บททั้งหมดของ 恋わずらいの小児科医、ハレンチな駄犬に執着されています: บทที่ 91 - บทที่ 100

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告白のとき(歩目線)

朝、目が覚めるといつものように、タケシ先生が先に起きていた。隣で横たわりながら何故だかじっと俺の顔を見ているんだけど、誘うような視線のせいで朝からすっげぇ刺激的なんだ。「タケシ先生、おはよ!」 ワァ──ヽ(〃v〃)ノ──イ!! そんな感じで抱きつこうとした俺の頭を、容赦なく殴りつけるのもいつもの朝だったりする。「おはよう太郎……。毎度毎度、起きた瞬間からテンションMAXって、お前の体はどうなっているんだろうね」 呆れながら起き上がり、うーんと伸びをするタケシ先生。空いてる膝に、頭をうりうり擦りつけた俺。一緒にいられるこの瞬間が、堪らなく好きなんだ。「夏休みに、俺と一緒に行ってほしいところがあるんだけど」 「もしかしてそれって、旅行のお誘いですか?」 寝心地のいいタケシ先生の膝からその顔を見上げると、どこか曇りがちだったせいで、頭の中にクエスチョンマークが浮かんでしまった。まるで旅行先が、暗い場所みたいな感じじゃね? えらく真剣な眼差しに、テンションMAXだった気持ちが一瞬で沈んでいく。「旅行は旅行なんだけどさ……行き先は俺の両親のところ。親父が小さな島の診療所で働いてるんだけど、そこに一緒に行かないかって」 キタ━━━━(*゚∀゚*)━━━━!! 嬉しさのあまり、起き上がった俺の頭がタケシ先生の顎を直撃…… ガツッ!「痛っ!!」 「あうぅっ、ごめんなさい」 「お前……朝っぱらから俺を怒らせることに関しては、天才的だな。信じられないわ」 顎を撫で擦りながら恨めしそうに見る視線は、いつも通りのタケシ先生でちょっとだけ安心する。「ゴメンなさい。ワザとじゃないんですぅ」 「ホントかよ、信じられない……」 「あのあのっ、一緒に行っていいんですか? ご両親のトコ」 それって何か、えっと顔合わせっていうヤツだよな。勢い余って「タケシ先生を俺にください」って言ってしまったら、どうしよう。「ああ。ちょっとばかり遠いんで、泊りがけの旅行になるけどね。予定を空けておいてよ」 「空ける空ける、絶対に予定なんかいれません! 全力で頑張っちゃいますって」 「……お前は頑張らなくていい、むしろ何もするな。喋らなくていい」 タケシ先生の言葉で、喜びで膨らんだ心が音を立てて縮んでいった。何なんだよ、この亭主関白宣言的な発言は!?「先に教えてお
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-21
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告白のとき3

島に行く話をしてから、太郎の態度が急によそよそしくなってしまった。「想定していたこととはいえ、やっぱりちょっとくるね」 診療時間が終わった診察室で、思わず愚痴ってしまう。 あれから1週間、ぱったりと太郎が来なくなって。来てくれたと内心喜んだら、見えない距離が俺たちの間にあった。距離をつめたら目を逸らした上に、体を避けられてしまったから。「やっぱり、言うべきことじゃなかったのかな。学生のアイツじゃ、荷が重い話題だったか……」 俺の一生を背負わせるみたいなことを暗に示したから、逃げ出したくなったのかもしれない。勿論、軽い気持ちで両親に逢わせるわけにもいかないし。「よこらせっと……」 デスクに両手をかけて勢いよく立ち上がり、伸びをしてから白衣を脱ぎ捨てた。ため息をつきながら右手で首筋を撫でつつ、重ダルさを抱えた体で自宅がある階段をゆっくり上ると、鼻に香ってくる何かのニオイがした。「少しだけ焦げたようなニオイが混じっているのは、作ってるヤツが誰か表しているな」 そのニオイに嬉しさを噛みしめて、居間に続く扉を開けた。「お帰りなさいっ、タケシ先生!」 「ただいま。いきなり何を作ってくれたのさ。村上さんがオカズを作って、置いていってくれているのに」 素直に嬉しさを表すことができないのは、俺の悪いクセだ。アイツはアイツなりに、こうやって距離を何とかしようと、もがいているのかもしれないというのに。「そのオカズがハンバーグだったんで、カレー作ってみた。ちょっとだけタマネギ焦がしちゃったけど、味は旨いっすよ」 「……そうか、ありがと。手を洗ってくるわ」 逃げるように居間から洗面台に向かって、顔を見せないようした。「早く戻ってきてくださいね~、冷めちゃいますから!」 なのに俺の顔をしっかり見たのか、余計な一言を添えてくれる。しょうがないだろ、嬉しかったんだ――苦手な料理を作ってくれた歩が、愛おしくて堪らなくなってしまって。「涙が滲んでしまったとか、随分と弱くなっちゃった」 水を出してバシャバシャと顔を洗い、スッキリさせた。赤い目を何とかすることは、できなかったけれど。「いただきます」 顔を付き合わせたときには、落ち着くことが出来たので、そのまんま夕飯を食べてやる。「どう?」 心配そうな表情を浮かべ訊ねる歩に、しっかりと微笑んであげた。「旨
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-22
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告白のとき4

