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22.喜んで受け取ること④

ผู้เขียน: 中道 舞夜
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-06-22 20:22:46

ルシアン様から言われた褒め言葉に対して「ありがとう」という返しの言葉は、私の心を縛っていた見えない鎖を解き放ってくれたようだった。

褒められることへの戸惑いはまだ完全に消え去ったわけではないけれど、少なくとも素直に感謝を伝えることの喜びを知った。王子たちがくれる愛情をようやく真正面から受け止められるようになったのだ。

「葵、今日ね庭で綺麗な花が咲いていたから部屋に飾るように摘んできたよ。君みたいで綺麗でしょ。」

「わあ、本当、綺麗なブルーですね。ルシアン様、ありがとうございます」

「ふふふ、違った。君の方が綺麗だね」

ありがとうの後にまた甘い言葉を返してくるルシアンにはまだ慣れていないが、素直に受け取っていいと言うのは新たな発見で、私自身も少しだけ自分のことが好きになっていった。

日本にいる時は、夫に尽くすのが自分の役目だと思っていた。夫の幸助さんとは親同士が決めた政略結婚で、愛はなく形だけの冷めた関係だった。それでも夫婦の、妻としての役目を果たそうと炊事、洗濯、掃除など日常生活の家事に励み、仕事で疲れた幸助さんが休める場所を作るように務めていた。しかし、いくら家事に励んでも雇っている家政婦とやっていることは同じで幸助さんの心に響くことはなかった。

家事をしても、薬学を覚えようとしても周りにいる家政婦や看護助手の代わりでしかなくて幸助さんの特別な存在になることはなかった。相手のために出来ることを考えて動いていたつもりだが、一方通行の尽くしに心が折れていた。

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