ログイン「もう、暁の刻か…小夜どのとの語らいが楽しくて、ゆっくりしすぎてしまいました」
神城は窓から見える外の白さに気が付いた。
「堪忍ね…わちしがわがまま言うたから…」
小夜の瞳が少しだけ陰る。
「なにを言う。今宵は自分が小夜どのの時間をいただいたのだ。だからこれは自分のわがままだ」
神城はそんな小夜の白い手をそっと取り、自分がわがままを言ったのだと告げる。
「神城さま…おおきに…わちしも神城さまと語らえて、楽しゅうございました」
小夜はそんな神城の手をそっと握り返し、小さく笑う。
「ありがとう。では、そろそろ、お暇をしよう」
神城はすっと立ち上がる。
小夜はそれが少し寂しいと思いながらも、同じように立ち上がり、神城を見送るために部屋の襖を開けた。
「あっ…小夜どの…少しだけ願いがあるのだが…」
神城は襖を開けた小夜に声をかけた。
「なんです?」
小夜は静かに問い返した。
「最後に一度だけ…小夜どのを抱きしめてもいいだろうか?」
神城は別れる前に、一度だけ、今宵、小夜と出会い、語らったという思い出が欲しいと思ってしまった。
変な意味ではない。
ただの抱擁。ただ、それがしたかったのだ。
「かましませんで。わちしでいいんでしたら」
小夜は静かに微笑み、そっと神城の胸へと身を寄せた。
「ありがとう」
と、神城は静かに呟いた。
そっと、小夜の身体を包み込むように抱きしめ、
「今宵、あなたと語らえたことは本当に夢のようで、幸せな時間でした。ありがとう、小夜どの」
もう一度、小夜にお礼を口にした。
「神城さま…」
小夜は呟くように名を呼び、神城の背にそっと腕を回した。
ほんの数分。
ただ、お互いに何も発せず、抱き合うだけの抱擁。ふたりにはそれが心地よく、それでいて安心できる時間だった。
「ほな、行きましょか」
先に動いたのは小夜の方である。
「えぇ、そうですね」
小夜の言葉に短い返事をして、神城も帰るために自分の荷を持った。
ふたりは音を立てず、そっと一階へと降りていく。
階段を下りる間、部屋に入るときと同じように、小夜の手はずっと神城の腕に回されていた。
それを神城も拒むことなく受け入れている。
いや、むしろそれでいいと思っていた。下へ降りれば、番頭台に女将が座っていた。
「おや、小夜、お帰りかい?」
階段を下りてきたふたりに気が付いた女将が声をかける。
「神城さまが仕事やから、お帰りになるゆうて…」
女将に小夜は返事をした。
そう、神城は今日も仕事があるのだ。
だが、それを小夜には告げていない。なのに、小夜は女将にそう説明をしていた。
「本来なら…明けの刻が過ぎるまで一緒にいたかったのですが…。小夜どのには申し訳ないと思っております」
神城は本当にすまなさそうな顔で頭を下げる。
そんな神城を見て、一瞬、女将は驚いた顔をするが、
「元帥はん、真面目すぎやで。変な女にひっかかりでもしたら、金目のもんがっぽり持ってかれますで」
ケラケラ笑いながら答えた。
「そうかもしれぬ。だが…自分は小夜以外に花街に通う理由がない。だから心配はいらぬ」
神城は至極真面目に答えた。
その言葉に小夜は頬を染め、女将はポカンと口を開けるが、すぐに破顔し、
「元帥はんも罪な男やね。ほな、現実的な話戻そか」
小夜を揶揄うように言いながら、商人の顔へと戻る。
「これで、次もまた利用したときに、うまい飯を出していただけたら」
神城は懐から財布を出すと、札を何枚か取り出し、女将に渡した。
「元帥はん、さすがに多すぎや。でも、まぁ、元帥はんが利用したとき用に取っときますわ」
