Share

53.クリスマスの予定。

last update Date de publication: 2026-02-01 16:41:39

「あ、先輩」

私に声をかけられて、千晴が嬉しそうに振り向く。

そんな千晴の首元には、黒みがかった赤のマフラーが適当に巻かれており、その下にはネクタイがなかった。

…またか。

今日も堂々と校則違反をしている千晴の姿に呆れながらも、どすどすと音を立てて近づき、私はギロリと千晴を睨みつける。

だが、本人はへらりと笑うだけで特に気にしている様子はなかった。

慣れたものなのだろう。

「ネ・ク・タ・イは?」

鬼の形相で強くそう言うと、千晴は視線を適当に彷徨わせた。

「んー。邪魔だったから外した」

「はぁ?今どこにあるの、それ」

「えー。どこだっけ」

「どこだっけ、じゃない!思い出す!」

適当な受け答えを続ける千晴を、私は変わらず睨み続けて、責め立てる。

すると、千晴は少し面倒くさそうに、鞄を探り、ネクタイを引っ張り出してきた。

そのネクタイを「かしなさい!」と、強引に奪い、千晴からマフラーを外す。

それからネクタイを無理やり付けて、千晴の胸に先ほど外したマフラーを押し付けた。

「ネクタイくらいしなさい」

「じゃあ、先輩が毎日俺にネクタイつけて」

「…ほぼ毎日つけてるじゃん。それどころか会うたびに
Continuez à lire ce livre gratuitement
Scanner le code pour télécharger l'application
Chapitre verrouillé

Latest chapter

  • 推しに告白(嘘)されまして。   101.幸せのかたち。side悠里

    side悠里自分が柚子に対して、ひどいことをしていることはわかっている。柚子を苦しめていることも。それでも、俺は柚子を手放せない。食器を片付けていた柚子と別れた後、俺は施設内にあるお風呂に入った。そして、そこでゆっくりした後、自分たちの部屋へ戻るために、今は廊下を1人で歩いていた。何をしていても、俺の頭の中に柚子の姿が浮かぶ。食器棚を背に、こちらを潤んだ瞳で見上げる柚子。まるでりんごのように頬を赤く染めるその色は、俺への恋心で染められたものではない。単純に憧れの相手に迫られてそうなっているものだ。そうわかっているはずなのに、その赤に胸がどうしても高鳴る。柚子は自分の感情をもうきちんと理解していた。完全にわかった上で、何も知らなかった頃と変わらない反応をし、その後に苦しそうに一度俺から視線を逸らす。以前までなかったその仕草に、俺の胸の奥で、仄暗い感情が静かに蠢いた。何で俺から視線を逸らすの。逸らさないで。俺を見て。この地獄を選んだのは俺なのだから。わかってる。わかっているんだ。例え俺が選んだ道でも、柚子なら自分が悪いと自分を責める性格だと。柚子はきっと思っているのだろう。同じ気持ちを返せない自分に、俺がずっと傷ついている、と。間違いではない、だが、正解でもない。確かに俺は傷ついている。俺と同じではないキラキラとした瞳を向けられるたびに、胸がズキズキと痛む。俺と同じ想いのこもった瞳を華守に向けるたびに、その瞳を覆いたくなる。だが、傷つくと同時に、それでも柚子が俺と一緒にいることを選び、彼女でいてくれる事実に、嬉しくてたまらなくなるのだ。傷つきながらも、柚子と一緒だからこそ、幸せを感じられる。これが俺の選んだ幸せの形だ。ふと、足を止め、窓の外に視線を向ける。ここにはこの施設以外光源がない為、星がいつにも増して光輝いて見えた。…綺麗だな。そう思った時には、俺は外へと足を運んでいた。*****もうすぐ4月だが、日の沈んだ夜はまだまだ肌寒い。ひんやりとした空気を感じながら、俺はただぼんやりと空を見上げていた。その時だった。「悠里くん?」俺の後ろから、鈴の音を転がすような心地の良い声が、俺を呼んだ。ーーー柚子だ。聞こえてきた愛おしい声に、自然と体温が上がる。ゆっくりと声の方へと振り向くと、そこには

