愛、終わりて悔いなし
藤堂樹と結婚して六年、彼は愛人を囲っていた。
その愛人は、息をのむほど綺麗な女だった。そして、少しでも声を荒げると、怯えた子犬のように首をすくめてしまう。
だから樹は、そんな彼女を壊れ物でも扱うかのように、決して大声を出したりはしなかった。
しかし、そのか弱い女は、決して大人しくはしていなかった。ある日、彼女は私の前に現れて騒ぎ立て、事を荒げた。その結果、樹は激怒し、彼女の頬に強烈な平手打ちを見舞ったのだ。
そして翌日。彼女は、首筋を埋め尽くすおびただしいキスマークの写真を、私に送りつけてきた。
【奥さん、藤堂社長って、とっても手荒なんだから。私、怖くって】