「そうしてもらえると助かる。小夜どのとの時間は自分にとって安らぎをもらえるので、次回も楽しみにしたい」
神城は女将にそう告げると、店の外へと足を向けた。
店の外に出れば、明けの刻が刻々と近づいていた。
空は薄っすらと白に染まり始めている。くいっと、小夜の手が神城の腕を引いた。
言葉にできぬ別れ。
約束ですら交わせぬ身。神城はそんな小夜に、
「うっかり、忘れ物をしてしまいました。後日、また取りに来ます」
己の懐にしまってある、ずっと大切に使っていた懐中時計を、小夜の両手にそっと乗せ、握らせた。
「神城さま…その時まで大事にしまっときますさかい、忘れずに来てくれなはれよ」
少しだけ拗ねた顔で小夜が答えると、
「えぇ、必ず。また取りに伺います。では、失礼します」
神城は小さく笑い、小夜に頭を下げて、薄っすらと明け始めた空の中へと消えていった。
夕の刻、皆がそろそろと帰り支度を始める時刻。自分の机の上を片付けている神城に、「元帥、今日は少し機嫌がいいみたいですが、何かあったんですか?」佐怒田が声をかけてきた。「そう見えたか?」神城は作業をする手を止め、目の前に立つ部下に聞いてみた。「そうですね、自分や北野にはそう見えました」「他の上官たちは気付いてませんよ。それに、部下たちも聞きたくてうずうずしていたみたいですよ」佐怒田と北野は、みんなが気が付くぐらい、神城の機嫌がよかったと告げた。「参ったな。そんなに態度に出ていたのか…」浮かれすぎたかと、神城は困った顔をした。それは上官として、部下に示しがつかないだろうという己への戒めでもあった。「いえ、態度に出ていたというわけではないです」「その、雰囲気というか、今日はいつになく穏やかな空気を醸し出していたので…」態度には出ていないが、見えない変化に気が付いただけだと二人が口にする。普段では考えられないほど、少しだけ穏やかな雰囲気を漂わせていたのだと。「そうか」神城は短く答えた。「それで、何があったんですか?」「元帥がそんなに穏やかにしてるのなんて珍しいですよ」二人は神城の変化が知りたくて仕方がないとばかりに、身を乗り出した。「そんなに気になるか?」神城の問いに、二人は首が取れるんじゃないかというぐらい激しく頷いた。「そうだな、もう一度、会いたいと思っていた人に出会えたことかな」誰とまでは言わないが、会いたいと思っていた人と再会できたからだと、神城は静かに、けれど喜びを滲ませて語った。その言葉に、二人はにこやかな笑みを浮かべる。「元帥もついに、そう思える方に出会ったんですね」「お相手はどんな方なんですか?」二人がまるで自分のことのように喜びながらも聞いてくる。「綺麗な方とだけ言っておく。これ以上はあの方の迷惑になるのでな」神城はそれ以上、詮索するなとばかりにハッキリと言い切った。「元帥はやはり紳士ですな」「相手のことを思いやる素敵なお人だ」二人は尊敬の眼差しを向ける。若くして元帥になり、立場的に苦しい時もあったはずなのに、常に部下のことに気を配り続けてきた人だ。それが己の立場を悪くすることになったとしても、部下を優先的に考えてきた。だからこそ、頭でっかちな上官たちよりも、神城は下級の兵たちからの
