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嘘の人探し③

مؤلف: 晴坂しずか
last update تاريخ النشر: 2025-12-20 20:10:06
 戻ってきた久我は相楽の姿を見て目を丸くした。

「相楽、来てたのか」

「はい。明日から復帰しますので、よろしくお願いします」

 と、相楽は立ちあがって律儀に頭をさげる。

「そうだったな。ちょうどいいから、今後について話そう」

 久我は自分のデスクに着き、まず確認をした。

「僕たちが今進めている調査について、もう聞いたか?」

「はい、怪しい依頼人のことですよね」

「ああ、そうだ」

 と、久我は三人へ顔を向ける。

「弟から聞いた話では、ネットに書かれていた監査部のKというのは、依頼人が探すように言った近藤敬一だと分かった。

 犯人には四年の実刑がくだされ、予定通りであれば、もう刑期を終えて出てきていることもな」

「業務上横領罪って、そんなに軽いんすね」

 と、間遠が感想を述べると、久我は返した。

「初犯だったからな。依頼人が犯人である可能性は俄然がぜん濃くなった」

 外はすでに暗くなっており、事務所内の空気が一瞬だけ沈む。クーラーの稼働音がやけに耳についた。

「だが、そう仮定すると妙なんだ。自ら居場所を教えておいて、尾行させた先で包丁と手袋を買っている
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  • 久我探偵事務所の灯りの下で   ネットのおもちゃ③

     璃久は膝を立てて三角座りをした。ぎゅっと膝を抱き、顔を埋めるようにして考える。 昨日、間遠が言っていた。ネットで拡散された写真を消すのは、いたちごっこだと。 璃久は悲しい気持ちになりながら言った。「終わりがないことをやっている自覚、ありますか?」「ああ、あるよ」「それでも、やめられないんですか?」「やめられないね。どうしても、俺がやらなきゃって思っちまう」 鯉川は立ち上がり、台所へ行くと冷蔵庫を開けた。 缶ビールを取り出し、その場でごくごくと飲み始める。「俺の両親はある意味、賢かったんだ。そういう写真に高値をつけても、買う人間がいることを知ってた」「……」「でも、それがあいつの……違うな、俺の人生までもを壊しちまったんだ」「もうやめてください、鯉川さんっ」 璃久が声をあげると、鯉川が冷めた目を向けて自嘲する。「璃久ちゃんには分からねぇよな、俺の気持ちなんてよ」「分かりません。でも、鯉川さんのやってることが、リストカットと同じだってことくらいは分かります!」 鯉川が目をみはり、璃久は震えそうになる足で立ちあがった。「もう許してあげてください。自分のこと、許してあげて……っ」 ぼろぼろと涙がこぼれ、頬を伝い落ちていく。「鯉川さん、もういいでしょう? もうそんなに自分をいじめなくても、いいはずでしょう?」「……贖罪だとしても?」「そんなの、自己満足じゃないですかっ。 もういない人に向けて罪滅ぼしをしたって、満足するのは自分だけじゃないですか!」 言ってからはっとした。「違う、満足なんてしない。するわけがないんです」「……」「だって、鯉川さんは満足しようとしてないでしょう? 行為が目的になってて、結果を見ようとしてないんです」 鯉川が小さく笑った。「すごいな、璃久ちゃんは。そうだ、俺は満足なんてしな

