151「すまない……花を苦しめたこと、すごく後悔してる。 だからこそ、この先花に償いたいと思ってる」「私ね、ある処方というか治療で精神を安定させてもらってるの。 この処置のお蔭で匠吾が島本玲子と結婚したって聞いてもおかしくならずに済んでるの」「玲子は知らないけど入籍はしてないし、この先するつもりもないんだ。 結婚したことにして一緒に住んでるのは仕方のないことなんだ。 彼女に復讐するための形だけの夫婦っていうか……。 今は家族と一緒に追い込みをかけてるところなんだ。 余り詳しくは話せないけど」「匠吾が望まないそんな歪な結婚をしたのはおじいちゃんのせい?」「すごく怒られた。 そして、俺は爺さんの本当の孫じゃなかったんだ。 びっくりだろ」「えっ?」「俺ってお袋の連れ子でさ、爺さんは元より親父とも血の繋がりがなかったってわけ。 参ったよ。 母さんもさ、俺のせいで爺さんにコテンパンにやられてさ。 玲子のことがなければ、何も知らず俺も両親も平和だったのに……。 俺はさ、花だけじゃなくて周りのみんなを不幸にしてしまったんだよなぁ」「そっか、おじいちゃん、ちゃんと私のために怒ってくれたんだ。 匠吾にはこういう言い方申し訳ないけど……。 おじいちゃんに足向けて寝られないや。 私、付き合ってる男性《ひと》がいるの」「……」「……って言えたら良かったのにね。 付き合ってはいないんだけど、一緒に仕事している人から交際を申し込まれていて、私たちのどちらかが異動になってから返事することになってるの。 付き合って上手くいかなくなった時に仕事放り出すようなことになったら嫌だからそうしてもらってるの。 私は一度そういうので会社辞めてるから」「まだ付き合ってないのなら、俺とのこと考えてみて、花」
Terakhir Diperbarui : 2025-05-23 Baca selengkapnya