱みになるかもしれないから。

しばらく真剣に美術品を調べ、朔夜とも最低限のことを話し合った。

だが、相変わらず二人きりの空間は苦痛だった。

本当なら今すぐにでも部屋を飛び出したい気分だ。

常に理性と嫌悪の狭間で戦っている。

しばらくして会話が途切れ、沈黙が襲った。

そのタイミングで、私は朔夜に一歩踏み込むことにした。

「失礼を承知でお聞きします。

――婚約者の凛音さんって、どんな方だったんですか?」

朔夜の手が止まった。
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