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■③

Auteur: 水沼早紀
last update Dernière mise à jour: 2026-01-14 01:10:48

「あっ……もっとっ」

「ほら、早く言えよ」

「っ、もっと……欲しい、ですっ」

ボスはこうして意地悪ばかり言うけど、それが気持ちいいと感じる私も、多分変態なのだろう。

「久城とのセックスはどうだった?朱里」

ボスはずるい。 こうして情事の最中に、数時間前に抹殺した相手との情事のことを、聞いてくるのだから。

「っ……まあまあ、でした……」

途切れ途切れに答えると、ボスは「ほお……。まあまあだったのか」と怪しい笑みを浮かべながら、私を見下ろす。

「あっ、そこはダメっ……!」

私の敏感なところに腰を打ちつけてくるボスに、私はやはり抗うことなど出来ない。

「やはり朱里は、ここが気持ちいいようだな」

「やぁっ……んっ」

ボスは意地が悪い、本当に。どこまでも私を気持ちよくしてくる。

ダメ……そこ、気持ちいいっ……。容赦ない感覚が襲い掛かってくる。

「俺の前ではもっと乱れていいんだよ、朱里」

もっと乱れさせようとするボスは、さらに動きを早めて激しく腰を打ちつけてくる。

「んっんっ」

私は抑えきれない感情とその声に、思わずボスの背中に手を回していた。

「はぁ……っ、んんっ……んぁっ」

ダメッ……気持ちよくて、意識が飛んじゃう。 ボスの顔も見れない。

ボスとこうして身体を重ねている時が、私が一番輝く瞬間かもしれないと、自分でも思っている。

ボスは謎に包まれた男だけど、ボスとのセックスはイヤなことも忘れさせてくれる気がした。

「朱里、もう少しだけイクの我慢な」

「っ……やだっ……」

ボスはイキたいのに、なかなかイカせてくれない。 それもそうだ。

ボスは意地の悪い男だから、そう簡単にはイカせてくれない。

「さあ朱里、思いっきりイッていいよ」  

「はあっ! いや、あっ……!」

激しく続いたその欲望は、ついには終わりを迎える。 そのベッドのスプリングが、激しくギシギシと音を立てる。

「っ、朱里……!」

「いやっ、イッちゃうっ……!」

ボスのその大きな背中にしがみつくと、やがてギシギシと鳴っていた音は鳴り止んだ。ボスは避妊具の中に、欲望を吐き出したようだ。

ボスは私のおでこにそっとキスを落とすと、私から背中を向けて避妊具を外し、ティッシュに包んでゴミ箱へと投げ捨てる。

「朱里、相変わらず俺とのセックスは気持ちいいんだな」

「はい……あの、ボス」

その背中に呼び止めるけど、ボスは「俺は出ていく。 眠りたければ、眠るといい」と、服を着替え始めた。

「……ありがとう、ございます」

ボスは時々厳しいけど、本当はすごく優しい人なんだ。

私がそんなボスと出会ったのは、七年前のことだ。

✱ ✱ ✱

私の両親は、七年前の十六歳の時、とある殺し屋によって残虐的に殺害された。

私はその時部活に行っていていなかったけど、帰ってきた時に両親の殺害された姿を見て、恐怖で怯えた。 そしてそれから半年間、私は記憶喪失になった。

記憶喪失になってから半年後、記憶を取り戻した私の前に現れたのがボスだった。

ボスは私の目の前で、私に言った。【両親を殺した犯人に復讐、したくないか】と。

私の答えはすでに決まっていた。だから【はい。復讐、したいです】とすぐに答えた。

そしてボスは、十七歳になった私をこの殺し屋の世界へと入れてくれた。 そして殺し屋として、私を仲間に加えた。

まだ若い私に、殺し屋としてのノウハウを教えてくれたのは、ボスだった。

その日から私は、ボスのために尽くすことを決めた。 ボスのために、そして両親を殺した犯人に復讐するため、私はこの世界で生きていくことを決めた。

ボスのためなら、私は何でもすると決めたんだ。 例え、自分の命を犠牲にしてでもーーー。

そして私は、初めて殺し屋として成功した時、ボスに初めてこの身体を捧げた。 ボスとの初めてのセックスはとても気持ち良くて、それからボスとこうしてセックスをするようになった。

殺し屋として生きていくために、この道を選んだのは私だから。

これが私の生き方だ。 これが私の、殺し屋としての生き方だ。

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