「もう、暁の刻か…小夜どのとの語らいが楽しくて、ゆっくりしすぎてしまいました」神城は窓から見える外の白さに気が付いた。「堪忍ね…わちしがわがまま言うたから…」小夜の瞳が少しだけ陰る。「なにを言う。今宵は自分が小夜どのの時間をいただいたのだ。だからこれは自分のわがままだ」神城はそんな小夜の白い手をそっと取り、自分がわがままを言ったのだと告げる。「神城さま…おおきに…わちしも神城さまと語らえて、楽しゅうございました」小夜はそんな神城の手をそっと握り返し、小さく笑う。「ありがとう。では、そろそろ、お暇をしよう」神城はすっと立ち上がる。小夜はそれが少し寂しいと思いながらも、同じように立ち上がり、神城を見送るために部屋の襖を開けた。「あっ…小夜どの…少しだけ願いがあるのだが…」神城は襖を開けた小夜に声をかけた。「なんです?」小夜は静かに問い返した。「最後に一度だけ…小夜どのを抱きしめてもいいだろうか?」神城は別れる前に、一度だけ、今宵、小夜と出会い、語らったという思い出が欲しいと思ってしまった。変な意味ではない。 ただの抱擁。ただ、それがしたかったのだ。「かましませんで。わちしでいいんでしたら」小夜は静かに微笑み、そっと神城の胸へと身を寄せた。「ありがとう」と、神城は静かに呟いた。そっと、小夜の身体を包み込むように抱きしめ、「今宵、あなたと語らえたことは本当に夢のようで、幸せな時間でした。ありがとう、小夜どの」もう一度、小夜にお礼を口にした。「神城さま…」小夜は呟くように名を呼び、神城の背にそっと腕を回した。ほんの数分。 ただ、お互いに何も発せず、抱き合うだけの抱擁。ふたりにはそれが心地よく、それでいて安心できる時間だった。「ほな、行きましょか」先に動いたのは小夜の方である。「えぇ、そうですね」小夜の言葉に短い返事をして、神城も帰るために自分の荷を持った。ふたりは音を立てず、そっと一階へと降りていく。階段を下りる間、部屋に入るときと同じように、小夜の手はずっと神城の腕に回されていた。それを神城も拒むことなく受け入れている。 いや、むしろそれでいいと思っていた。下へ降りれば、番頭台に女将が座っていた。「おや、小夜、お帰りかい?」階段を下りてきたふたりに気が付いた女将が声をかける。
「…っ…神城さま…冗談きついどすへ」小夜はそっと顔を逸らした。花街に生き、花街で仕事をしている自分に、そんなことを言う輩は多くない。 中には、強引に迫ってきた輩だっている。それなのに…あの日、目が合っただけで、ここまで探しに来るなど正気の沙汰ではない。 それどころか、金目当てに相手をされてもいいなどと言う神城には、驚きしかない。だが…期待はしてしまう。 それが、自分でも恐ろしかった。「冗談などではない…っ…すまない。初めて話した自分が言っていい言葉ではなかったな」神城は冗談ではないと言いかけたが、それを小夜に押し付けるべきではないと思い直し、言葉を途中で飲み込んだ。知り合いと言える関係ではない。 今日、初めて話した相手なのだ。そんな相手からこんなことを言われても、信用はできないであろう。神城は小さく息を吐き、「小夜どの…今宵はお暇をしよう」と静かに告げた。その言葉に驚いた顔をして、小夜が神城を見る。「えっ…神城さま…どないして…」小夜は神城の突然の言葉に、動揺を隠せないでいた。「このまま自分がここに留まれば、小夜どのが困ることになるかもしれぬであろう?」神城はそう答えながら、腰を上げる。「待っておくなはれ…神城さま…」小夜は咄嗟に神城の腕を掴んだ。腰を上げかけていた神城に、小夜が勢いよく掴まったものだから、二人はそのまま畳の上に倒れ込んでしまった。「…っ…小夜どの、大丈夫ですか?」小夜に声をかけた神城は、固まった。小夜が怪我をしないようにと咄嗟に抱きしめ、自分が下敷きになったのだが、自分の腕の中で、小夜がはらりと涙を流したからだ。「…っ…堪忍な…神城さま…わちしは空蝉やから…」小夜の言葉に、ハッとする神城。だが次の瞬間、小夜を己の腕の中に抱きしめ、「かまわぬ。自分はそれでもかまわぬ。小夜どのが…それでいいのなら…自分はそれでよい…」と、震える声で囁いた。「…あかん…あかんよ…神城さま…あなたはあかんよ…」小夜は神城の腕の中で、小さく首を振る。神城をこの世界に留めてはいけないという思いと、もっと一緒にいたいというふたつの想いが、小夜の中で渦巻いていた。最初から、そんなつもりなどなかったのだ。あの日、会ったあの瞬間、確かに何かに導かれるように目が離せずにいた。 それでも、忘れ
