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第9話……バリスタ強襲

last update Tanggal publikasi: 2026-06-05 02:08:51

 海賊船モリガンの薄暗い作戦室に、惑星ヴァルカンの立体投影が浮かぶ。

 青く光る地表の各地に、赤い灯が点滅していた。

 そこはすべて、今の支配者――クロイツ男爵の軍が占拠している。

 ツーシームは腕を組み、ホログラムを見上げながら言った。

「敵の地上軍の主力は二個戦車大隊。領主館にはクロイツの親衛隊の高射砲中隊も陣取っている。よって、まずは防備の手薄な宇宙港バリスタを落とす」

 部下たちのざわめきの中、若い砲術士の一人が遠慮がちに手を上げた。

「……姐さん、ひとつ聞いていいですか?」

「なんだい?」

「今回は……その、ちゃんと報酬、もらえるんですよね? 前回みたいに『領地の四割』が幻になったりは……」

 その瞬間、金属椅子がグシャリと潰れる音とともに、巨体の副長、レッドベアがゆっくり立ち上がった。

 そして、猛獣が低く唸るような声が室内を震わせた。

「船長の決めた仕事に疑いを挟むな。前回の件は過去だ。今回は契約書もある――それでも払わねば、今回は力づくで奪い取るまでだ!!」

 若い砲術士はたじろぎ、慌てて頭を下げる。

「し、失礼しました……!」

 ツーシームは笑いもせず、静かに煙草を
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  • 星間覇道 ― 銀河最大の内乱 ―   第85話……突破口を求めて

     メイラード号の操縦席は、古い金属と安煙草の匂いで満ちていた。 ツーシームは操縦卓に片肘をつき、目の前に立つエジルを見下ろしていた。 小柄なノーム人の青年は、防寒用の作業服を身にまとい、緊張した面持ちで背筋を伸ばしている。「自由はね、与えられるもんじゃない。勝ち取るもんだ」 ツーシームは低く言った。「誰かが可哀想だと思って、鎖を外してくれるなんて考えるな。鎖を外させるだけの価値を、こっちから突きつけるんだよ」 エジルは唇を結び、深く頷いた。「はい」 その後、二人は短く言葉を交わした。 ノーム人の強制収容所が多い惑星や、労働区の位置。各所の監視網の弱点。制圧しやすい宇宙港。

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     アーヴィング大公国軍総旗艦ハヌマーン。 その中枢に置かれた最高作戦指令室には、重苦しい沈黙が満ちていた。 壁面の戦術投影盤には、小惑星帯外縁の戦線、帝国軍艦隊の防衛線、そして後方を脅かす惑星ペルーンの位置が、青と赤の光点で浮かんでいる。 敵は前にいる。だが、背後にも火がついた。 誰もがその事実を理解していた。 ユリウス・アストレアは、若い身でありながら、発言の場にあった。 周囲には老練な提督、参謀、分艦隊司令官たちが並ぶ。彼らの視線は鋭く、そして重い。「私としましては、まず正面の帝国軍防衛線を撃破し、サーペント要塞を解放した後、後方の惑星ペルーンに対処すべきだと考えます」 

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