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第16話 思い出の解放

作者: 宵更カシ
last update 公開日: 2026-07-01 19:11:28

 蓋が取られ、純白の皿に載せられていたのは、

「・・・・・・ツナっすか?」

「あぁうちの新しいツナ。その試作品」

「え?」

「香織のアドバイスを入れたツナだ」

 綱島グループの新しいツナ。

 そのフレーズに私の心音が一段上がる。

(母のレシピはそうだったけど、美味しいかどうかは分からない)

 一抹の不安が過っていた。

 もし・・・・・・慎ちゃんに認められなかったら、私はどうなってしまうのだろうか。

 表情がだんだんと険しくなっていくのが自分でも分かる。

 そんな嬉しさと怖さの狭間。

「早速、いただこうとしよう」

「どれどれー」

 二人がスプーンで掬うと、ためらいなく口へ運ぶ。

 ゴクリと喉が鳴り、彼らの中にツナが流れていく。

 そしてしばしの沈黙が、私の視線を泳がせた。

「ど、どうかな?」

「何だこれは」

 高梨が目をかっぴらいて、私を見やる。

 スプーンがカコンと落ちる音が一つ。

 そして両肩を持つと、真に迫った表情で問う。

「なんでこんな美味いツナが作れるんすか!」

 張り詰めた空気感に響く彼の絶賛。

 驚いて目が点になっていたけど、その言葉で心の荷が下りた。

 そして高梨が一口
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