แชร์

37.月詠見の悪巧み②

ผู้เขียน: 霞花怜
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-07-06 19:00:41

「淤加美様が見付けたいのは宝石そのものより盗んだ犯人でしょう? 見付けたいというより捕えたいんでしょう? 今更、どうにかするのは国にとっても不利益ですよ」

「不利益ではないよぉ。むしろ有益でしょ」

 逼迫した表情の紅優と比べて、月詠見はにこやかだ。

 二人のテンションの違いが、かえって怖い。

「盗まれた色彩の宝石自体は、恐らくもう、どうにかなっちまってるだろうけどね。犯人はまだ国の中にいるのさ」

 日美子が、こそっと教えてくれた。

 千年近くも昔に盗まれた最初の宝石は現世に持ち去られたという話だから、確かに探し出すのは不可能だろう。

「紅優が現世と繋がりを持って、時々には現世に出向いていたのは、失われた宝石を探すためだろ? 均衡を保つ役割を担う妖怪の鏡だけどさぁ。多分、見付からないよ? 犯人、上げた方が早いって」

 月詠見の言葉は、普段の紅優より軽い。だが、内容には説得力がある。

(だから紅優は現世の事情に詳しいし、理研とも繋がってたりしたんだ)

 とても納得してしまった。

「だからって……」

 紅優が言葉を噛み締めた。

「あの、もしかして犯人て、もうわかってたりするんですか?」

 さっきから紅優と月詠見のやり取りは、具体的な誰かを想定しているように感じる。

 紅優と月詠見と、日美子まで蒼愛に目を向けて、黙った。

「あ……、ごめんなさい。今のはナシにして、続けてください」

 どうやら、マズい言葉を投下したらしい。

 月詠見が蒼愛の頭を撫でた。

「よしよし、蒼愛は賢いなぁ。色彩の宝石を盗んだ犯人が、国中知らない者がないほどの存在なのに公然の秘密って気が付いちゃったかぁ」

「そこまでは、わかりませんでした!」

 危機を感じて蒼愛は身を引いた。

 蒼愛の体を引き寄せて、紅優が月詠見から離した。

「けど、これはチャンスかもね。新しい色彩の宝石を作り出せるほどの蒼愛は、この国を何も知らない。新しい色彩の宝石は、奉ればきっとまた盗まれる」

 日美子の言葉に、月詠見が嬉し

อ่านหนังสือเล่มนี้ต่อได้ฟรี
สแกนรหัสเพื่อดาวน์โหลดแอป
บทที่ถูกล็อก

บทล่าสุด

  • 『からくり紅万華鏡』—餌として売られた先で溺愛された結果、この国の神様になりました—   37.月詠見の悪巧み②

    「淤加美様が見付けたいのは宝石そのものより盗んだ犯人でしょう? 見付けたいというより捕えたいんでしょう? 今更、どうにかするのは国にとっても不利益ですよ」 「不利益ではないよぉ。むしろ有益でしょ」 逼迫した表情の紅優と比べて、月詠見はにこやかだ。  二人のテンションの違いが、かえって怖い。「盗まれた色彩の宝石自体は、恐らくもう、どうにかなっちまってるだろうけどね。犯人はまだ国の中にいるのさ」 日美子が、こそっと教えてくれた。  千年近くも昔に盗まれた最初の宝石は現世に持ち去られたという話だから、確かに探し出すのは不可能だろう。「紅優が現世と繋がりを持って、時々には現世に出向いていたのは、失われた宝石を探すためだろ? 均衡を保つ役割を担う妖怪の鏡だけどさぁ。多分、見付からないよ? 犯人、上げた方が早いって」 月詠見の言葉は、普段の紅優より軽い。だが、内容には説得力がある。(だから紅優は現世の事情に詳しいし、理研とも繋がってたりしたんだ) とても納得してしまった。「だからって……」 紅優が言葉を噛み締めた。「あの、もしかして犯人て、もうわかってたりするんですか?」 さっきから紅優と月詠見のやり取りは、具体的な誰かを想定しているように感じる。  紅優と月詠見と、日美子まで蒼愛に目を向けて、黙った。「あ……、ごめんなさい。今のはナシにして、続けてください」 どうやら、マズい言葉を投下したらしい。  月詠見が蒼愛の頭を撫でた。「よしよし、蒼愛は賢いなぁ。色彩の宝石を盗んだ犯人が、国中知らない者がないほどの存在なのに公然の秘密って気が付いちゃったかぁ」 「そこまでは、わかりませんでした!」 危機を感じて蒼愛は身を引いた。  蒼愛の体を引き寄せて、紅優が月詠見から離した。「けど、これはチャンスかもね。新しい色彩の宝石を作り出せるほどの蒼愛は、この国を何も知らない。新しい色彩の宝石は、奉ればきっとまた盗まれる」 日美子の言葉に、月詠見が嬉し

