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第808話

Auteur: 落流蛍
時也が車を発進させようとしたとき、助手席のドアが開けられた。

一瞬の間に、貴仁が勢いよく乗り込んできた。

時也は無駄話をせず、車を運転してマイケルの診療所へ向かった。

車内で、貴仁は時折後部座席の華恋を振り返った。

「華恋は大丈夫かな?」

時也はハンドルを握りしめ、腕の血管が浮き出ていた。

「きっと大丈夫だ!」

貴仁はそれ以上は尋ねず、ただ静かに華恋を見つめ続けた。

時也は車を猛スピードで走らせ、まさに電光石火の勢いだった。

貴仁は何度も振り返って、手すりを握りしめた。

ようやく三人はマイケルの診療所に到着した。

時也が抱えて運び込んだ華恋を見ると、マイケルはすぐに尋ねた。

「どうしましたか?」

時也は貴仁を見た。

貴仁も遠慮なく、哲郎が華恋の前で時也の事情を言い出すことを話した。

話すたびに、時也の顔色はどんどん暗くなった。

話し終える頃には、彼の顔は暗く沈み、まるで墨のような色に染まっていた。

「時也様、すぐに若奥様を治療に連れて行かなければなりません」

マイケルはそう言い終えると、華恋を押して奥へと向かった。

ずっと抑えていた時也はもう我慢で
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