Beranda / BL / 血と束縛と / 第13話(10)

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第13話(10)

Penulis: 北川とも
last update Tanggal publikasi: 2026-01-16 17:00:58

「そんなことだろうと思った」

「迷惑かけついでに、すみませんが、俺を慰めてくれませんか」

 本気で言っているのだろうかと、和彦は隣に座った中嶋の顔をまじまじと見つめる。中嶋は、ヤクザらしくふてぶてしい笑みを浮かべていた。もしかしてからかわれているのだろうかと思ったぐらいだが、気弱な表情を見せられるよりはいいかもしれない。

 和彦はもう一口お茶を飲んでから、ふっと息を吐き出す。

「――彼なりに、君を気づかっているんじゃないか。自分は集団で襲われて、そのトラブル処理のために、長嶺組に後ろ盾になってもらった。多分、長嶺組長に何か弱みを握られたんだろ。一方で、君は総和会の中で確かな地位を築き始めた。……自分の事情に巻き込んで、元後輩の足を引っ張りたくないのかもしれない、と甘いぼくは考えてしまう」

「本当に先生は甘いですよ。ヤクザの世界なんて、そう甘くもないし、綺麗事は大抵通じない」

「ぼくだって、無理してこの理屈を捻り出してやったんだ。黙って頷いておいてくれ」

 ヤクザの体面を取り繕ってやる
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  • 血と束縛と   第23話(8)

     中嶋から聞いた内容を、秦は艶然とした笑みを浮かべながら賢吾に報告しただろう。いや、それ以前に、すでに中嶋から賢吾へと報告済みかもしれない。 和彦が関係を持つ男たちは、和彦の情報を当然のように共有するのだ。情も利害も絡んだ、妖しいネットワークだ。「……ぼくは、彼に感謝しないとな。気分が塞ぎ込みそうになっていたところを、助けてもらった」「セックスして先生に感謝されるなんて、羨ましい立場だ」 秦が楽しげに洩らした言葉に素早く和彦は反応し、慌てて周囲を見回した。「それで……、ぼくに渡したいものってなんだ」 ああ、と声を洩らした秦は、隣のイスに置いた小さな紙袋を差し出してきた。「出張のお土産で、香水です。なんとなく先生に合いそうだと思って。嫌な香りでなかったら、仕事が休みの日にでも使ってください」「ありがとう……」 紙袋を受け取った和彦は、香水の香り以上に、秦がどんな仕事で、どこに出かけていたのかが気になる。ちらりと視線を向けると、秦は秘密をたっぷり含んだ艶やかな笑みを返してくる。その表情を見ただけで、和彦が何を尋ねても、『出張』について答える気がないとわかった。 ランチが運ばれてきたところで、腕時計で時間を確認する。秦とのおしゃべりを楽しみながら、優雅に食事ができるほどの余裕はあまりない。「――お土産を渡すためだけに、わざわざ来てくれたのか?」 食事をしつつ和彦が率直に疑問をぶつけると、秦は首を横に振った。「中嶋と話していて、なんとなく決まったことなんですが、せっかくなので先生も誘おうという話になったんです」「何を……」 つい反射的に警戒してみせると、楽しそうに秦は口元を緩める。「三人で、花見をしませんか。とはいっても、人ごみの中でにぎやかに飲むわけではなくて、ビルから夜桜を見下ろしながら、という形になりますが」「花見、か」 昨夜千尋から聞かされた、総和会の花見会のことが頭に浮かぶ。暖かくなってきて、物騒な男たちが精力的に動き始めたような気がし

  • 血と束縛と   第23話(7)

