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第23話

Author: 霜晨月
last update Last Updated: 2025-12-24 22:40:22

ここ数日、颯斗はネットでN・N――すなわち星野睦弥に関するあらゆる情報を漁っていた。

ネット上で見つかる睦弥の情報とあらば、個人SNSからインタビュー記事に至るまで、片っ端から洗い出した。

だが、星野睦弥という人物の実像に迫るには、それだけでは到底不十分だ。

より生々しい一次情報を手に入れるため、颯斗は彼のファンコミュニティにも潜り込んでいた。

今日のサイン会についての情報も、そこで得たものである。

サイン会は午後二時の開始を前に、ファンたちは一時間以上も前から書店の外に長蛇の列を成していた。

午後の日差しは殺人的であったが、その列に加わる颯斗は、それ以上に針の筵に座らされているような心地の悪さを味わっていた。

睦弥が手掛けるのはBL漫画というジャンルゆえ、ファン層は圧倒的に女性が多い。男性ファンはパンダのごとく稀有な存在なのだ。

この列に並ぶ男性が颯斗一人というわけではなかったが、他の者たちは皆、恋人か妻の付き添いといった風情である。

単身で、しかも百八十センチもの長身の颯斗が女性ばかりの集団に紛れ込めば、いやでも目立ってしまう。

その居心地の悪さを紛らわそうと、颯斗はうつむいて本を読むふりをするしかなかった。

手にしているのは、この七月に発売されたばかりの睦弥の最新刊『パペット』だ。

しかし、パラパラと頁を捲っただけで、颯斗はたちまち続きを読む気をなくした。

炎天下での読書が過酷だという点を差し引いても、肝心の内容がどうにも性に合わない。

ホラーの皮を被ってはいるが、その実、感傷的で観念的な物語であり、到底、颯斗の感性とは相容れないものだった。

二時の十分前、ようやく列が動き出す。人の波に押されるように書店に入り、特設ステージ前の観客席にたどり着いた。

やがて、サイン会がその幕を開ける。

五分後、書店内のあちこちから黄色い歓声がどっと沸き起こった。

今日の睦弥は淡い色調でまとめた装いだった。

白のTシャツに水色のシャツを羽織り、ボトムスはグレーのハーフパンツ。相変わらずの清潔感あふれる出で立ちである。

歓声と、無数のスマートフォンが放つシャッター音に包まれながら、ステージ中央に進み出た睦弥は、集まったファンや読者に向けて深々と一礼し、挨拶を述べた。

そして司会者の隣にあるソファに腰を下ろすと、十五分間のインタビューが始まった。

そのインタビューの感想は、「気ま
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