  • 『からくり紅万華鏡』—餌として売られた先で溺愛された結果、この国の神様になりました—   36.月詠見の悪巧み①

     広い部屋の中で、四人は膝を突き合わせて小さく纏まって話をしていた。「淤加美からしたら、確かに気に入らないさ。蒼玉の謁見なしに番にした挙句、自分に御披露目する前に、私らの加護を貰ってくる状態だからね」 日美子の言葉に、蒼愛と紅優は同じように息を飲んだ。 「しかも蒼愛は一人で色彩の宝石を作れる異才だ。絶対に欲しがるだろうねぇ」 続いた月詠見の言葉に、二人して顔が下がる。「だから最初から、あげちゃえばいいのさ」 飛び出した月詠見の提案に、蒼愛と紅優は揃って顔を上げて首を横に振った。「それじゃ、相談に来た意味がありませんよ」 紅優が前のめりになっている。 いつもの紅優らしからぬ、というより、普段の蒼愛みたいだなと思った。「番や神子としてあげるんじゃなくってさ、側仕として働くんだよ。あくまで紅優の番としてね」「それ、良いかもしれないねぇ」 月詠見の提案に、日美子があっさり同意した。「蒼愛が色彩の宝石を作れる以上、行く行くは紅優と均衡を保つ役割を担っていくようになる。国の中の状況を覚えるための勉強とでも話せばいいし、自分たちもそう思えばいい」 月詠見の説明が、蒼愛には納得できた。 だが、紅優の顔は晴れない。「俺としては、淤加美様の近くに蒼愛を置くのが不安です」 紅優の耳が寝ている。 本当に不安なんだと思った。「そんなに嫌いかい? 淤加美は、まぁ、お世辞にも付き合い易いとは言わないけどさ。そこまで嫌な奴でもないと思うよ」 日美子が引き気味に淤加美を擁護した。「嫌いではなくて、なんというか。只でさえ蒼愛は蒼玉で、本来なら淤加美様の元に在るべき存在です。一緒に過ごしたら、蒼愛自身の善さまで教える羽目になってしまう気がして、淤加美様に余計に気に入られてしまうのではないかと」 日美子と月詠見が同じタイミングで吹き出した。 紅優が何とも言えない表情で二人を見詰める。(紅優は日美子様と月詠見様の前だと、子供みたいだなぁ

