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第22話:ダンジョンで魔石狩りを

Author: 大正
last update publish date: 2026-05-04 07:00:46

 パナメラのダンジョンに入場する。入った先では人が幾人もいて、臨時パーティーの募集やそれぞれの持ち物の確認、今日の探索予定などを確認していたりする。ダンジョンの中で確認していてもいいのかとも考えたが、どうやら第一階層はモンスターが出てこないらしい。さすが初心者向けダンジョン、緩いものだな。

 実際に活動するのは一層の途中から、ということらしい。楽しみにしすぎて地図も何も持ってこなかったおかげで、自分で地図を作りながら進まなくちゃならないな。

「とりあえず奥へ行くか。この辺はまだ安全というより何も出ないらしい。モンスターが出るところまでまず行こう。戦ってみてから考えるでも悪くはないと思うよ。もしダンジョンが体に合わないならまだ朝早いし、戻って昨日と同じモンスター退治に戻ってもいいしね」

「はい、でもできるだけ頑張ってみることにします。せっかくのダンジョンですからね」

「荷物はどれだけ増えても問題ないからな。精いっぱい探索して今日の稼ぎがいくらになるか試しに行こう」

「はい! 」

 セルフィと奥へ進む。すると、人通りが急に減り出し、自分たちと少しのパーティーだけになった。どうやらこの辺からモンスターは現れるらしい。

 黄色くうすぼんやりと光る通路をまっすぐ進んでいくと、鑑定に表示される姿が現れた。

「ビッグラット」

 ビッグラット……つまり大ネズミか。これがパナメラダンジョンで戦うことになる最初のモンスターらしい。大きさは60センチ程度の非常に大きなネズミだ。おそらくは噛みつきぐらいしか攻撃方法はないのだろう。

 ビッグラットがこっちに向かってまっすぐ走り込んでくる。

「くるぞ、セルフィ」

「はい、大丈夫です」

 セルフィが正面から迎え撃ち、ショートソードの攻撃範囲に入ったところでスパッとビッグラットを切り裂く。無駄な動きもなく、必要最小限の動きで仕留めた、というイメージが強い。これも剣聖のスキルの影響ということらしい。

「やりました、ご主人様」

「さて、魔石が落ちる、ということらしいが……これがそうか」

 小さな、親指サイズの石みたいなものが落ちる。これが魔石、ということらしいな。アイテムボックスに入れて次々に保管していこう。どんなに安くても銅貨1枚にはなるはずだからな。これをどれだけ集められるかを考えて、できれば少し強いモンスターにも挑戦してみよう。

「次はご主人様がやってみてはいかがでしょう。多分大丈夫だと思います」

「う、うん、やってみるよ」

 そのままもう少し進み、人が途切れたところでまたビッグラットが現れた。

「よし、来い! 」

 ビッグラットに向かって剣を構える。ビッグラットは意識を向けたこっちに攻撃をする意思を見せたらしく、俺のほうへ向かってくる。セルフィと同じく、こっちの射程に入ったところで攻撃を開始すると、ビッグラットはそれほど長くない口の歯を俺に届かせることなく、そのまま切れていった。こっちだって剣術のスキルを持ってるんだ、何もないわけじゃないし、使っていくうちにスキルもこなれていくだろう。

 まだそれほど回数をこなしたわけじゃないし、戦闘経験もまるで足りないだろう。今日ここでしっかり戦闘経験を稼いで剣術スキルが伸びていくのを期待しよう。

 セルフィと交互に、ビッグラットをしばらく倒し続ける。二人とも無傷で、てこずることなく戦ってこれている。どうやら一層ではビッグラット以外は出ないのかな? それとも、もう少し奥へ行けば違うモンスターが出るんだろうか。とりあえず10匹ほどはビッグラットを倒したが、もうちょっと進んでみればわかるか。

 進んでみると、階段が見つかった。どうやら二階層ってところだな。階層が変わればモンスターも変化するのだろうか。とりあえず現段階では安心して探索することができるらしいし、厳しいと思い始める手前で安全に探索するのがいいだろう。

「よし、次の階層に行ってみよう。まだ見たことないモンスター目指していくことにするか」

「他のパーティーもいることですし、まだ安全とも言えますね。奥へ行きますか? 」

「いこう。奥へ行くほど儲けになるようだし、ビッグラットが敵にもならない以上もうすこし奥に行っても危険はないと思う」

「そうかもしれません。もう少し手ごたえのある敵を探しに行きましょう」

 二層へ降りると少しパーティーも減ったのか、モンスターが賑やかな感じになった。それに伴い、モンスターの種類も変わった。鑑定によれば「コボルト」と表示されている犬型のモンスターだ。大きさはセルフィと同じか一回り小さいぐらい。体格は充分に大きいと言えるだろう。

 セルフィが我先に、とまずコボルトに切りかかっていく。コボルトは素手ではなく、棍棒を手に持っている。多分噛みつきと棍棒での撲撃がメインの攻撃方法なんだろうな。セルフィがコボルトの棍棒での攻撃をさっとよけ、その隙に刃筋を立てて斬り、コボルトに手傷を負わせる。踏み込みが少し浅かったのかもしれないが、一撃で倒せるわけではなかったらしい。

 距離を取り、コボルトと再度向かい合う。コボルトは一撃を与えられた分だけ元気がなく、棍棒を握る手にもあまり力が入ってない感じだ。コボルトに剣聖は相手が悪かったらしい、という感覚だな。セルフィの体格がそれほど立派ではないとはいえ、それでもやはりスキルの差というのは大きいらしい。

 セルフィが再び剣を構えてコボルトに向かう。歩調に合わせるように、そしてその足取りを崩すように。コボルトの足の運びのテンポに乗らないように、自分の足取りをしっかりとさせたセルフィは、そのままコボルトに近寄っていき、棍棒の空振りをさそい、その間に、右腕の付け根にしっかりとした切り込みを入れ、右腕を切り飛ばす。

 そのまま右腕がなくなったコボルトは棍棒を握ることもできず、次は噛みつきに来たが、その歯に向かって切り込みを入れて、頭を半分斬り飛ばすような形でコボルトの頭を切り落とす。その切り口は綺麗で、頭蓋骨ごと切り落とすような形で切れた。コボルトはそのまま黒い霧になり、後に魔石を残した。

 魔石を比べるが、ビッグラットのものより少しだけ立派。きっと買い取り額も少し多いのだろう。さてセルフィは無傷で倒せたが、俺にも同じことができるかな。次は俺の番だ。しっかりコボルトと戦っていこう。

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