久しぶりに堪能できる、タケシ先生との甘いひととき。「んっ、ぅん……くっ…ンン!」 恥ずかしがり屋の恋人は、自分の姿が見えないように、きっちりとカーテンで外からの光をシャットアウトし、なおかつ自分の声を聞かれないように顔を横に向けて、手の甲を噛んでいた。(今更って感じなんだけどな、俺としては――) ちょっとだけ呆れながら強引に手首を掴み、口から離してやる。「おいっ、何をする!?」 「だって、タケシ先生の感じてる声が聞きたいしさ。赤面して乱れてる顔だって、じっくり見たいのに」 素早く反対の手首も掴んでやり、ベッドに磔にしてやった。こうすれば、もう逃げられないだろう。「離してくれ……」 切なげに瞳を揺らしながら懇願するその顔すら、すっげぇ愛おしく感じる。困り果てるタケシ先生の耳元に、そっと唇を寄せた。「イクまでこの手を離さない。だから覚悟してよ」 「やっ……息を吹きかけながら、そんなこと言うなって!」 俺としてはもう少しだけ甘い雰囲気にしたいのに、どうしてこの人は素直に言うことを聞いてくれないのか。 ――すっげぇ感じまくってるクセにさ。 拘束している両手首を片手で掴み、空いた手でタケシ先生の片脚を持ち上げ、自分の肩に乗せてやる。「あぁ、それ……ダメ、だって……ば、ひっ!」 逃げかける腰を追うように、奥深くにぐいっと突き刺してやった。「こんなに感じてるのに、どうしてイヤがるの?」 「くぅっ…激しくっ、する、な……ってば、っ…ぁあ!」 「タケシ先生の中、すっげぇ熱くなってるよ。もっと感じてって」 追い討ちをかけるように腰を打ちつけたら、容赦なく締め上げられ――「もしかして……自分で自分の首を絞めてる、かも」 感じまくるタケシ先生の上で、顔を引きつらせるしかなかった。 つづく
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-23
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告白のとき5