  • 『からくり紅万華鏡』—餌として売られた先で溺愛された結果、この国の神様になりました—   35.日と暗の加護②

    「これで蒼愛は六つの属性の力総てを使えるようになったわけだけど。もう一度、色彩の宝石を作ってみる?」 月詠見の提案を日美子が慌てて止めた。「何言ってるのさ。あれだけ集中力が必要な力をそう何度もやらせたら、蒼愛が疲れて動けなくなるだろ」「そうかなぁ。蒼愛なら出来ちゃいそうだけど」「自分が見たいからって無理させるんじゃないよ」 月詠見と日美子が言い合いを始めてしまった。 蒼愛は、おずおずと手を上げた。「えっと、あの……、大丈夫だと思います」 二人が黙ったまま蒼愛を見詰める。 居た堪れなくて、蒼愛は紅優を振り返った。「出来そうな気がするんだけど、やってみてもいい?」「蒼愛ができると思うなら、いいよ」 蒼愛の髪に口付けて、紅優が頷いてくれた。 途端に安堵が広がる。「ほらね、出来そうだって。紅優もいいってさ」 月詠見が得意げに日美子に捲し立てた。「日美子様、心配してくださって、ありがとうございます。でもきっと、大丈夫です。お二人の力はとても温かいから。日美子様は温かくて優しいし、月詠見様は適当そうだけど、優しい神様なんだって、神力で感じました」 蒼愛の話を聞いて、日美子が吹き出した。「そうかい、なら、反対しないよ。やって見せておくれ、蒼愛」 日美子の目が、月詠見に向く。 ちょっとだけ拗ねたような顔は、子供っぽく見えた。「じゃぁ、作ってみます」 最初と同じように、自分の手を重ねる。 目を閉じて集中する蒼愛を、後ろから紅優が包んでくれる。とても安心できた。 手を少しずつ開いて、霊力を練り、集中する。 直径二㎝ほどの大きさの玉が、蒼愛の手の中に現れた。 七色に輝くその宝石は、先に作った玉より明るい光を放って、強い霊気を帯びていた。「どうでしょうか」 宝石を乗せた両手を月詠見に差し出す。 蒼愛の手の中の石を摘まんで、月詠見がまじまじと観察する

  • 『からくり紅万華鏡』—餌として売られた先で溺愛された結果、この国の神様になりました—   34.日と暗の加護①

     月詠見の提案で、蒼愛にはすぐに日の加護と暗の加護を与えられる運びになった。 大きな卓をどかして、蒼愛は紅優と並んで座り、月詠見と日美子に向き合った。 「まずは蒼愛が全属性の力を使えるようになるのが先決だ。今でも四つの属性は使えているようだね。日と暗も紅優の妖力で補えているが、弱い。俺たちが加護を与えれば、より確実に使えるようになる」 月詠見がさっきまでとは打って変わって真面目に話し始めたので、驚いてしまった。 真面目な顔の月詠見が、掌を上に翳す。 手の中に黒い神気が浮かび上がった。 隣の日美子の手には白い神気が浮いている。 二人が、もう片方の手をぴたりと重ねた。 白い球体と黒い球体が合わさった。 球体の中で白と黒の色がマーブル模様を作っていた。(白と黒の万華鏡みたいだ。綺麗だなぁ) 日美子と月詠見の神力を、蒼愛はぼんやりと眺めていた。「日と暗の神力を、蒼愛の霊元に沁み込ませるよ。最初は衝撃が強いと思うから、紅優が後ろでしっかり支えるように」 月詠見に促されて、紅優が蒼愛の後ろに回り込んだ。 小さな体を大きな手が支える。 蒼愛は後ろを振り返って、紅優に笑いかけた。「ありがとう、紅優」「頑張ってね、蒼愛」 前に向き直ると、月詠見が蒼愛の肩に手を掛けた。「それじゃ、入るよ」 掌の白黒の神気が蒼愛の胸に押し当てられる。 まるで吸い付くように、月詠見の神力が蒼愛の中に入り込んできた。「ぁ……温かい」 体中に広がった神力が霊元に吸い込まれる。  優しい温かさが体を巡って、意識が薄れる。「蒼愛!」 紅優の声で、閉じかけた目を開いた。 月詠見の手が伸びて、蒼愛の顎を掴まえた。「仕上げだね」 唇が重なって、大量の神力が流れ込んでくる。 胸の奥の方から、大きな力が湧き上がってくる感覚がした。「んっ&hell

