Share

序章 第5話 ハルモニアへ

Author: 輪廻
last update Last Updated: 2025-05-07 11:02:38

松明の火が、夜風を受けてゆらゆらと揺らめく。獲物を探す捕食者の如く、忙しなく四方へと向けられているのが分かる。

暗がりの中で息を潜めつつ、セラフィナとシェイドは追っ手の動きを観察していた。松明の数から察するに、追っ手の数は凡そ五名ほどだろうか。

「──見つけたか?」

「いや──見当たらない」

「……どうする? このまま、捜索を続行するか?」

「いや……今は、魔族や堕罪者の活動が活発化する時間だ。流石に危険過ぎる。口惜しいが、追跡は断念しよう」

「出来れば、あの小娘を生け捕りにしたかったのだが……致し方ない。多少、褒賞金の額は下がるが、あの女の··を異端審問官に突き出せば、暫くはそれで食べていける」

死体と聞いて、シェイドの額に癇癪筋が浮かび上がる。

「…………!」

抜剣して襲い掛かろうとするシェイド──セラフィナは咄嗟に彼の腕を掴んで、それを阻止した。

そんなことは露知らず、追っ手たちは呑気に会話を続ける。

「それで妥協するしかないか。だが、若し奴が処女だったらどうする? 異端審問官たちに疑われやせぬか?」

「何……今頃、奴の死体を物好きな連中が、貪るように抱いているだろう。いくら生前が良い女だったからって、俺なら流石に··を抱こうとは思わんがね。変な奴もいるもんだ」

「違いない。あそこまで変わり果てた姿だと、な……流石に不快感と嫌悪感が勝る」

追っ手たちはそのまま、村のある方角へと去ってゆく。やがて松明の火が完全に見えなくなると、セラフィナは掴んでいたシェイドの腕を放した。

「……どうやら、やり過ごせたみたいだね」

「……悪い、セラフィナ」

「シェイド……何故、謝るの?」

セラフィナが問うと、シェイドは項垂れたまま、

「若し、君が止めてくれていなければ……あのまま危うく、奴らを斬り捨てるところだった。若しそうなれば……君の身を、危険に晒すことになりかねなかった」

「ううん……気にしなくても、良いよ」

「セラフィナ……」

「シスター……良い人、だったのにね……」

「……あぁ。そう、だな……」

別れ際、悲しそうな笑みを浮かべていたシスターの顔が思い浮かぶ。恐らく彼女は、どのみち自分が助からないことを悟っていたのだろう。

故に彼女は、自分を犠牲にしてセラフィナたちを逃がすことを選択した。その末路が余りにも悲惨だったであろうことは、追っ手たちの会話から容易に想像が出来た。

「可哀想に、ね……シスター……」

「……あぁ。そう、だな……セラフィナは、これからどうするつもりなんだ?」

シェイドが尋ねると、セラフィナは月を見上げながら、

「さぁ、ね……ハルモニアに辿り着いてから、ゆっくりと考えようかな。今は、何も考えたくない……」

「……そう、だな」

無理からぬことだった。人間の醜い本性を目の当たりにしたばかりか、優しくしてくれたシスターの悲惨な最期を知る羽目になった。セラフィナでなくとも、何も考えたくないと思うだろうし、シェイドも実際同じ気持ちだった。

「……シェイドは、どうするつもり?」

「俺は……俺は、どうしたものかな。仕事も帰る場所も、もうなくなっちまった……お先真っ暗だ」

「……そう」

その時──マルコシアスが小さく鳴きながら、シェイドの手を優しく舐めた。

「マルコ、シアス……俺を、慰めてくれるのか?」

シェイドの問い掛けに、マルコシアスは尻尾を振りながら再度鳴き声を発する。

「──"ハルモニアに来ないか"って、言ってるね」

「ハルモニアに……? 正気か? 俺は聖教徒……ハルモニアからしたら、不倶戴天の敵だろ?」

「"元"聖教徒を受け入れた前例は沢山あるから、問題はないよ。先の大戦で、聖教騎士として多くのハルモニア人を殺した剣聖アレスが、分かりやすい例」

帝国ハルモニアは、聖教会の迫害を受ける者たち全ての救済を国策の一つとして掲げていることで知られている。小鬼(ゴブリン)やエルフ、ドワーフにコボルトといった、聖教会から魔族の烙印を押された異人族。同じ聖教徒からの弾圧や迫害を受けた"異端者"。そういった境遇の者たちを受け入れ、国民として認可しているという。