    **** 和彦の顔を一目見るなり、端麗な容貌の男は表情をわずかに曇らせる。 それが芝居がかって見えるのは、この男の美貌ゆえか、それとも胡散臭い存在のせいか――。 頭の片隅でちらりとそんなことを考えた和彦は、唇をへの字に曲げてテーブルにつく。「……ぼくの顔に何かついているか?」 あえてぶっきらぼうな口調で問いかけると、今日の昼食の相手である秦は肩をすくめた。ごく一般的なレストランなのだが、この男が正面に座っているというだけで、とてつもない贅沢をしているような気がしてくる。 平日ということもあり、周囲のテーブルを占めるのは、ビジネスマンやOLたちだ。ノーネクタイのやや砕けた格好の和彦と、きちんとスーツを着てはいても、見るからに普通の勤め人ではない秦の組み合わせは目立って仕方ない。「少し居心地が悪いかもしれないが、我慢してくれ。午後一番に予約が入っているから、あまりクリニックから離れるわけにもいかないんだ」 ランチを頼んでから和彦がぼそぼそと言うと、秦は穏やかに微笑む。「気にしないでください。わたしの都合で、先生につき合ってもらっているんですから」 午前中、秦から連絡が入り、渡したいものがあるので昼食を一緒に、と言われたのだ。断る理由もないため和彦は誘いに乗ったが、何を渡されるのか、いまだに教えられていない。 おしぼりで手を拭く和彦の顔を、秦がじっと見つめてくる。最初は気づかないふりをしていたが、次第に苦痛になってきて、仕方なく和彦は口を開いた。「……なんだ」「先生もしかして、少しお疲れですか?」 鋭いなと思いつつ頷く。「昨夜はあまり……寝てないんだ」 酔っ払った千尋がやってきて、そのまま深夜まで体を重ねていたのだ。そこに、キッチンの片付けという労働も加わった。 十歳も年下の青年相手の痴態が生々しく蘇り、知らず知らずのうちに頬が熱くなってくる。そこに、さらに羞恥を煽るようなことを秦が言った。「――わたしが出張している間、

  • 血と束縛と   第23話(6)

    「お前は子供かっ」 和彦が抗議する間にも千尋の手は油断なく動く。腰を掴まれて、尻を突き出すような扇情的な姿勢を取らされていた。さんざん擦られて広げられた内奥の入り口は、濡れて蕩けたままだ。千尋は悠々と、高ぶりを押し当ててくる。「――こんなに甘やかしてくれるんだから、俺は先生の前では、子供のままでいたい」 口ではそんなことを言いながら、内奥に押し入ってくる千尋のものは充実した硬さと逞しさを持ち、立派な大人だ。「あうっ……」「甘えられるうちに、たっぷり先生に甘えておかないと。――明日には、どの男の腕の中にいるかわからないからね」 ドキリとするようなことを呟いた千尋が、乱暴に腰を打ち付けてくる。熱いものを内奥深くまでねじ込まれ、和彦は声を上げながら締め付ける。素直な欲望が一際大きくなり、脆くなっている襞と粘膜を強く擦り上げてくる。「うあっ、あっ、千尋っ……、千尋っ」「いいよ、先生。中、ビクン、ビクンって痙攣してる。感じてる、よね?」 律動の激しさに、足元から崩れ込みそうになる。和彦は必死にカウンターにすがりつき、その拍子に水がまだ入っているボトルを倒してしまう。こぼれた水が床へと滴り落ち、足元を濡らす。それに気づいた千尋が、ふっと律動を止めた。「あー、床が濡れちゃった」 そう洩らした千尋が、背後から和彦の耳に唇を押し当ててくる。同時に片手が、開いた両足の間に入り込み、興奮で震える和彦のものを握り締めてきた。 次の瞬間和彦は、賢吾と千尋がいかによく似ているか強く実感した。「先生、あとで俺が床を拭くから――漏らして見せて」 耳元に注ぎ込まれた言葉に、頭の芯が揺れる。強い羞恥と興奮のせいだ。「……嫌、だ……。そんな、はしたないこと……」「言っただろ。先生にいっぱいいやらしいことをして、辱めたいって。これは、頼みじゃない。俺から、オンナへの命令」 千尋が緩く腰を動かし、和彦のものを扱き始める。和彦は呻き声を洩らして腰を揺らした。

  • 血と束縛と   第23話(5)

     残念だ、という言葉を呑み込んだ和彦は無意識のうちに、千尋の左腕に巻かれた包帯に指先を這わせる。それに気づいた千尋が、笑いながら教えてくれた。「次の治療で、タトゥーの残りの部分全部にレーザー当てるらしいんだ。あとは様子を見て、という感じ。カサブタが剥がれたところから、けっこう消えていってるしさ。傷跡も、思っていたより醜くないし、けっこう順調だよ」「苦労して消して、次は、本格的に刺青を入れるのか……」「そう。時間をかけて、一生ものの本気なのを」「――……こんなにきれいな体と肌をしているのに、な」 千尋の剥き出しの肩を撫で、ぽつりと和彦は洩らす。引き止めたい気持ちがある一方で、千尋の父親である賢吾の、艶かしくて生々しい大蛇の刺青が脳裏に蘇り、胸の奥で妖しい衝動が蠢く。どんな図柄を入れるつもりなのか知らないが、千尋のきれいな体に彫られる刺青は、さぞかし映えるだろうとも思ってしまう。 和彦のわずかな変化を感じ取ったのか、千尋が熱い吐息を洩らして唇を吸ってくる。「考えるだけでゾクゾクする。俺の体に入った刺青を、先生が撫で回してくれるのかと思ったら」 千尋の熱に刺激されたのか、身震いしたくなるような欲情が急速に和彦の中で大きくなる。そんな自分自身に戸惑い、慌てて千尋を押しのけてベッドから出ていた。「先生……?」 イスにかけてあるバスローブを取り上げて、和彦は上擦った声で応じる。「喉が渇いたから、水を飲んでくる。お前にも持ってきてやるから、待っていろ」 バスローブを羽織り、半ば逃げるように寝室を出る。キッチンに入った和彦は、冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを二本取り出す。一本を開けて、さっそく口をつける。 喉を通る水の冷たさのおかげで、自分の体がどれほど熱くなっているのか実感できた。ほっと安堵の吐息を洩らしたところで、前触れもなく背後から抱き締められる。驚いて振り返ると、裸の千尋がにんまりと笑いかけてきた。気配も感じさせずに、和彦のあとを追いかけてきたのだ。「……待っていろと言っただろ」

