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第328話

Autor: 清水雪代
智美は笑った。「黒崎さん、これで分かったでしょう。もうあなたは以前のように、力ずくで私を押さえつけることはできない。それに、しつこく付きまとう手も私には通用しないの。嫌いなものは嫌い。何をしても無駄よ」

そう言って、智美は自信に満ちた笑みを浮かべた。

だが礼央には、目の前の智美がとても魅力的に見えた。

殴られて頭がおかしくなったに違いない。でなければ、自分を打ちのめした女を魅力的だなんて思うはずがない。

智美はジムを後にして家に帰った。

すると彩乃からメッセージが届いていた。四十万円送金してほしいという内容だ。

詐欺かもしれないと思い、智美は直接電話をかけた。

しかし、繋がらない。

もう二回かけたが、やはり繋がらなかった。

心配になってきた頃、彩乃から電話がかかってきた。

「あぁ智美ちゃん、ごめんね。さっきは和樹さんと一緒にジュエリーショップにいて、電話に出られなかったの。今、店の外からかけてるわ」

智美は不思議に思って尋ねた。「二人で旅行してるんでしょう?どうして急に四十万円も必要なの?」

彩乃が旅行に行く前、智美は既に四十万円を送金していた。

こんなに早く
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