 ……ああ、もう――どうにでもしてくれ…… 快感に打ちひしがれる体を存分に持て余し、歩にされるがままだった俺。行為に汗ばんだ肌を何とかしたかったのだけれど、それすらも億劫というか、残されたこの気持ちよさを、もっと噛み締めていたいというか。 微妙な表情を浮かべ、うつ伏せのまま横たわる俺に、暑苦しいくらいにピッタリと寄り添う歩がいた。「ねぇねぇ気持ちよかった? タケシ先生ぃ」 「煩いな……放っておいてくれ、バカ犬」 「うぇっ、もしかして気持ちよくなかったとか!? じゃあもう一回♪」 ――冗談じゃない!「これ以上、余計なことをするんじゃない。俺を悶え殺す気か、お前はっ!」 慌てて起き上がり、ベッドの隅っこに移動。そんな俺の様子を楽しそうに肘を突いて、じっと見つめたままでいる。「そっか。身悶えちゃうほど良かったんだ。なぁんだ」 告げられた言葉に、頬がじわりと熱を持つ――だってしょうがないんだ。久しぶりだったんだし……「あ――」 そうだよ、久しぶりだったんだ――「タケシ先生?」 コイツが逢いに来ないことに若干腹を立てつつも、寂しくて堪らなくて。だけど実際に顔を突き合わせたら、島に行く具体的な話をしなきゃならないだろうなと、アレコレ考えさせられたせいで、不安がどんどん募っていった。 そんな寂しさと不安を抱えたままの俺は、行きつけのブランドショップで買い物をした。 そのことを思いだしたので、無言でベッドヘッドのライトを付け、ゆっくりと立ち上がり、クローゼットまで足を運ぶ。仕舞ってあった、まっ平らで正方形の小さな小箱を手に、歩の傍に戻った。 慌てて布団をかき集めて体を見えないようにしてから、手にしていた箱を強引に手渡す。「タケシ先生、突然どうしたんだよ?」 「別に……それ、お前にやる」 顔を逸らしながら告げた言葉に、歩は小首を傾げながら包装紙をバリバリ剥がして、急いで箱を開けた。「これって一緒に買い物に行ったとき、タケシ先生にすっげぇ似合いそうだなって、眺めていたヤツだ」 「俺は、歩に似合いそうだなと思ったけど」 箱の中身は、南京錠付きの本皮でできたチョーカー。色は黒っぽいんだけど、よく見たら深い青色をしている。そんな色身をしたチョーカーに、シルバーの南京錠がキラリと光って目についたんだ。「似合いそうだからって、俺にこれを?」 「
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-24
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告白のとき(歩目線)一緒に島へ

夏休みに入ってからは、タケシ先生に貰った南京錠付きのオシャレなチョーカーを、首にずっと付けたままでいた。タケシ先生の首には、南京錠の鍵が付いてるネックレスがぶら下げられていて―― こうやって目に見える形で、縛り付けられているのを見ることができるだけで、毎日がすっげぇ幸せだった。「もうすぐタケシ先生のご両親に逢えると思ったら、ワクワクしてきますよ」 「そうか。良かったな……」 動きはじめたフェリーから体に海風を感じつつ青空を仰ぎ見て、タケシ先生に話しかけた。その顔はあまり浮かないものだからこそ、必然的に俺の気持ちも沈んでしまう。 フェリーに乗る前まではそれなりに会話があったのに、今はむっつりと黙り込んでしまい、それに対してどうしていいかわからず、内心焦った。 今の現状もそうだけど、タケシ先生のお父さんと例の話をするとき、穏やかにかつ和やかに話し合いが進められるように、自分なりに考えてみたんだ。 まずは――「えっとタケシ先生のお父さんって、どんな感じの人ですか?」 以前ケンカしに行くと言った言葉があったので、きっと気難しい人なんだろうなぁと、容易に想像ついたのだけど。「……親父は俺に似てる。間違っても好きになるなよ」 「へえ、好きになってしまうかもしれないくらいに、タケシ先生に似てるんですか。これは逢うのが、超楽しみかも」 「お気楽なヤツだね、まったく。似ているから厄介だっていうのに」 長い睫を伏せて、水面に視線を移したタケシ先生。そのただならぬ様子がじわじわと伝わってきて、不安がどんどん募っていく。「もしかして顔だけじゃなく、性格も似ている、とか?」 「全部、同じってワケじゃないけどね。似ているからこそあっちの考えていることが、手に取るようにわかっちゃってさ。言い合いをしている内に、ケンカに発展しちゃって」 うわぁ、それはそれで厄介かも――「そ、そうなんですか。大変っすね……」 「ああ。だからお前との付き合いも、ズバッと言ってやろうと思って。下手に濁したりしたら、余計にややこしくなるだろうから」 考えるだに恐ろしい――どうやって、ズバッと言うつもりなんだろ。素直じゃないタケシ先生が投げつける言葉を、きっと素直じゃないタケシ先生のお父さんは、どう受け止めてくれるんだろうか。 ブルブル ((;゚ェ゚;)) ブルブル 俺
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-25
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告白のとき(歩目線)一緒に島へ2