  • 久我探偵事務所の灯りの下で   ネットのおもちゃ②

     鯉川がシャワーを浴び終えた頃、璃久も足の踏み場ができる程度には片付けができた。「ごめんね、璃久ちゃん。ありがとう」 と、濡れた髪のまま鯉川が戻ってきて、璃久はゴミ袋を部屋の隅へ積む。「別にいいんですよ。それより、みなさんから話は聞きました。大丈夫ですか、鯉川さん」 璃久がじっと鯉川を見つめると、彼は視線をそらした。「ごめん。でも、やらなきゃいけないんだ」「ハッキングして写真を消してるんでしょう?」 間髪をいれずに璃久が問うと、鯉川はパソコンの方を見て返す。「六年前に自殺した娘さんなんだ。 ネットのおもちゃにされてて、ひどいのだとディープフェイクまで作られてた。消したいって思うのは当然だよ」「だからって、鯉川さんが無理をしてまで、引き受ける必要はあるんですか?」 鯉川はため息をつき、奥の部屋からペットボトルのミネラルウォーターを取ってきた。「座って話そう。これ、飲んでいいよ」「ありがとうございます」 ペットボトルを受け取り、璃久は座卓のそばに腰を下ろした。 鯉川も座卓を囲んで左側に座り、キャップを開けて水をごくごくと飲む。しばらく水分補給すらしていなかったようだ。 半分ほど飲み干してから、鯉川は口を開いた。「昨日はドタキャンしちゃって、ごめん」「いえ、また今度にすればいいだけですから」「そう言ってもらえるのは嬉しいけど、おじさんには話したくないことがたくさんあるんだ」「もしかして、ボクに帰れって言ってますか?」「……ごめん。せっかく来てくれて悪いけど、部屋も片付けてもらっちゃって悪いけど、できれば早く帰ってほしい」 いつもより伸びた無精髭が痛々しく見えた。普段の軽口は影すらなく、鯉川は弱々しい顔をしていた。「嫌です、って言ったら?」 鯉川がのぞきこむように璃久の目を見る。「璃久ちゃんって、可愛い顔して押しが強いんだよね」 からかうような口調ではなく、むしろ自信の情けなさを反映したような台詞だった。 璃久もミネラルウ

  • 久我探偵事務所の灯りの下で   ネットのおもちゃ①

     日曜日の夕方、新宿の繁華街から少し離れた喫茶店で、名城璃久は間遠桜と向かい合っていた。「それで、鯉川さんに何があったんですか?」 たずねる璃久へ間遠は困ったように笑う。「オレも久我さんから聞いた話なんで、くわしいことは分からないんだけどさ」 と、前置きをした。「先週の金曜日だから、一昨日だな。依頼の相談があったんだけど、久我さんは断ったんだ。明確に法に反するから、って」「その依頼っていうのは?」「確か、娘の写真がネットで拡散されてて、それを消してもらいたいって話だった」「写真を消す?」 璃久が首をかしげると、間遠はアイスコーヒーを一口飲んだ。「拡散される原因になった一人を見つけることはできても、警察はすでに拡散された写真を消すことまではできねぇんだ」「そうなんですか?」「その写真が投稿されたサイトの運営者を通さないとならないし、時間がかかる。削除要請が通っても、その写真を保存した別の誰かがいて、また投稿するかもしれない。つまり、いたちごっこなんだよ」「ああ、なるほど……」「他に写真を消すとしたら、それこそハッキングするしかない。でもそれは犯罪だから、久我さんは断ったんだ」「それで?」「けど、鯉川さんが引き受けたらしい。それも、個人的にな」 璃久はびっくりして目を丸くした。「いくら止めても聞かなかったそうだ。なんか鯉川さん、怖い顔してたって久我さんは言ってたな」 間遠の目に心配の色が浮かび、璃久は言った。「実は今日、鯉川さんと食事をする予定だったんです。でも、ドタキャンされちゃって」「マジかよ、あの鯉川さんが?」 間遠が驚き、璃久は返す。「ボクもびっくりしちゃいました。だから、何かあったのかなと思って、間遠さんに連絡したんです」「そういうことだったか。となると、写真の削除をちまちまやってるのかもしれねぇな」「そうなりますよね。何だか心配です」 と、璃久は伏し目がちにテ

