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第384話

Author: フカモリ
赤信号で停車した際、信行は再び真琴に視線を向けた。彼女は相変わらず、無表情で窓の外を眺めている。

信行がためらいがちに口を開いた。

「博士……夕食がまだお済みではありませんでしたね」

その言葉を遮るように、真琴が冷ややかな視線を彼に向けた。

「結構です。こんな時間に食事を取る習慣はありませんので。このまま真っ直ぐホテルへお願いします」

取り付く島もない拒絶に、信行は自嘲するように微かに目を伏せた。

貴博と一緒にいた時の彼女は、あんなにも柔らかく笑っていたというのに。

「……信号、変わりました」

真琴に淡々と指摘され、ハッと我に返った信行は、無言のままアクセルを踏み込んでホテルへと向かった。

その後の道中、真琴はずっと窓の外を見つめ、信行も二度と口を開くことはなかった。

二十分ほどでホテルに到着した。真琴がドアを開けて降りると、信行も後を追うように車を降りる。

事務的に礼を述べて立ち去ろうとする彼女の背中に、信行は静かに告げた。

「目尻のその黒子……やはり、目を引きますね」

どんなに冷たく突き放されようと、信行はどうしても彼女の口から「自分は真琴だ」と認めさせた
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