*** フェリーが港に横付けされ、俺らを含めて数人の客が降りて行った。出迎えてくれたのは自転車を傍らに、白衣を格好よく着こなしている、白髪混じりのメガネをかけた、タケシ先生によく似た人だったのだが。(まんま、タケシ先生を老けさせたみたいじゃん!) お父さんに向かって、ふたり並んで歩いて行く。ドキドキが高鳴ってしまい、手と足が一緒にカクカクと動きそうになってしまった。「もしかして、診察の帰り道だったの?」 開口一番に話しかけたタケシ先生をお父さんはチラッと見てから、俺に視線が移される。明らかに、何だコイツはという眼差しが痛い。初めてタケシ先生に逢ったときにされたような眼差しが、違う意味で更に俺の心拍を高鳴らせた。 ――懐かしさを感じるよりも、恐怖を感じるよ……「ああ、元気そうだな。タケシ」 タケシ先生に話かけているのに、刺す様な視線は俺に釘付けのまま。震え上がる俺を尻目にタケシ先生は突然スマホを取り出して、あちこちの風景をカメラ撮影をしだしたのが、すっげぇ謎だ。緊迫したこの空気を物ともせず、マイペースを貫けるのは、タケシ先生らしいといえばそうなんだけど。「変わらないねぇ、島も親父も」「俺は変わらないが、そこにあった建物が昨年の爆弾低気圧で吹き飛ばされて、なくなっているから」「あっ、ホントだ。スッキリしちゃった感あったのは、それが原因か。おおっ!? 島に似合わないイケメン漁師、発見!([+]Д・)」「彼は元ホストだったそうだよ。今はちゃんと、島に馴染んで生活している」 交わされる他愛のない会話に、当然俺は口を挟めず、ただ黙って聞くしかなかった。「元ホストね。漁師なんて博打みたいな仕事しないでホストに戻った方が、金銭的に生活が楽そうだけど」「どんな仕事にも、楽なものなんてないだろう。コイツは誰だ?」 ビシッと指を差され訊ねられたので、タケシ先生が答える前に何とかしなきゃと頭を下げる。「はっ、はじめまして、お父さんっ! 王領寺歩と言います」「おとうさん?」 不機嫌そうな声色で言われてしまい、震え上がってしまった。「す、すみませんっ。周防先生っ!」 言い直しつつ、隣にいるタケシ先生に視線を飛ばす。これで大丈夫? ねぇこれで大丈夫? ってな感じで。「あんまり苛めないでやって。この体でウチの病院を支えてくれるであろう、未来の看護師なん
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-26
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告白のとき(周防目線)一緒に島へ

(言った……言ってやったーー) 山に通じる道をワケもなくどんどん登って行くと、肩に手を置かれて止められる。「ちょっ、タケシ先生待てって。あれはないんじゃないのか!?」 「はじめに言ってあったでしょ。それを口頭と行動で示してやっただけだ」 「いくら何でも、あれはやり過ぎだよ。お父さん、ショックを受けていたじゃないか」 「あの人には、あれくらいが丁度いいんだよ。心配する必要ないね」 困り果てる顔をした歩をひと睨みし、颯爽と上を目指した。どこに続いてるのか、知らないけれど。「なぁ、タケシ先生」 「何だ? これ以上、お前からの苦情を聞きたくないよ」 「違うって。この道、ずぅっと登って行ってほしいんだ。ちょうど行こうとしていた場所に繋がっているから」 「歩?」 告げられた言葉にふと立ち止まると、俺の右手をぎゅっと握りしめる。「タケシ先生のお父さんとお母さんが、この島でどんな景色を見て過ごしているのか。俺なりに調べてみたんだよ。さぁ行こうぜ」 掴んだ手をぶらぶら揺らしながら、どこか楽しそうに引っ張ってくれる。まるで、慰められているみたい。「っ……歩、俺は――」 「大丈夫、わかってるって。今は黙ってついて来てよ」 それはそれは包み込むような柔らかい笑みで、俺を見ながら告げてきたのだが、そんなふうに言われたら素直に従うしかない。 苦笑して引っ張られるまま黙って後をついて行くと、繋がれている手がいつもと違うことに、そこで気がついた。左手親指に嵌められた見慣れないシルバーリングが、日の光を浴びて輝いている。時折きらりと光るそれに今まで気がつかなかった、俺っていったい……(それだけ自分のことで、いっぱいいっぱいだったってことか。恋人のちょっとした変化に気づけないなんて、本当にバカみたいだ) なんの気なしに繋がれている親指でそれに触れていると、歩がそれに気がついて振り向いた。「どうした、タケシ先生?」 「あ、うん。これ、似合ってるなって」 気づいてやれなくてゴメンって言いたいけど、自分に余裕がなさ過ぎてそこまで言えない。 どうにもバツが悪くて顔を伏せていた俺を、歩はわざわざ覗き込んでから、掬い上げるように、ちゅっとキスをしてくれた。「サンキュ、褒められるとやっぱ嬉しい!」 いつものようにデレデレという感じの、だらしない顔をする。実はそんな
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-27
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告白のとき(周防目線)一緒に島へ2

