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第66話

Auteur: 歓乃
杏も凛の涙を拭いながら、自身も思わず目を赤く潤ませる。

「あの堅物な史哉ことだからね。誰に対しても厳しい顔をするけれど、実はすごく優しい人なんだよ。

それに、この話をしたのは、あなたを泣かせるためじゃなくて、たとえ結婚生活に失敗したとしても、心を閉ざさないで欲しいって伝えたかったんだ。心を閉ざして、感情がなくなってしまったら、人間は死んだも同然だからね。

それに、たとえ実験に千回失敗したとしてもやり直すだろう?それと同じように、何度でも立ち上がる勇気を持ってほしいんだよ」

凛は赤い目でうなずいた。

「もう、好きなだけ泣いたらいいさ。でも、夜は泣くんじゃないよ。明日の朝、目が腫れちゃうからね」杏は凛の頬をつねった。「こんなに痩せて、骨ばって。もっと食べるんだよ」

凛は涙を拭い、笑顔を浮かべる。

「今夜はゆっくりお休み。明日はスタイリストが家に来てくれるから。交流会にもちゃんと参加するんだよ」そして、杏は優しく凛を呼んだ。「谷口博士」

凛もそれに応じた。「二宮教授」

「プロジェクトが成功すれば、住まいと仕事が保証されるんだから、これからは立派な教授としての道が待ってるはず
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