シェイドは後者として、ハルモニアに受け入れられる可能性があるとのことだった。

「新月の日……あの村の入り口で、君が私に声を掛けて助けてくれたように、私も君を助けたい……シェイド」

「セラ、フィナ……」

「どうかな? 勿論、無理にとは言わないよ。どのような選択をしたとしても、私は君の意思を尊重する」

「…………」

セラフィナがシェイドを救おうとするのは、彼女がシスターの死やシェイドが居場所を失ったことに対して、責任を感じているからなのだろう。

だが、それでも──

込み上げそうになる涙を必死に堪え、肩を小さく震わせながら、シェイドは笑顔で頷いた。

「……ありがとう。セラフィナ」

「うん──じゃあ、一緒に行こうか。私の故郷……ハルモニアに」

セラフィナは優しく微笑むと、シェイドに手をそっと差し伸べる。

月明かりに照らし出されたその姿は、まるで彫像のように神々しく、そして美しかった。

大地の女神シェオルが、或いは天空の神ソルが創造したとされるこの世界は、三つの大勢力によって構成されていた。

帝政を敷き、たった一国で地上の三分の一を占有する、人と異人族とが共存する超大国"ハルモニア"。

聖地カナンに本拠を構え、数多の王侯貴族を聖教の教えの下支配下に置く、巨大宗教勢力"聖教会"。

東方の砂漠地帯に点在する都市国家の連合体を結び付け、他の二大勢力とはまた異なる独自の文化を発展させてきた"精霊教会"。

嘗ては聖教会の一強であったが、教会暦200年に発生したハルモニア独立戦争、教会暦350年に発生した精霊戦争など、数多の戦乱が吹き荒れる中で聖教会一強の在り方は少しずつ変わってゆき、"崩壊の砂時計"の出現に端を発する、教会暦1175年に発生した未曾有の世界大戦、通称"最終戦争(ハルマゲドン)"を最後に、三大勢力は最大の激戦地となった聖教会勢力の保有する難攻不落の超要塞"ジュダ"にて休戦協定を締結。何時パワーバランスが崩れても可笑しくない危うい均衡の下、世界は平穏を取り戻しつつあった。

自殺者の急増に堕罪者の出現、そして跳梁跋扈する魔族に、世界の再創造を決めた"神"といった諸々の不安要素を除けば、であるが。

これより始まるは、世界のリセットを決めた大いなる摂理に抗う者たちの物語──

Continue to read this book for free
Scan code to download App
Comments (1)
goodnovel comment avatar
憮然野郎
セラフィナとマルコシアスの旅にシェイドも加わり、 これから三人にどんな運命が待っているのか、気になります……。
VIEW ALL COMMENTS

Latest chapter

  • 死にゆく世界で、熾天使は舞う   第三章 第71話 邂逅……"黒鉄の幽鬼"ラルヴァ

    "冒涜者"バフォメットが帝都アルカディアの自警団組合を壊滅させ、シェイドと面識のある受付嬢のルビィを惨たらしく殺害してから一夜が明けた。 小休憩を挟みつつ、夜通し馬を駆り続けたセラフィナたちは、ハルモニア北方──帝都アルカディアとエリュシオンとの中間地点まで来ていた。 エリュシオンは、帝都アルカディアに次ぐ人口を抱える大都市である。都市の名の意味は"死後の楽園"であり、その名の示す通り国内最大規模の墓地があることで知られている。 死後はエリュシオンに骨を埋めたい。そう希望するハルモニア国民は数多く、今も尚エリュシオンはじわじわと都市の拡大を続けている。 何故、セラフィナたちはエリュシオンのある北方へと進んだのか。それは、"黒鉄の幽鬼"ラルヴァの目撃情報と被害が最も多いのが、アルカディアとエリュシオンとを結ぶ交通路だったことが主な理由である。 果たして、帝都アルカディアとエリュシオンとを結ぶ交通路から少し外れた草原にて、セラフィナたちは異様なる光景を目の当たりにすることとなった。 「──止まって」 ふと、違和感を覚えたセラフィナが馬を止めつつそう言うと、同じ馬の背に跨っていたシェイドとキリエは互いに顔を見合わせる。馬に乗り慣れていないキリエのために、シェイドは彼女を自分の前に乗せた状態で手綱を握っていた。 「……何かあったのか、セラフィナ?」 シェイドが尋ねると、セラフィナは無表情のまま、 「──マルコシアスが、過剰に反応してる。彼女は耳や鼻が利くから、何かを感じとったのかも」 言われてみれば、マルコシアスは背中の毛を逆立てつつ唸り声を発しており、かなり苛立っているようにも見える。