  • 『からくり紅万華鏡』—餌として売られた先で溺愛された結果、この国の神様になりました—   33.日ノ神と暗ノ神②

    「それで? 二人は俺たちに、お願い事があってきたのだろう? 紅優の悪巧みを聞かせておくれ。面白そうなら、一枚噛んでやってもいいよ」 月詠見の目がニタリと笑んだ。 面白尽の視線に、紅優が居直った。「蒼愛は見ての通り、宝石の人間の蒼玉で、俺の番です。元は餌として仕入れた人間でしたので、宝石の質は番にしてから知ったのですが……」「本当に?」 月詠見の問いかけに、紅優が息を飲んだ。「蒼愛の青い髪と目は、番になってからの変化かい? 霊力は? これだけ大きな霊力を蓄えた人間の質に、番にする前に気が付かなかったとは思えないなぁ」 月詠見が笑みを崩さず問いただす。「霊元があり霊力量が多い人間を所望して購入したので、疑いませんでした。青い目も髪も元からでしたが、まさか餌に宝石が混じっているとは思いません。蒼愛が俺の元に来た時は霊元が閉じていて、本来の質が出ていませんでした」 紅優の言葉に嘘はない。 紅だった頃の紅優が気が付いていたかは別として、今の話は蒼愛が聞いた内容と同じだ。「なら紅優は、どうして蒼愛を番にしたんだい?」 日美子の問いは、尤もだし、一番大事だと思った。「魂の色が綺麗だったからです。霊元さえ開けば、蒼愛の霊力量なら番になれると思っていました」 振り返った紅優が、はにかんだ顔で蒼愛の髪を撫でた。 いつもの仕草が、今日はいつもより嬉しく感じた。 月詠見と日美子が確かめ合うように顔を見合わせた。「まぁまぁ、だね。ぎりぎり及第点かな」 月詠見の言葉に、紅優が息を吐いた。 安堵した感が、ありありと伝わる。「私ら相手にそこまで緊張してたんじゃ、淤加美は誤魔化せないよ。もう少し、自然に話すように頑張りな」 日美子に腕を叩かれて、紅優が苦笑いした。(紅優、緊張してたんだ。いつもよりは気が張ってる感じはしたけど) 蒼愛はこっそり、紅優の手を握った。 気が付いた紅優が蒼愛に笑いかけてくれて、少しだけ安

  • 『からくり紅万華鏡』—餌として売られた先で溺愛された結果、この国の神様になりました—   32.日ノ神と暗ノ神①

     雲の中を駆けた紅優の体が明るい場所に飛び出した。 紅優の体にしがみ付いていた蒼愛に、声が掛かった。「もう目を開けていいよ、蒼愛」 いつの間にか紅優の姿が妖狐から人型に戻っていた。 紅優の背中から降りて、辺りを見回す。 静かな何もない場所に、神社のような建物が一つ、建っていた。(とってもシンプルな作りの家だけど、快適そう。流れてくるこの感じは、神力かな) 神力という言葉を、蒼愛は知らない。 知らないはずなのに、そう感じた。 呆然と建屋を眺める蒼愛の手を、紅優が握った。「俺の手を離さないで。傍から離れちゃ、ダメだよ」「うん、約束する」 いつもと変わらない笑みの紅優だが、さっきまでの浮かれた様子はなくなっていた。「あれが日ノ宮(ひのみや)。日ノ神(ひのかみ)・日美子(ひみこ)様の宮だよ。今ならきっと、暗ノ神(くらのかみ)・月詠見様(つくよみ)も御一緒だと思う」 紅優の話に頷いて、蒼愛は足並みを揃えて歩き出した。 宮の前に着くと、扉は独りでに開いた。「入ろうか」 紅優に手を引かれて、蒼愛は頷いた。 開いた扉の向こうに続く、長い廊下を歩く。 奥の突き当りに人が立っていた。「やぁ、いらっしゃい。思ったより早かったね、紅優……」 紅優と蒼愛を笑顔で迎えてくれた女性が、名を口走って驚いた顔をした。「本当に番になったんだね。おめでとう」 そう言って笑んだ顔は本当に嬉しそうで、心から祝福してくれているのだと感じた。「立ち話も何だ。中へ、お入りよ」 歩き出した女性に続いた紅優に腕を引かれて、蒼愛も歩き出した。「番の名前って、他の人……、じゃなくて、神様や妖怪にも効果があるんだね」 番になると、一文字だった頃の名前が呼べなくなる。 蒼愛はもう、紅優を紅とは呼べない。呼ぼうとしても、口が紅優と勝手に発する。「

บทอื่นๆ
สำรวจและอ่านนวนิยายดีๆ ได้ฟรี
เข้าถึงนวนิยายดีๆ จำนวนมากได้ฟรีบนแอป GoodNovel ดาวน์โหลดหนังสือที่คุณชอบและอ่านได้ทุกที่ทุกเวลา
อ่านหนังสือฟรีบนแอป
สแกนรหัสเพื่ออ่านบนแอป
DMCA.com Protection Status