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揺れ始めた現実

Author: 影畑凛星
last update publish date: 2026-06-07 10:46:22

 知らない番号からの着信は、

 しばらく鳴ったあとで止まった。

 佳苗はスマホへ視線を落とす。

 もう出ない。

 そう決めている。

 だから。

 画面を伏せたまま朝食の準備へ戻った。

 その様子を見ていた雄吾が言う。

「慣れてきたな」

「何がですか」

「無視することだ」

 佳苗は少しだけ苦笑する。

 確かに。

 少し前までなら気になっていた。

 誰だろう。

 何の用事だろう。

 もしかしたら大事な話かもしれない。

 そんなことを考えていた。

 でも今は違う。

「先輩のおかげです」

 ぽつりと呟く。

 雄吾は眉を寄せた。

「俺は何もしてない」

「してます」

 即答すると。

 雄吾は面倒そうな顔をした。

 佳苗は少し笑う。

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