  • 推しに告白(嘘)されまして。   100.アナタだけを見れたら。

    夕食後、私はみんなが洗ってくれた食器を大きな食器棚に一枚ずつ返していた。同じ食器のところに同じ食器を片付ける。しかしただそれを淡々と繰り返していた私の手は、最後の一枚で止まってしまった。…高い。私が下から睨む場所。最後の一枚を片付ける場所だけ、私が手を伸ばしたさらに先にあったのだ。誰が一体あんな場所から皿を取ったのか。呆れながらも仕方なくつま先を立て、食器棚に体重を預けるように左手を置く。それから最後の一枚を片付けようと、右腕を思いっきり上へと伸ばした。わずかに震える手の先には、確かにこの皿を片付ける場所があるのだが、届きそうで届かない。さすがに頑張っても無理だと諦め、手を引こうとしたーーーその時。私の背後からスッと影が伸び、その影の主が私の手から皿を取った。そしていとも簡単にその皿を片付けた。背中に感じるほんのりと熱を持ったしっかりとした体に、私よりもずっと高い身長。ほんのわずかに見えた大きな手に、ふわりと鼻をかすめる、爽やかな香り。…悠里くんだ。そう気づいた瞬間、私の体温は一気に跳ね上がった。「ゆ、悠里くん?」おずおずと影の主の名前を呼び、ゆっくりと振り返る。するとそこには、予想通り悠里くんが立っていた。至近距離で私と目の合った悠里くんが、その瞳を優しく細める。「あ、ありがとう、悠里くん」そんな悠里くんになんとか平静を装って、笑顔でお礼を口にすると、悠里くんは「いえいえ」といつも通り柔らかく私に微笑んだ。すぐそこにいる推しという存在が、私の心臓を忙しなくさせる。この距離の近さなら、おかしくなった鼓動の音が悠里くんにも聞こえてしまいそうだ。そう思うと気が気ではない。このままではいけない、と落ち着くためにも、一度視線を伏せ、ゆっくりと深呼吸をしていると、その声は聞こえてきた。「困ったときはいつでも頼って?俺は柚子の彼氏なんだから」聞こえてきた声に、私はまた視線を上げる。優しい言葉に、柔らかい瞳。いつもと同じはずなのに、その瞳の奥はやはりどこか仄暗い。本当に時折、悠里くんはこんな目で私を見る。どこか苦しそうなその目の原因を、私は薄々わかっていた。悠里くんは、私が自分と同じ気持ちを抱いていないことを、知っている。それでも、私と付き合い続けることを選んでくれた。傷つきながらも私と一緒にいたい、と。違う好き

  • 推しに告白(嘘)されまして。   99.心臓が痛い。

    な、何で水を飲んでいるだけなのに、こんなにも色気があるんだ。ドキドキしながらも、千晴に水を半分飲ませたところで、一度、コップを千晴から離す。水で光る形の良い唇に、私の心臓はまたドクンッと大きく跳ねた。あの唇に、私、キスされたんだよね…。…て、ダメだ!ダメだ!頭の中を一瞬支配した煩悩に、私は両目をギュッと閉じ、首を横に振る。私は悠里くんの彼女!彼氏の隣で何考えているんだ!私!千晴はただの後輩だ!ダァンッ!と勢いよく千晴のおぼんにコップを置き、深呼吸をする。それから「…全く、本当に手のかかる」と迷惑そうに吐き出すと、スプーンを再び手に取った。私はただ、手のかかる後輩に水を飲ましていただけだ。そこに何か特別な感情があるわけではない。自分にそう言い聞かせながら、やっとスプーンにすくわれていたカレーを口へと運ぶ。広がる味は馴染みのあるもので、普通に美味しい。バクバクとうるさく鳴っていた心臓も、カレーを咀嚼するごとに、少しずつ落ち着きを取り戻していった。するとそんな私に、今度は左隣から悠里くんが「柚子」と声をかけてきた。なので、私は一旦カレーを食べる手を止めて、「ん?」と悠里くんの方へ視線を向けた。「俺の班と柚子の班、ちょっとカレーの見た目違うよね?柚子のカレーも食べてみたいな。食べさせてくれる?」ふわりと笑い、伺うように悠里くんが私を見る。悠里くんの指摘に視線を落とすと、確かに私と悠里くんのカレーはほんの少しだけ見た目が違った。ルーの色は私の班の方が少し淡い茶色で、野菜もお肉も小さめなのだ。少しだけ違う見た目に、私も悠里くんと同じ興味を抱いた。「どうぞ、どうぞ。味の感想も聞かせてね」私は快く頷いて、悠里くんがカレーを食べやすいように、おぼんの左端へお皿を寄せた。そんな私に悠里くんは「ありがとう」と微笑むと、視線を伏せて、遠慮がちに口を小さく開けた。…え。突然の悠里くんの行動に私は思わず固まってしまう。伏せられた視線はどこか儚げで、それでいて色気があり、開けられた口から見える舌や歯は、普段まじまじと見るところではないので、どうしてもドギマギしてしまった。こ、この、悠里くんの行動は一体…。意味がわからずに何度もまばたきをしていると、恥ずかしそうに悠里くんは視線を上げた。「食べさせてくれないの…?」頬を赤く染め、こち