  • 死にゆく世界で、熾天使は舞う   第三章 第70話 バフォメット

    自警団組合アルカディア本部に併設されている酒場に黒衣の吟遊詩人が姿を現したのは、絶え間なく雷鳴が轟き渡る夜のことであった。 外は激しい雨だというのに、男の衣服は全くと言って良いほど濡れておらず、薄らと笑みを浮かべているのも相まって何処か不気味だった。 彼はカウンターに腰を下ろすと、注文も程々に、その日たまたま酒場の接客業を任されていた受付嬢のルビィに声を掛ける。 余談であるが、人口が百万を超す大都市である帝都アルカディア。そこで働く自警団員は凡そ二千人ほど。商隊護衛などで不在の者もいるので、実際はもっと少ない人数でアルカディア周辺の治安維持を担っていることになる。 近郊の巡回、魔物の討伐、都市内の夜警……猫の手も借りたいほどに、人手が足りていない。 上記の通り深刻な人材不足のため、ルビィのように現場に赴かない者は決まって、書類仕事と酒場の接客業とを兼任していた。 殉職率の高いことで知られる自警団。給料は非常に良いが命は鳥の羽根の如く軽い。そのため、なり手が中々居ないのが実情であった。 「──君。そこの君だよ、可愛らしいお嬢さん」 「えっ……わ、私ですか……?」 人見知りなのだろうか。或いは、まだ酒場での接客業に慣れていないのだろうか。突然甘い顔立ちの優男に声を掛けられ、ルビィは困惑しながらトレイで顔を隠し、頬を赤らめる。 初心な様子の彼女を見つめると、吟遊詩人は何処か微笑ましそうに目を細めながら、

  • 死にゆく世界で、熾天使は舞う   第三章 第69話 主の温情に縋るが良い

    涙の王国方面にて勃発したハルモニアと聖教会諸勢力の争いは、早くも最終局面を迎えていた。 初戦を快勝した"軍神"エリゴール率いる帝国第三軍は、勢いそのままに各国の軍勢を次々に撃破。複数の国軍で構成された連合軍故、統率が乱れている聖教会勢力は苦戦を強いられていた。 連合軍の主戦力たる聖教騎士団は、第五騎士団・第六騎士団ともに涙の王国の国境付近に布陣して以降、頑なに動こうとはしない。彼らは上官たる騎士団長レヴィの命により、エリゴールとの交戦を避け、睨み合いに徹する考えだった。 ──"彼の軍神と尋常なる戦をしていては、命が幾つあっても足りぬというもの" 。 レヴィの判断は、ことエリゴールを相手にする場合に於いては最良のものであると言えた。聖教会の土地を守るだけならば、国境に兵を配置して睨みを利かせ、帝国第三軍を涙の王国に釘付けにしておけば良いのだから。下手に相手と交戦するだけ、兵や物資の無駄というものである。 果たして、他国の軍勢が軒並み、帝国第三軍の攻撃を受けて補給線を断たれ、前線で孤立してゆく中、聖教騎士団だけは全くの無傷であった。 一方、補給線を断たれた各国の軍中では餓死者が相次ぎ、士気は底をついていた。死んだ仲間の肉を貪り、僅かに残された食糧を巡り、身内同士で不毛な争いを繰り広げる。この世の地獄の全てが、そこにはあった。 後方に控える聖教騎士団に何度も救援を要請するも、未だ援軍の影一つない。余りにも距離が離れ過ぎており、使者の殆どが道中で力尽きて落命、或いは逃亡していたからだ。 補給線は断たれ、前線にて孤立し、周辺には魔族や堕罪者が跋扈。これだけでも十二分に絶望的な状況だと言うのに、それに追い討ちをかけるように、前方にはエリゴール率いる帝国第三軍の主力部隊が布陣し、威風堂々たる陣容をこれでもかと見せ付けてくる。

  • 死にゆく世界で、熾天使は舞う   第三章 第68話 死兆星より愛を込めて

    その日の夜遅く── ハルモニア皇帝ゼノンとの謁見を終えたセラフィナは黙々と、自らに宛てがわれている客室へと続く回廊を、マルコシアスと共に歩んでいた。 静寂が支配する回廊にコツコツと、セラフィナの履いているパンプスの踵の音のみが響く。シンプルなデザインの黒いドレスに身を包んだ彼女の腕には、少女の華奢な見た目には似合わぬ無骨な大口径の小銃が抱かれていた。 それは、ゼノンから褒美として下賜された世に二つとない逸品だった。装備した者の魔力を吸い取り、それを一点に収束させてライフル弾として撃ち出す。理論上、弾切れを起こす心配がないという優れものである。 何か一つ問題があるとするならば、セラフィナには銃の心得がないことくらいだろうか。尤も今のセラフィナには、シェイドという頼もしい銃の名手がいるので、彼に持たせれば何ら問題はないだろう。 ふと、セラフィナはその場に立ち止まると、無表情のまま腕に抱きかかえた小銃を見つめてホッと一つ溜め息を吐いた。 「──随分あっさりと、あの人を捜す了承を貰えたね、マルコシアス。些か話が出来すぎていて、正直なところ少し不安だけれど」 セラフィナは自らの足に頭を擦り寄せるマルコシアスを優しく撫でながら、ポツリとそう呟く。 スラリと伸びた彼女の細い両脚を覆う、シルク製の黒いストッキングはすっかり相棒の毛だらけになってしまっていた。私生活ではまだ使えるかもしれないが、もう公の場では履けそうもない。 尤も、セラフィナは先程までの謁見の内容へと思いを馳せており、両足が毛まみれになっていることなど気にも留めていなかったが。 養父たる剣聖アレスの行方を捜すため、暫くの間アルカディアを離れ、自由に行動したい──そのように申し出たセラフィナに対し、ゼノンは嫌な顔一つすることなく、やりたいようにやれば良いと承諾してくれた。そればかりか、アレス捜索の一助となるような、ちょっとした助言までしてくれた。 普通なら、喜ぶべきことなのだろう。けれどもセラフィナは、それを素直に喜ぶことが出来なかった。一つ、大きな懸念すべきことがあったからだ。 「……"何時もなら陛下の傍に侍っている筈の性悪堕天使(ベリアル)が、今日に限っては玉座の間に居なかったことが妙に気になる"? うん──確かに、君の言う通りだね。私も、それが一番気になってる」