  • 血と束縛と   第23話(4)

    ** 汗に濡れた茶色の髪に指を絡めていると、何かを思い出したように千尋が顔を上げる。和彦の腕の付け根辺りに顔を埋めておとなしくしていたため、とっくに眠ったのかと思ったが、こちらを見上げてくる千尋の目は、まだ爛々と輝いている。  行為のあとの気だるさを持て余している和彦とは、大違いだ。 「どうした?」 「今晩、じいちゃんと飲んだときさ――」  この状況での守光の話題に、和彦は微妙な表情となる。いくら千尋に知られたとはいっても、取り澄ました顔ができるほど、図太い神経はしていないのだ。正直、守光との関係に対して、まだ戸惑っている最中だ。 「花見会の話題が出たんだ」 「……先日会長と旅行に行ったとき、少し説明してもらった。警察からは、総会と呼ばれていると……」 「そうだよ。警察にとっては、春の訪れを感じる行事らしいよ。なんといっても、大物ヤクザが勢揃いだから、対応が大変だ」  腕枕をしている和彦の腕が痺れるとでも思ったのか、ごそごそと身じろいだ千尋が頭を上げる。 「新年会は、あくまで身内のための会なんだ。総和会に名を連ねる十一の組の人間しか参加が許されない。だけど花見会は、それ以外の組や団体からも人が集まる。この世界の人間は注目してるんだよ。今年はどこに、総和会会長からの招待状が届くか、って。総和会からの覚えがめでたいと、けっこう美味しい思いはできるし、揉め事にも利用できるから」 「ぼくの理解している花見とは、ずいぶん規模が違いそうだな」 「すごいよー。でかい屋敷を貸し切ってさ。そこの庭で花見するんだけど、右を見ても、左を見てもヤクザばかり。俺は高校生の頃、オヤジに連れられて一度だけ行った。別に楽しくはなかったけど、気前のいいおっさんたちが、やたら小遣いくれるんだ」 「お前は変なところで大物というか、無邪気というか……」  いまさらながら、千尋がどれだけすごい環境で過ごしてきたのか痛感する。何よりすごいのは、そんな環境で揉まれてきながら、千尋が底なしの甘ったれだということだ。  和彦が髪を撫でてやると、千尋は心地よさそうに目を細め、顔を寄せてくる。唇を触れ合わせるだけのキスを繰り返しながら、話を続け

  • 血と束縛と   第23話(3)