  • 推しに告白(嘘)されまして。   98.柚子争奪戦。

    すっかり暗くなり、星が瞬き出した頃。カレーを完成させた生徒たちは、調理室のすぐ隣にある食堂で、それを美味しそうに食べていた。ここの食堂には、何百人もの人が一斉に使えるだけの長机と椅子がずらりと並べられている。そこで私は1人で夕食を食べていた。私の周りにはまるで私を避けるように誰も座っていない。本当は雪乃と一緒に食べる予定だったが、同じくここで合宿をしていた他校のイケメンといい感じになったらしく、攻め時ということで、雪乃はそのイケメンと夕食を共にしていた。まあ、よくあることなので、あまり気にならないし、雪乃らしくて、逆に安心するが。一生懸命水の量を測り、カレールーを割り入れ、調理器具を洗った…一応私も調理に参加した目の前のカレーを、私はじっと見つめる。うちの班の手伝いをする、とこちらに来た千晴は、驚くことに本当によく動いていた。私が水を測っている時は、先のことを考え、鍋を用意し、すぐに入れられるようにしてくれていたし、カレールーを入れる時も、入れるタイミングを私に教えて、混ぜる作業は千晴がしてくれた。洗い物の時も積極的に手伝ってくれ、千晴のおかげでかなり手際よく作業を進められた。時々暇を持て余し、私の髪や手で遊んでみたり、変に私に甘えてきて困ったりもしたが、それでも千晴はよく働いてくれていた。意外だった千晴のことを考えながらも、おぼんにちょこんと置かれたスプーンに手を伸ばした、その時。私の右隣に自然な流れで、千晴が座ってきた。コトンッと机に置かれたおぼんの上には、もちろんカレーがある。千晴が食べるカレーは私と一緒に作ったカレーだ。千晴だ…と、右隣に気を取られていると、左隣からもコトンッとおぼんの置かれた音がした。一体、誰だろう、と千晴から今度は左隣へと視線を移す。するとそこには悠里くんが座っていた。私と目が合い、悠里くんが優しく微笑む。悠里くんだ…。え。悠里くんに一度ぎこちなく微笑み、今度は前を向く。そして私は両隣に感じる気配に、ぐるぐると思考を巡らせた。右隣に異性として好きだと思っている千晴がいる。左隣に推しとして好きだと思っている悠里くんがいる。え、修羅場じゃん。しかもこの二人相性最悪じゃん。悠里くん、私、千晴。突然、始まってしまった非常に気まずい夕食に、私は冷や汗を浮かべた。「先輩」そんな私に千晴が淡

