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第1086話

Auteur: 小春日和
「分かった」

幸江が前に出て、黒いギフトボックスを受け取った。ふたを開けると、中には精巧に作られたブローチが収められていた。それはコチョウランを模したデザインで、茎の部分は鋭く細長く、美しい曲線を描いている。花芯にはいくつかの細かなダイヤが散りばめられていて、まるでガラスのように透き通っており、一目見ただけで高品質のダイヤモンドだとわかる。

幸江は首をひねりながら言った。「綺麗なのは綺麗だけど、ちょっと地味じゃない?立花がなんでこれを贈るのかしら。それに、針の先がやけに尖ってる……下手したら刺さっちゃいそうよ」

「ちょっと見せて」

真奈が手を差し出すと、幸江はブローチをそっとその上に載せた。真奈は手に取ってじっくりと眺める。いくつも並んだ細かなダイヤは、どの角度から見ても美しく輝いており、そのカットの精度はかなり高い。

こういう仕上がりにできるのは、相当腕のいい職人でなければ難しいはずだ。

そして何より、コチョウランのデザインがまた素晴らしい。優雅で、高貴で、それでいてどこか捉えどころのない神秘性が漂っていた。

真奈は言った。「立花にこんなセンスはないわ。たぶん、彼の贈り
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