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ケジメ

작가: エチカ
last update 게시일: 2026-07-07 19:15:33

 追い掛けられて逃げ惑う。

 泥濘に足を取られ、泥だらけで、何なら後ろも先も見えない。

 息は上がり、見えない追跡者に恐怖を抱きながら、行き先も分からない不安が追い打ちをかける。

 そんな世界に、遠くから聞こえる声――――。

「ベル……ベルッ?」

 体を揺さぶられて、ようやく瞼を押し上げる。

 目の前で不安そうにしているのは、ジェイドだった。

「ジェ……ッ」

 喉が張り付いて声が出ない。

 ラヴェルは喉を詰めて、眉を顰める。

 最悪の目覚め、体は重く、まだ意識も朦朧としている気がした。

「無理して喋らなくて良い。丸一日寝ていたんだ」

 ジェイドの言葉に、ホッと息を吐いた。

 迷惑ばかりかけて、この有様。

 身が弱っているせいなのか、すぐに涙が込み上げそうになる。

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  • 没落した薔薇は、碧夜の星になる   貴方の秘密

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  • 没落した薔薇は、碧夜の星になる   掬い上げる手

     ジェイドは出先から帰って来てリゼルとラヴェルの会話を扉越しに聞く。 巷では公爵家の嫡男が王家の秘密を持って逃走した――と派手に吹聴されていた。 「さて、どうするか……」 ジェイドが幼い頃はまだデルメール家が貿易の拠点として栄えていた。 王家御用達の宝石商として栄華を誇るローゼン家と、輸出入を担うデルメール家は懇意にしており、二つ年下のラヴェルとは幼馴染として過ごした時間もある。 だがデルメール家は十年ほど前にとある事情で、衰退の一途を辿る事になった。 静かに、沈殿するよう

  • 没落した薔薇は、碧夜の星になる   仄暗い瞳

    「ぐえっ――! げほっ、げほっ――!!!」 ラヴェルは必死に目を開け、直後に海水を激しく吐き出した。  肺が引き裂かれたように痛む。  呼吸の一つ一つが拷問だった。 「ゔっ……」 「ラヴィ様っ! お

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     ラヴェルは、自分があとどれだけ持ちこたえられるのか分からなかった。 海水が無数の手のように、彼の鼻や口を引き裂く。  肺に流れ込み、空気のひと欠片まで押し出していく。 視界は閉ざされ、四肢も縛られている。 ラヴェルは誰かに捨てられた石のように、ゆっくりと真っ暗な底へ沈んでいった。 これが、ローゼン公爵家の嫡男の末路なのか? 二十分前まで、彼は王都で最も豪華な夜会にいて、クリスタルのグラスを手に、皆からの祝いの言葉を受けていた。「ラヴェル様、ご立派になられて」「ラヴェル様は王家からの期待も大きいですからな」 偽りの笑顔、追従の言葉。  彼はただ早く家に帰って、夜会服を脱ぎ

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