「綺麗だ…」小夜の笑みを見て、ポツリと神城が呟く。「えっ?」あまりにも突然の呟きに、小夜が固まった。「あぁ、すまない。あなたの笑みが綺麗だと思ったのだ」神城は少しだけ困ったように頭を搔く。あの日、初めて見たときも思ったが、こうして話をしながら笑う小夜は綺麗だと、純粋に思った。「あっ…おおきに…そないなこと言われたの初めてですわ…」神城の言葉に、小夜は少しだけ頬を染め、嬉しそうに笑う。「小夜どの…簪が歪んでいる。直してもいいだろうか?」先ほどよりも位置がずれている簪に気が付き、神城は小夜に向かって静かに問いかけた。「おおきに、直してくれはりますか」小夜はその申し出に素直に返事をした。「では、失礼して」神城はそっと手を伸ばし、乱れた簪を直していく。 小夜はそっと目を伏せた。初めてではないはずなのに、何故か小夜の胸はドキドキと激しく脈打っていた。 もしかしたら神城に聞こえてしまうのではないだろうかというほどに…。「小夜どののおぐしは、とても柔らかくて、手触りがいいのですな」神城は自然な手つきで、小夜の髪をそっと梳いた。「か、神城さま!」小夜は、あまりにも自然にそんなことをする神城に驚き、声を上げた。「あっ、すまない。小夜どのが嫌がることはしないと決めていたのに…。本当に申し訳ないことをした」神城はすぐに手を引き、小夜に頭を下げた。 神城という男は、どこまでも実直な男である。「あっ…堪忍してくださいまし、神城さま…その…そないなこと言われたの初めてで…」小夜は頬を赤く染め、着物の袖で顔を隠してしまう。「そうなのか? 小夜どのは…素敵な人だと自分は思うのだが…」神城の言葉に、小夜はますます赤くなってしまう。この界隈では、容姿を褒められることは多い。 容姿を褒め、おだて、そして女を、男を買うのだ。だから、小夜も容姿を褒められることは多い。 だが…神城のように見たくれだけではなく、人そのものを見て褒める人間は、そうはいない。だからこそ、小夜は恥ずかしいのだ。「あぁ、すまない。どうも自分は思ったことを口にしやすいようだ。特に小夜どの…あなたに対しては…」神城にとって、これがどういう感情なのかはわからない。 だが、小夜には嘘をつきたくないと思ったのだ。だからこそ、自分の思ったことを口
男は今、来た道を引き返し、橋を渡りきった先、三軒先のひときわ大きな店の前へと来た。 そこは、あの日、神城が会合を行った店の真隣にある店だった。「わちしがつこうてる店はここどす」男はそう言いながら、店の中へと入った。「おや、小夜。今宵は来ないかと思うとりましたよ」店に入るなり声を掛けてきたのは、この店の女将である。「堪忍な、女将さん。偶然、この方とお会いしてもぉて…ついうれしゅうのぅて、連れて来てしもうたんどす」男は…いや、小夜は少しだけ頬を染め、神城の腕にそっと自分の腕を絡めた。 神城はペコリと頭を下げた。「あら、素敵な殿方やない。それに…その紋章は元帥はんやね」女将は小夜が連れてきた神城を見て、彼が元帥だと口にした。「よく…わかりましたね」神城が少し驚きながら聞けば、「この界隈、あんさんみたいな殿方やて来ますさかいな。