  • 久我探偵事務所の灯りの下で   幸福な帰路③

     久我は朝比奈へ「分かりました。少々お待ちください」と言い、応接スペースを出て神崎の方へ来た。「神崎、朝比奈さんが君と話したいと言っている。今、大丈夫か?」「ええ、すぐに行きます」 神崎は席を立ち、やや緊張しつつ応接スペースへ入った。「失礼します」「ああ、よかった。君と話したいと思ったんだけど、今は仕事中だったな」「短い時間でしたらかまいませんよ」 と、神崎がソファへ座ろうとすると、朝比奈は言った。「仕事が終わるのは何時なんだい? もし予定がなければ、どこか喫茶店にでも入って話そう」「分かりました。では、十九時過ぎに下のカフェで待っていてください」「分かった、下のカフェだね」「Cafe in the Pocket.と言います。ランチも美味しいですが、ディナーメニューもおすすめですよ」「それじゃあ、夕食をしながらということにしよう。失礼したね、また後で」 にこりと爽やかに笑い、朝比奈は立ちあがった。 仕事終わりにカフェへ入ると、朝比奈が来て待っていた。すでに食事を始めている様子だ。「お待たせしてすみません」 と、神崎が声をかけると、朝比奈はこちらを見てきょとんとした。 神崎の隣には相楽がいた。自分も同席したいと申し出てきたのだ。「同棲中の彼氏です」「はじめまして、相楽浩介と申します」 はきはきと相楽が名乗り、朝比奈はにこりと笑った。「ああ、そうだったのか。二人きりになるより、ずっといい。来てくれてありがとう、僕は朝比奈優弦だ。よろしく」「こちらこそ、よろしくお願いします」「どうぞ、座って」 うながされて神崎は朝比奈の向かいへ、相楽はその隣に腰をおろした。 今日は名城璃久がまだ働いており、おしぼりを持ってきた。 神崎がこの時間、ここで食べるものはいつも決まっている。「ボロネーゼとアイスコーヒー」「自分は煮込みハンバーグプレート、ライスで。あとホットのカフェラテをお願いします」「かしこまりました」

  • 久我探偵事務所の灯りの下で   幸福な帰路②

     相楽の疑問に神崎は答えられなかった。 部屋の中は静かで、電源の入っていないテレビだけが、二人の姿をぼんやりと写していた。 すると相楽がはっとして言う。「あっ、すみません! 答えたくなければ言わなくていいですっ」 理性を取り戻したようだが、相楽が気になってしまう気持ちも分からないではない。 神崎は「ちょっと待って、考えるから」と、伝えて過去の記憶を引っ張り出す。 しかし、朝比奈と付き合うことになったきっかけはもう覚えていなかった。「おれが高校生の頃、体を売ってたのは知ってるよね? あの頃、ほとんど家に帰らないで、深夜に街をうろうろしてたんだ」 過去の話をするのは苦しい。しかし、神崎はきちんと話すしかないと思った。「朝比奈さんと出会ったのも、深夜の繁華街だった。 何を話したか、どういう流れでそうなったかは覚えてないけど、最初は食べに連れて行ってくれたんだ」 相楽は口を閉じて神崎の話に耳を傾けていた。「それから次に会った時、セックスした。確かその時、彼の方から付き合おうって言ってきて、おれはなんとなくうなずいた」「好きじゃなかったんですか?」「言ったでしょ、疑似恋愛だったんだ。少なくとも、おれの方はね」 そう返した直後、朝比奈の方はどうだったのだろうと思った。本気で神崎を恋愛対象として見ていたのだろうか?「でも、そんなんだからダメだったんだ。距離が近づくほどに、なんだか怖くなっちゃって……えーと、なんて言えばいいのかな」 神崎が言葉に迷うと、相楽が立ちあがって食卓に置いていたスマートフォンを手に戻ってきた。 黙ってスマホを操作する彼を見ていると、ふいに画面が突き出された。「もしかして、回避性パーソナリティ障害じゃないですか?」「え?」 目を丸くする神崎へ、相楽は説明する。「寿直さんがかならずしも当てはまるとは思いませんが、近いものはあるんじゃないかって、前から思ってました」 電子書籍アプリだった。何の本かは分からないが、回避性パーソナリティ障害について解説している。

