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第六十三話:僕たちと竜ヶ峰

작가: 古紫汐桜
last update 게시일: 2026-03-17 19:00:00

その日、僕たちはほとんど会話もないまま帰宅した。

来人が竜ヶ峰を心配する気持ちもわかる。

あれが友情から来ていることも、ちゃんとわかっている。

──でも。

正直、気分の良いものではなかった。

どうであれ、僕は竜ヶ峰に傷つけられたのだから。

あの出来事を、なかったことにできるほど──

まだ、時間は経っていない。

「ねぇ……来人。本当は……」

そこまで言いかけて、言葉を飲み込んだ。

言ってはいけないことを、口にしてしまいそうで怖かった。

そして、ふと思う。

もしかして――

竜ヶ峰も、ずっとこんな気持ちを抱えていたのかもしれない。

僕にとって竜ヶ峰は“傷つけた人“でも、

竜ヶ峰から見れば──

僕もまた、“傷つけた側”だったのかもしれない。

……どうして。

どうして、同じ人を好きになってしまうんだろう。

もし、一人に一人だけだったなら──
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