  • 推しに告白(嘘)されまして。   97.小悪魔の囁き。

    もうすぐ休憩時間が終わるので、雪乃と研修室へ戻ると、私の席の隣で、悠里くんがスマホに視線を落としていた。ここ研修室の席は、長机を2人で使う仕様になっている。私の隣には悠里くん、後ろには雪乃、という形で、私たちは席についていた。「戻りました」小さく悠里くんにそう声をかけて、椅子にゆっくりと腰を下ろす。すると、悠里くんはスマホから顔を上げ、優しくその瞳を細めた。「おかえり、柚子。リフレッシュできた?」「うん。まぁ」微笑む悠里くんに、ぎこちなく返事をする。サラサラの黒髪には、天使の輪ができており、とても艶があり、綺麗だ。爽やかで整った顔立ちから現れる微笑みは、まるで絵本の中から出てきた王子様のようにかっこよくて、完璧で。眩しい存在に、私は平静を装いながらも息を呑んだ。やっぱり、私の推し、かっこいいなぁ…。『二人と付き合えば、二人とも救われて、みんな幸せじゃん?』ふとここで、小悪魔美少女の悪魔の囁きが頭をよぎる。二人と…付き合う…。そうすればみんな幸せ…。ダ、ダメだ、ダメだ!何考えているんだ!私!危うく、悪魔の囁きに頷きそうになった私は、慌てて首を横にぶんぶんと振り、ついでに心の中にいるリトル柚子を往復ビンタして、正気を取り戻させた。そんな私の顔を悠里くんが「大丈夫?」と心配そうに覗く。「だ、大丈夫。ちょっと疲れを取る動きをしてただけだから。これするとスッキリするの」なので、私は苦し紛れにそう言って、なんとか悠里くんに笑顔を作った。私の後ろからおそらく私の内情をなんとなく理解してそうな雪乃の「…くっ、ふふ…っ」という、堪えるような笑い声が聞こえてきたが、私はあえて関係ないフリをしたのだった。 ***** 本日の勉強時間が終わり、夕食準備の時間がやってきた。この勉強合宿での夜ご飯は、先生によって振り分けられた班で、生徒が調理室を借り、カレーを作る。私の班には、雪乃、悠里くん、それから学年が違うので、当然千晴もいなかった。そして料理が壊滅的に苦手な私は、班メンバーにきちんとそれを申告し、私でもできる簡単な作業をしていた。今、私が専念している作業は、カレーに必要な水を計量カップで測ることだ。他の班メンバーが野菜や肉を切る中で、私は計量カップに入っている水を睨み、メモリを睨み、また水を睨み、と交互に鋭い視線を向けてい

  • 推しに告白(嘘)されまして。   96.地獄の空気。

    どこまでも広がる、青い空。周りを取り囲む、木々。ここには都会のような喧騒はなく、聞こえてくるのは、小鳥のさえずりや、どこかにある川のせせらぎ、木の葉が揺れる音だ。自然溢れるここで、私は大きく息を吸って、吐いた。山は空気まで美味しいらしい。静かで何もない場所。だからこそ、勉強にも身が入る。私の後ろ、自然の中にポツンとある宿泊研修施設は、我が鷹野高校が春休みの勉強合宿をする場所として最適な場所だった。勉強合宿とは、春休み中に行う一泊二日の合宿のことだ。進学科の生徒は全員参加が決められており、スポーツ科、普通科の生徒は希望制で参加できるようになっていた。進学科の生徒である私は、もちろん今年もこの合宿に参加しており、雪乃も去年と引き続き、渋々参加していた。「…はぁぁぁ」美味しい空気を吸って、また大きく吐き出す。先ほどからため息が止まらない。自然の中で何度もため息を繰り返す私に、雪乃は「そんなにため息ばかり吐いてると幸せが逃げるわよ」と、おかしそうに言ってきた。その表情はかなりあっさりしており、心配のしの字もない。雪乃らしくて、逆に安心する。私からため息が止まらない理由。それは現在進行形でいろいろなことに悩まされているからだった。一つ目の悩みは悠里くんだ。私は悠里くんと同じ想いを抱いていない。だからこそ、別れを告げたのだが、結局私は悠里くんと別れられなかった。全てを話し終えた後も、私たちは変わらぬ関係を続けていた。いつものように一緒に昼食を食べ、放課後は一緒に帰る。私の隣には当然のように悠里くんがいてくれて、優しく微笑んでくれる。その笑顔が眩しくて尊くて好きが溢れるのだが、その好きは恋ではなく、憧れだ。そう理解するたびに、果たして私が今選んでいることは正解なのかと胸が苦しくなった。同じじゃないとわかっていながら、私と付き合い続けることが、悠里くんの心からの笑顔に繋がるのか、と。悠里くんはいつも私に笑いかけてくれる。優しく、穏やかに。時には悪戯っぽく。そんな様々な笑顔の中に、最近はどこか仄暗い気がするものもあった。その笑顔に気づくたびに、これで本当にいいのか、と自問自答を繰り返した。悠里くんが浮かべるあの笑顔は、私が願う悠里くんの心からの笑顔なのだろうか。やはり別れるべきでは。そう何度も何度も思った。だが、

