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第7話:摂政の視線

Author: fuu
last update Last Updated: 2025-09-10 23:00:42

鐘が十度鳴り、白い大聖堂の扉が開いた。香油の匂い。冷たい石の床。王子は腰の剣を外し、皇子の半歩後ろに立った。公では皇子が前に。私室では王子が支える。そう決めた契約は、今日、条約婚の儀で公文となる。

大司教が巻紙を広げた。金糸の手袋が紙を抑える音が小さく響いた。

「合意契約の件。両者、聞こえるか」

皇子は喉奥で息を整えた。森で出会ったときは震える手だったのに、今日は自分で前に出る。王子はそれを肩甲骨の緊張で見分けた。まだ硬いが、折れない。

大司教は条文を読み上げる。

「一、可と不可。可は『束縛』『命令』『跪座』。不可は『傷痕を残す行為』『呼吸を妨げる行為』」

ざわめき。王城評議員の首が一斉に動く。王子は肩を揺らしもしない。合意の明文化は政治だ。相互の境界は、国境に似る。

「二、合図。手の三拍は『弱めて』。左手が床は『中止』。セーフワードは『葡萄』」

地下街の顔役たちが同時に眉をひそめるのを王子は見逃さなかった。市場の値下げ合図がたしかそれだ。あ、被ってるな、と王子は内心で額を押さえた。

「三、アフターケア。温湯、甘味、冷却膏、三十分の抱擁。異変は侍医へ報告」

皇子が小さく笑った。甘味で笑う。それでいい。

「四、週一回のスイッチ・デーを設け、主従の位置を反転する」

評議員席から咳払い。王子は視線だけで返す。君らのスイッチは政務と信仰の間だ。こちらは身体と信頼の間。似て非なるが、根は同じ。

巻紙を閉じる前に、摂政エレーネが立った。黒衣は静かな炎だった。

「文言に問題がある」

声は冷たくも礼節を失わない。王子は頷く。来ると思っていた。

「『跪座』の義務。帝位継承者に対する私的義務が公務に干渉し得る。『葡萄』は地下街では値崩れ合図。さらにアフターケアに『三十分の抱擁』。抱擁は美徳だが、儀礼上時間を区切るのは宗礼の規範に反する可能性がある」

王子は皇子の背を指先で一度、軽く叩いた。三拍。落ち着いて。前へ。

皇子は一歩進み、直視で返した。

「照会を。教会法に、照らして」

エレーネは頷き、書記官に合図した。使者が走る。大聖堂の空気が引き締まった。

条例の読み上げは続いた。条約婚は成立し、祝詞が響いた。石と光と人の呼吸で、儀は締めくくられた。公開儀礼は完了。だが言葉の闘いは始まる。

私室に戻ると、王子はいつもの位置についた。背後。肩を預ける距離。

「葡萄、やっぱり市場合図と被ってた」

皇子は頬を赤くして笑った。

「甘いのが好きだから、つい」

「好きなら別の果物を」

「甘栗?」

「それは地下街の合図で『裏口に回れ』だ」

「危ない」

二人とも笑った。軽いコメディは骨の軋みをほどく。笑い終えると、王子は湯を注ぎ、皇子の手を取って目と目を合わせた。合図の復唱。三拍は弱める。左手が床で中止。新しいセーフワードは——。

「『星灯』にしよう。市場では使わない」

「うん。星灯」

皇子は言葉を口の中で転がし、頷いた。その頷きが、王子の胸に小さな灯を増やした。

「アフターケア、三十分の抱擁は削るか?」

「削らない。時間は目安。教会には『抱擁は相互の慰撫として適切、時間指定は便宜上』と添えて」

王子は皇子のこめかみに薬香の膏を塗り、指を絡ませた。柔らかい掌。森で震えていた頃とは違う。雄になる訓練は、体の反応だけじゃない。言葉の出し方、会議での椅子の座り方、沈黙の長さ。全部つながっている。