     千尋はもう、若い獣らしい、危ういほど傲慢で魅力的な表情を取り戻していた。興奮と欲望で両目は強い輝きを放ち、和彦を威圧してくる。 トレーナーをたくし上げられ、露わになった胸元に千尋が顔を埋めてくる。和彦は、両腕でしっかりと、しなやかで熱い体を抱き締めてやった。 硬く凝った胸の突起に、千尋がしゃぶりつく。強く吸われたかと思うと、舌先で転がされ、歯が立てられる。その間にも、スウェットパンツを下着ごと脱がされ、手荒く欲望を掴まれた。「先生、すぐ入れたい」 切羽詰った声で訴えられ、和彦は片腕で千尋の頭を抱き締めて、もう片方の手を頭上に伸ばす。棚に置いた小物入れの中をまさぐり、潤滑剤のチューブを取り出して千尋に手渡した。 千尋はすぐに潤滑剤を指に取り、性急に内奥に施す。自分でトレーナーを脱ぎ捨てた和彦は、自ら両足を抱えて大きく左右に開く。恥知らずな姿勢を取ることに抵抗はあるが、今はそれ以上に、千尋の望むとおりにしてやりたかった。 千尋がもどかしげに、内奥の入り口に張り詰めた欲望を押し当ててきた。「あっ、ああっ――」 凶暴な熱が容赦なく、狭い場所をこじ開けるようにして侵入してくる。潤滑剤に濡れた襞と粘膜を強く擦り上げられ、痛みを感じる間もない。電流にも似た心地よさが背筋を駆け抜け、和彦はピンと爪先を突っ張らせる。千尋は軽く眉をひそめた。「……先生の中、ギュウッと締まってる。きつくて、俺の食い千切られそう……。でも、いいよ。すげー、気持ちいい」 和彦の両膝を掴み、千尋が腰を突き上げてくる。内奥深くで重々しい衝撃が生まれ、それがじわじわと肉の疼きへと変化していく。和彦は甘い眩暈に襲われながら、緩やかに首を左右に振っていた。「あっ、あっ、ち、ひろっ――。うっ、くぅ……、んうっ」「先生、俺より感じまくってるね」 笑いを含んだ声で言いながら、千尋の指に反り返った欲望を弾かれる。たったそれだけの刺激で、和彦のものは先端から透明なしずくを滴らせた。興奮したのか、内奥で千尋の欲望がドクンと脈打つ。そしてすぐに、大胆に腰を使い始めた。 いつに

  • 血と束縛と   第14話(41)

     顔を綻ばせた賢吾に唇を塞がれ、舌を絡め合う。その間も、賢吾は内奥を丹念に擦り上げ、掻き回してくれる。 快感の波が次第に大きくなってくるようで、厚みのある体の下でのたうちながら和彦は、切羽詰った声を上げる。そんな和彦を見下ろしながら、賢吾は満足そうだった。「いやらしいオンナだ。こんなに愛してやってるのに、まだ俺が欲しいか? さすがの俺も、そのうち力加減を忘れて、抱き殺しちまいそうだな。俺の、大事で可愛いオンナを」 物騒な言葉を囁かれた瞬間、和彦の体を、いままでにない強烈な感覚が駆け抜けた。それが、深い快感のせいだとわかったときには、意識が飛んでいた。

    last updateTerakhir Diperbarui : 2026-03-31
  • 血と束縛と   第15話(24)

     三田村なりの独占欲の表れなのだろうかと思うと、愛撫で得る以上の悦びが、和彦の体を駆け抜けた。 凝った胸の突起を、執拗に舌先で弄られる。焦れた和彦が三田村の頭を抱き締めると、ようやくきつく吸い上げられ、心地よい疼きに体が震えた。 顔を上げた三田村と唇を啄み合い、舌先を触れ合わせる。戯れのようなキスを繰り返しながら和彦は、三田村の背にてのひらを這わせる。可愛がるように虎の刺青を撫でていると、和彦の手つきに感じるものがあったのか、三田村が笑った。「先生の手にかかると、俺の背中の虎も、猫と一緒だな」「ああ。ぼくに身を任せてくれるなら、虎も可愛い」

    last updateTerakhir Diperbarui : 2026-03-31
  • 血と束縛と   第15話(20)

     反り返った和彦のものは、触れられないまま、内奥からの刺激だけで悦びのしずくを滴らせていた。自分で慰めようとするのだが、背後から押し寄せる三田村の動きを受け止めるのが精一杯で、結局、クッションを握り締めるしかできない。 三田村の顔を見たいが、今のこの状態で一度繋がりを解くことなど、不可能だった。「いっ、い……、気持ち、いい……」「ああ、俺も――」 腰を引き寄せられると同時に、乱暴に内奥を突き上げられる。三田村の熱い精を奥深くに注ぎ込まれた瞬間、和彦はビクビクと体を震わせながら、放埓に声

    last updateTerakhir Diperbarui : 2026-03-31
  • 血と束縛と   第15話(12)

     意味ありげに千尋がニヤニヤと笑い、指を一本ずつ折ってみせる。和彦は遠慮なく、千尋の足を踏んづけてやった。そのまま歩き出したが、千尋は慌ててあとを追いかけてきて、あっという間に和彦の手から荷物を取り上げた。 そんな千尋を横目でちらりと見てから、和彦は口元に笑みを刻む。 今日は、アクセサリーショップだけでなく、行く先々の空気が浮ついているようだった。その空気に感化されたように、千尋だけでなく、実は和彦も浮かれている。本当に、今日という日を楽しみにしていたのだ。「先生、朝から機嫌いいよね」 エスカレーターで下の階に向かっていると、先に立った千尋

    last updateTerakhir Diperbarui : 2026-03-31
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