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第1193話

Author: 小春日和
「お、出てきたな」

階下では四人がテーブルを囲み、トランプをしていた。

唐橋龍太郎は真奈に誘われて席に着いていた。伊藤は黒澤が姿を現すのを見て、手札からハートのクイーンを軽やかに出しながら言った。「大物二人の話は、俺たちが聞けないのはまあ仕方ないとしてさ、真奈まで席外しとはどういう了見だよ?」

「プライベートな話だ」

黒澤は階段を降りながらそう短く答えた。彼の視線はさりげなくテーブルの下に向いた。三人がこっそり合図を送り合い、どうやら唐橋龍太郎をハメにかかっているらしい。

黒澤は何も見なかったふりをして、目をそらした。

そのとき、真奈がさりげなく黒澤に目配せした。黒澤は唐橋龍太郎の後ろに回り込み、一瞬だけ手札を覗き見ると、真奈に小さく手でサインを送った。

「パス」と唐橋龍太郎が言った。

「エース、私の勝ちね」

真奈が穏やかに言いながら、最後の手札を出した。

唐橋龍太郎はテーブルを見つめ、状況が飲み込めない様子だった。

先ほど、いい手札を持ってない顔をしてたのに……

伊藤が言った。「はぁ、少年、まだまだ未熟だな。そんな簡単に真奈に負けるとはね。さ、払って」

「…
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