  • 推しに告白(嘘)されまして。   71.好きなところ。

    それから私たち4人でのクリスマスパーティーは始まった。リビングの大きなテーブルには、悠里くんと私が作った料理が並べられており、それをみんなで食べながら、話に花を咲かす。時間を忘れて楽しいひと時を過ごしていると、机を挟んで向こう側に座る里緒ちゃんが、ふと、明るい顔で口を開いた。「ねぇ、柚子ちゃん。柚子ちゃんはお兄ちゃんのどんなところが好き?」「え?」里緒ちゃんの可愛らしい質問に私は目を丸くする。「んー。いっぱいあるなぁ…」そして箸を置き、視線を左上へと向けた。正直、好きなところをあげるとなると、一日中でもあげ続けられる。しかし、それは流石によくないだろう。重要な部分だけでも

  • 推しに告白(嘘)されまして。   70.みんなで一緒に。

    「…やったぁ」無事に完成したクリスマスケーキに、ホッと一息つく。そこで私はやっと息を吸えた。するとそんな私を見て、悠里くんは「ふ、ふふふ」と耐えきれない様子で笑い出した。…可愛い。ではなく。一体どうして急に可愛らしく笑い出したのだろうか?不思議に思いつつ、じっと悠里くんを見ていると、悠里くんは笑いながら、私の顔に手を伸ばした。そしてそのまま、クイッと悠里くんの親指が私の頬を拭った。「ついてたよ」おかしそうにそう言い、私に見せてきた悠里くんの親指には、かなりの大きさの生クリームが付いている。何故、その大きさの生クリームが今の一瞬でついたのかわからない。だが、あれこそが悠里く

  • 推しに告白(嘘)されまして。   69.パーティー準備。

    悠里くんとのいい意味で心臓に悪すぎる買い物終了後、私たちは悠里くんの家へとやってきた。新築そうな綺麗で洗練された一軒家。それが悠里くん家の印象だ。私と悠里くんはさっそくクリスマスパーティーをする為に、キッチンへと立ち、その準備を始めた。本日作らねばならないものは、チキンの代わりの唐揚げに、メインディッシュのクリームシチュー。サイドメニューのポテトに、トマトとモッツァレラチーズのサラダに、クリスマスといえばのケーキだ。ケーキはスポンジをもう買ってあるので、あとはデコレーションするだけだった。…だが、ここで事件は発生した。「…あの、その、久しぶりだし、もしかしたらできるかもって思

  • 推しに告白(嘘)されまして。   68.クリスマスをもう一度。

    side柚子12月30日。年末の駅内は、様々な人で溢れ、賑わっていた。カップルや子連れの家族、若そうな夫婦に、大きなキャリーケースを引く若者。たくさんの人が行き交う、ここで、私は軽やかな足取りで、ある場所へと向かっていた。そのある場所とは、もちろん悠里くんとの集合場所である駅前の時計塔だ。鷹野高校バスケ部は、私が観戦した次の日、準々決勝で惜しくも敗退し、ウィンターカップの成績は、ベスト8に終わった。負けてしまったが、晴れて目標であったベスト8を達成することができたのだ。準々決勝の日は予定があったので、配信で悠里くんの勇姿を見守っていたが、準々決勝もとてもいい試合で、涙なしでは見

Plus de chapitres
Découvrez et lisez de bons romans gratuitement
Accédez gratuitement à un grand nombre de bons romans sur GoodNovel. Téléchargez les livres que vous aimez et lisez où et quand vous voulez.
Lisez des livres gratuitement sur l'APP
Scanner le code pour lire sur l'application
DMCA.com Protection Status