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第180話

Author: レイシ大好き
有紀はとても優秀な腰巾着で、体裁を保つためにも、伊澄はしぶしぶ彼女の治療費を払うことにした。

大した問題ではなかったとはいえ、この程度の医療費など彼女にとっては痛くもかゆくもない。

だが、無駄にした時間と失った面子を思うと、人前に出るのも憚られる気分だった。

有紀はずっと「手が痛い」と喚いていた。

仕方なく、伊澄はイライラを押し殺してなだめる。

けれど内心では、

まったく役に立たないね、どうしてもっと思い切り指を折らせなかったのよ。

これじゃ証拠も何も残らないじゃない。

証拠がなければ、京弥兄のところに持っていくこともできないのに。

有紀はただひたすら痛みを訴えるばかりで、伊澄の苛立ちには気づいていない。

今は紗雪のことを思い出すだけで震え上がるほどだ。

あんなに綺麗な顔をしているのに、手を出す時は本当に容赦がないなんて。

結局、二人は不満げに病院を後にした。

もうこれ以上ここにいても、意味はなかった。

......

日向は、まだ真剣に服を選んでいる紗雪を見ながら、千桜を抱く手にぎゅっと力が入った。

ついには我慢できずに声をかけた。

「なあ、紗雪、本当
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