えろう若くしてなりなはったみたいやね」女将は愚問だと言わんばかりに笑った。女将の言葉に固まったのは小夜である。 神城が元帥だと知ったからだ。「すまない、やはり、自分と語らうのは嫌だろうか?」小夜の身体が強ばったことに気が付いた神城は、小夜の顔を覗きこみ、聞いてみる。もしそうならば、このまま帰ればいいだけだと己に言い聞かせる。「あっ…堪忍な…少し嫌なこと思い出しただけやねん…せやから…気にせんといて」小夜は小さく首を振り、大丈夫だと答えた。「ほら、そないな所におったら、他のお客はんに迷惑になるさかい、早う部屋へゆきぃ、小夜」女将はそんな二人を追い出すように、部屋へ行くよう促した。小夜は神城の腕に腕を絡めたまま、「いきましょか、元帥さま」普段使わせてもらっている部屋へと、神城を案内する。小夜が連れてきた部屋は、三階の奥の部屋。 窓の外には、巨木の桜が近くに見える。「この部屋は特別なんどすえ」小夜は神城を窓辺へと案内する。「特別とは?」神城はつい聞いてしまった。 聞いてから、しまったなと思う。深く聞くべきではない。そう思ったのだ。「この部屋は…わちしだけがつかえるんどす…せやから今宵は元帥さまとここで、語らいとうございます」小夜は小さく笑い、神城を座らせ、自分も向かい合わせに座った。「お酒、飲みなはります?」小夜は神城に聞いてみた。「イヤ…あなたが困るなら…
よっざくら、よっざくら きょっぉも、さいとくれぇ あのひとぉがあーいにきてくっれるよぉにぃ花街の角で、子供たちが口ずさみながら遊んでいる。 そんな子供たちを横目に、神城は普段は来ない花街を一人で歩いていた。今宵の花街も、あの日と同じように賑わっていた。神城に声をかけ、言い寄ってくる女性たちもいたが、神城はそれを断り歩みを進めた。あの日と同じ、上流階級の華族たちが行き交う上品な雰囲気の場所まで来ていた。 行き交う人は華族が多く、賑わってはいるが、下街よりは落ち着いていて、一人で歩く神城も安心していた。ちりん、ちりんと、鈴の音が心地よく鳴り響いている。いろはに匂え 今宵の桜 薄紅まとい 君は笑った 触れれば消える 幻のように 名前も知らぬまま 心を奪う三味線の音と共に聴こえる唄は、あの日と同じ。『…あの日と同じ…か…』神城は一人、心の中で呟く。 それでも歩みを止めぬのは、決まった目的があるわけではない。ただ、気になったのだ。 あの日の出来事が。まるで彷徨うかのように足を進める神城。 そんな折、ざざぁッと風が吹き、夜の花街に桜の花びらが、まるで何かを示すかのように舞った。「あぁ、綺麗だな」そんな風景を眺めながら、ポツリと言葉が零れた。 桜の花びらに混ざり、ふわりと香るのは甘い花の香り。まるでその香りに誘われるように、神城は進み続けた。何軒かの店を通り抜け、川沿いの道に差し掛かると、水面に映る桜が揺れていた。 紅い大きな橋を渡りかけた、その時。「もし、そこの軍人さん」声をかけられ振り返れば、そこに立っていたのは、あの日見かけた彼だった。「…あなたは…」そこまで言いかけて、言葉が止まってしまう。 あの日と同じで、なぜだか言葉が出ない。ただ見つめ合うだけの時間。「あっ、堪忍ね。他に用があったんでっしゃろ?」先に視線を外したのは、彼の方だった。「あっ、いや、今宵は…あなたを探しておりました…」神城は、ここへ来た目的を自然と口にしていた。 その言葉を聞き、彼が少し驚いた顔をする。「あっ…いや…すまない。急にこんなことを言われて、あなたも迷惑だろう」神城は自分が口にした言葉に驚きつつ、彼に謝った。「そんなことあらへん、わちしもお会いしとうござい