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第37話

Author: 笹しぐれ
御堂グループと桐生グループが長年の対立関係を一時的に解き、ひとまず手を組むという流れになってから、桐生会長はすぐに提携案を打診してきていた。

だが峻は、それを一瞥しただけでろくに目も通さず、デスクの隅に放置していたのだ。

それなのに、今になって急に考えを翻した。

峻は案を受け取ると、しばらく目を通し、その場で決断を下した。

「桐生グループに伝えろ。この案で進める。総務にも話を回して、調印の場を用意させろ」

柊吾は内心で首をかしげた。

提携の契約まで進むこと自体は、会社にとってどう考えても悪い話ではない。それなのに、峻の顔つきはひどく沈み込み、今にも氷雨を降らせそうなほど不穏な空気を纏っていた。

とはいえ、今の柊吾に迂闊な口出しができるはずもない。下手を打てば即座に首を切られる立場だ。彼はすぐさま書類を抱えて総務部へと向かった。

峻は社長椅子に深く背を預け、漆黒の瞳を細めた。その奥で、冷酷な光が鋭く瞬く。

唇の端がゆっくりと吊り上がる。そこに浮かんだのは、冷酷に歪んだ笑みだった。

昨夜、峻がその場で手を引いたのは、司を恐れたからでも、桐生グループを警戒したからでもない
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