  • 死にゆく世界で、熾天使は舞う   第三章 第67話 黒鉄の幽鬼

    その怪物の噂が、まことしやかに囁かれるようになったのは、剣聖アレスの捜索打ち切りが公表されて間もなくのことであった。 血塗られた黒鉄の鎧を身に纏った痩身の大男。身の丈ほどもある巨大な剣を手足の如く自在に操り、自らの前に立った者を容赦なく斬り捨てるという。 まるで、この世の全てを憎んでいるかのように。たとえ眼前に立つ相手が女子供であっても、怪物は躊躇うことなく剣を振り下ろしたと、辛うじて難を逃れた者たちは語る。 ──"目が合ったら、急いで武器を捨てろ"。 ──"そして、祈れ。相手が気まぐれな親切心から、こちらを見逃してくれることを"。 黒き騎士の姿をしたその怪物を、人々は畏怖の念を込めてこう呼んだ。 ──"黒鉄の幽鬼"ラルヴァ、と。 大神殿の敷地内に併設されている練兵場……ハルモニアの誇る精兵たちの中に混じり、シェイドは鈍った身体を鍛え、戦闘勘を取り戻すべく日々鍛錬に勤しんでいた。 この日も練兵場にて、同年代のまだ若い新兵たちを相手に、名うての暗殺者かと見紛うような動きを披露していたのだが、そこに純白の巫女装束に身を包んだ、まだ幼さの残る少女が恐る恐るといった様子で足を踏み入れてきたかと思うと、シェイドに声を掛けてきた。「あ、あの……シェイドさん、で宜しいでしょうか」「うん……? 確かに、俺がシェイドだけど。何か用でも?」「は、はい……その、グノーシス辺境伯アレス様の御息女、セラフィナ様から言伝を預かっておりまして……」 巫女になってまだ間もないのか、周囲の環境に慣れていない様子のその少女は、緊張した面持ちでもじもじしながら言伝の内容をシェイドに伝えた。

  • 死にゆく世界で、熾天使は舞う   第三章 第66話 緋き異端者

    聖教会自治領、聖地カナン── 教皇執務室の扉がゆっくりと開かれたかと思うと、豪奢な法衣を身に纏った初老の男が入室してくる。 「──お呼びですかな、教皇聖下?」 深刻そうな表情を浮かべ、眉間に皺を寄せている教皇グレゴリオを見つめると、枢機卿クロウリーは白い歯を見せて不敵に笑う。 「……おお、クロウリー卿。其方を呼び寄せたのは他でもない。各地で相次いでおる要人暗殺の件について、其方の見解を聞きたいのだ」 精霊教会の崩壊以後、聖教会勢力の要人が各地で暗殺されている。現場には必ず犠牲者の血で、何やら意味深な文章が残されていた。 ──"女神シェオルは既に亡く、ソルの威信は地に墜ちた"。 「ふむ──」 グレゴリオの言葉を受け、クロウリーは顎に手を当てる。ハルモニアの仕業、という訳ではどうやらなさそうだ。 ここ数日の、各地に展開している異端審問官たちからの報告と照らし合わせながら、クロウリーは現況の整理を試みる。 「──関係があるか否かは、現段階では測りかねておりますが。近頃、各地で自殺者が急増しておるようですな。同時に、堕罪者の数も急増していると」 「うむ……」 実に痛ましいことだ。沈痛そうな面持ちのグレゴリオとは対照的に、クロウリーは如何にも他者の生き死にに興味がなさそうである。 「これらを踏まえて、僭越ながら私見を述べさせて頂きますが……最も可能性が高いのは、···による煽動でしょうな。それも、かなりの遣り手でしょう。現に、我らに尻尾を掴ませておりませぬ故」

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status