「明日の評議、君が先に開口する。三句で、短く」

「三句」

「息はみぞおち。視線は一人に固定。命令形」

皇子は頷く。その頷きの角度が、もう臣のそれじゃない。王子は胸の奥で笑った。

扉が叩かれ、若い侍従が地下街からの文を持ってきた。地下街の顔役が面談を求めている。納骨堂の鍵を動かす噂が走っているらしい。納骨堂。灰の回廊。先祖の骨が眠る場所は力の象徴だ。誰が鍵を持つかで街は動く。

「行こう。地下へ」

「今から?」

「今夜はスイッチ・デーじゃない。公務だ」

「よかった。評議とスイッチ・デー、重なってたら混乱する」

「誰かが床に左手を置く」

笑いながら、二人は外套を取った。

地下街は湯気と油の匂い。香辛料が鼻を刺す。顔役は薄暗い店の奥に座っていた。背後の壁に、納骨堂の鍵の模造が掛けられている。挑発だ。

「公では皇子が前に出る約束だったな」

顔役は目だけで笑った。

皇子は前に出た。足が止まる。喉が渇く。その瞬間、王子の指が背で三拍。弱める。呼気が解ける。

「納骨堂の鍵は、摂政でも、地下でもない」

皇子の声は静かに響いた。

「祖霊は城と街のもの。大聖堂の規範に基づいて、我々が共に守る」

顔役は片眉を上げる。王子は黙って皇子の肩から手を外した。ひとりで立たせる。

「地下は見張りを出す。鍵は大聖堂に置け。その代わり灰の回廊の商い税を緩めろ」

皇子は息を飲み、言い切った。

「三分の一。三ヶ月だけ」

短句。固定視線。命令形。森で彼に教えた「雄」の態度が、ここで政治に変換される。顔役は舌打ちし、笑った。

「三分の一。ひと月だ」

「二」

「……よし、二」

手が打たれ、香辛料の匂いの中で小さな合意が結ばれた。

階段を上がる頃、王子は肩を叩いた。

「よくやった」

「三句、忘れかけた」

「背中に書いた」

「ずるい」

二人で笑い、石段を上がる。顔を上げると、大聖堂の尖塔が月を割っていた。

翌朝、照会の返書が大聖堂から届いた。大司教の封蝋。エレーネが自ら開封する。王子と皇子は並んで立った。

「教会法に照らし、相互の合意に基づく『節制された主従』は婚姻の徳に反しない。セーフワードは俗の手信号と混同を避ける表現に改めることが望ましい。アフターケアは相手を『人』として扱う誓いの具体化であり、宗礼の精神に適う」

エレーネは一瞬、目を細めた。負けず嫌いの目じゃない。正確に重さを量る目だ。

「文言を『星灯』に改め、抱擁の時間は『必要なだけ』に。跪座の語は宗礼の用語に置換しなさい」

「『礼座』で」

皇子が口を開き、エレーネは頷いた。

「よろしい」

評議室の空気はひんやりしていた。エレーネの視線は依然、鋭い。けれど敵のそれではない。王子は知っていた。彼女は火を持つ手だ。燃やすためじゃない。灯すための。

「公開儀礼はもう済んだ。後は運用だ」

エレーネが切り、皇子が続ける。

「週一回のスイッチ・デーは、評議と重ねない」

小さな笑いが起きた。王子は咳払いで整え、口を開く。

「地下街とは税で仮合意。納骨堂の鍵は大聖堂に。灰の回廊の見回りは地下と交代で」

短句で、役目を置いていく。言葉が職人の手触りを得ていく。

儀が終われば、私室。温湯。甘味。星灯と囁いて目を合わせる。皇子は肩を落とし、王子はその首筋に手を置いた。アフターケアは政治の外にあるようで、内側の芯でもあった。互いに人として扱うという誓いは、政にも届く。

「エレーネ、怖い?」

皇子がぽつりと言った。王子は首を振った。

「怖いのは、君が自分を小さくし続けること」

「小さくしない」

「じゃあ、次は灰の回廊だ。囁きが増えている」

皇子は息を吸った。森で拾った最初の勇気を、胸の真ん中に戻す。王子はその中心を手で押さえた。支える。公では皇子が前に。私室では王子が支える。二重の統治は、今日も回り始めたところだ。

次回、第8話:灰の回廊の囁き

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