  • 久我探偵事務所の灯りの下で   幸福な帰路①

    「しまっておいてくれ」 と、所長の久我健人から書類を受けとった。「分かりました」 いつものように神崎寿直は机の上へ置くが、依頼人の名前を見て目を丸くした。 署名捺印がされた契約書だった。 今回の依頼人は朝比奈優弦。年齢は35歳で、自分が代表を務める会社の風評被害を調査してほしいらしい。 しかし、まさか彼ではないだろうと思いながら、神崎は必要な情報だけを抜き出して、データベースに登録していく。 作業を終えると席を立ち、金庫へ向かった。 鍵を使って金庫を開け、契約書類をまとめたファイルを取り出す。そこへ朝比奈の書類もしまい、金庫を閉じた。 依頼人とやりとりをするのは主に所長であり、報告の際、実際に調査を担当した者が顔を出すこともある。 しかし応接スペースはパーテーションで仕切られており、奥で事務仕事をしている神崎が依頼人と顔を合わせることは稀だ。 また、客へ出すお茶は飲み切りサイズのペットボトルにしていた。 応接スペース内の冷蔵庫にしまってあり、久我が接客の始めにペットボトルを出すのが恒例だ。 そうした事情から、今回もどうせ顔を合わせることはないだろうと考えながら、神崎は席へ戻った。 調査はまず鯉川宗吾が担当した。 ネット上の口コミを徹底的に調べあげ、最初の風評被害が書きこまれた時期を正確に特定した。 その書きこみがいかにして広まっていったかの経路についても、大まかながら把握することができた。 さらに、口コミを書きこんだユーザーに関しても情報を集めた結果、どうやら半年ほど前に、朝比奈の会社との間で何らかのトラブルがあったらしいことが分かってきた。 次に間遠桜が現場での聞き込みを担当した。朝比奈の会社へ向かい、まずは社員たちに接触を試みたが、口は重かった。 そこで視点を変え、取引のある業者や、長年の付き合いのある客など、外部の関係者にも地道に話を聞いて回った。 粘り強い聞き込みの結果、ようやく風評被害を流したと思しき容疑者が

  • 久我探偵事務所の灯りの下で   猫と桜③

    「この度は久我探偵事務所にご依頼いただき、ありがとうございました」 玄関先で間遠が頭をさげると、古川大貴も深々と礼をした。「こちらこそ、ありがとうございました」「それでは、失礼します」 と、間遠は玄関の戸を開いた直後、ふと立ち止まった。――広大な庭、目を楽しませてくれるさまざまな緑。「どうかしましたか?」 後ろから古川大貴が怪訝そうに声をかけてきて、間遠は振り返る。「箱の中に入っていた写真の意味、分かったかもしれません」「え?」 間遠は一歩外に出て、桜の木を見つめた。「

  • 久我探偵事務所の灯りの下で   猫と桜②

    「お庭、広いですよね。しかもいろんな植物が植えられています」 ふと感想をもらした間遠へ、古川大貴は言った。「亡くなった祖母が、ガーデニングを趣味にしていたんです。その後は祖父が世話をしていました」「お一人で、ですか?」「さすがにそれは無理なので、孫の僕たちが手伝ってましたよ。ただ、この家もどうなってしまうか……」 古川大貴が沈んだ表情をし、間遠は静かに問いかける。「この家、取り壊してしまうんですか?」「親戚たちの間では、そういう話になっています。もう誰も住む人はいないので、土地

  • 久我探偵事務所の灯りの下で   猫と桜①

     インターネットを通してやってきた依頼を見て、久我健人は眉をひそめた。「猫……?」 自分の席でコーヒーを飲んでいた間遠桜はそちらを見る。「猫探しの依頼っすか?」「ああ、いや、そうじゃないんだ。遺言状に愛猫の名前だけが書かれていて、その暗号を解いてもらいたいという内容でな」 久我はそう答えたが、気乗りしない顔で息をつく。「何だか妙な話だ。注意した方がいいかもしれない」 間遠は首をかしげ、隣の席の神崎寿直と顔を見合わせる。

  • 久我探偵事務所の灯りの下で   帯裏ミステリー②

     初日の収穫は三冊だった。「まずはこの『雪葬』の帯裏っすね」 と、間遠が本から帯を外して裏側を見せた。 久我は目つきを鋭くし、書かれた文章を読みあげた。「『雄一は部屋に戻った後、翌朝まで目を覚ますことはなかったと言う』か」「次に見つけたのが『凍える遺書』」 二冊目の帯裏には『執事の藤原が言うには、午前一時頃に妙な物音を聞いたらしい』と、あった。 今度は相楽が報告する。「自分が見つけたのはこれ、『茶色の墓標』です」 帯を外して裏返し、久我はそれも読みあげた。「『後妻の絢子

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