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第237話

Auteur: 北野 艾
「分かりました。何かあれば呼んでください」

帰国早々スタイリングに奔走し、海雲を迎えに行っていたため、夕食を摂る暇もなかった。

空腹を感じていた詩織は、軽食を取り分け、人目の少ないスペースへ陣取った。

さきほど海雲の傍らで挨拶を交わした際、一人の人物に目星をつけ、連絡先を交換しておいた。

『徳建』の板木社長だ。

もし港湾再開発の入札に成功すれば、いずれ『徳建』と組む可能性が高い。

転ばぬ先の杖として、今のうちにパイプを作っておきたかったのだ。

さすが一流のパーティーだけあって、フィンガーフードの味も格別だ。

いくつか摘んで小腹を満たし、そろそろ海雲のもとへ戻ろうと腰を浮かせたとき、人の気配が近づいてきた。

自分の名前が聞こえなければ、そのまま立ち去っていたことだろう。

だが運悪く、陰口が耳に入ってしまった。

志帆は新たな人脈を作ろうと意気込んでいたものの、どこへ行っても話題は詩織のことばかり。すっかり興ざめしてしまい、静かな場所へ逃げてきたのだ。

隣には、慰め役の美穂がいる。

「お姉ちゃん、気にすることないって。あんなふしだらな女にペース乱されるなんて馬鹿らし
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