「やっぱ実際に目で見て確かめたら、どこか印象が違うな。ちょっとだけスケッチしていい?」 俺が了承するのを見越してなのか、いきなりしゃがみ込んで、カバンから画材を取り出し、目の前の景色を見ながら丁寧に色を塗っていく。 そんな歩の背中に自分の背中をくっつけるようにして座り込み、反対側にある海の景色を楽しむ。気持ちが軽くなったお蔭で、歩にいろいろ話せそう。「……俺さ、昔っから親父とケンカして、困らせてばかりいたんだ」 「さっきのやり取り見て、スゲェなって思った」 ちょっとだけ笑った声が、耳に心地いい。「親父がさ、個人病院を開業していたから俺がそれを継ぐっていう、将来が決まっていたのが、実はイヤでね」 「タケシ先生は、他になにかやりたいこととかなかったのか?」 時折吹いてくる下からの海風が、荒んだ俺の心を和ませてくれるみたいに吹き抜けていった。「他にやりたいことがあれば、医者なんかになってないよ」 「あのさ、俺バカだからよくわかんねぇんだけど、医者になるのって超頑張らないとなれないじゃん?」 「超頑張ったかどうか、覚えていないな」 実習漬けの毎日に、ただ日々を過ごしていた感じかも。「タケシ先生、どうして小児科医になったんだ?」 紙の上をなぞるような筆の音が止み、不思議に思って顔だけ振り向くと、歩が俺の耳元に唇を寄せていた。 興味津々のその眼差しに、応えられるだろうか?「子どもが一生懸命に病気と向き合うところに、心を打たれたから、かな。その手伝いがしたいと思ったんだ」 「そっかー。そのお陰で俺はタケシ先生と出逢うことが出来たんだよな。子どもたちに感謝しなくちゃ!」 歩らしい言葉に笑みが零れる。さっきまで落ち込んでいたのがウソみたいだ。「だけど俺が小児科医を専攻したことで、親父と見事ぶつかっちゃったんだけどね」 「あ、そういえば……お父さんは内科医だったっけ?」 「うん。併設してやろうって俺から提案出したんだけど、そんな中途半端はイヤだって、随分とごねられてさ。結果、この島に移住させてしまったんだ」 俺が親父を追い出した。だけどこれでよかったって思ってる、自分がいるのも確かなことで。一緒に病院経営なんてしたら、きっと診療方針やその他のことで、揉めるのが目に見えているから。 視線を伏せると、後ろから体をぎゅっと抱きしめてくる歩。「
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-28
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告白のとき(周防目線)一緒に島へ3

ぜーぜー息を切らしながら、歩に引っ張られ、元来た道を歩いていると、浜辺から大きな声が聞こえてきた。「おーい、ヤスヒロ~! 出ておいで」 もしかして、さっきの小さい男のコを、捜しているのかもしれない。「歩、声のするほうに行こう。人助けをするぞ」 「えっ!? 何で?」 「困った人がいたら助けるのは、当り前のことだろ」 すぐに、親父のところに行きたくなかった俺は、無理矢理な理由をつけて、声が聞こえてきた浜辺に、勇んで足を踏み入れた。そんな俺の後ろを、渋々といった感じでついてくる歩。 目の前には最初にこの島で見たイケメン漁師と、山で見かけた細身の男性が手を繋いでいる姿が目に飛び込んできた。 大きな声を張り上げるイケメン漁師に連れられ、細身の男性がどこか困った表情を浮かべながら何か言いかけるところに、無理やり割って入るべく、息を大きく吸い込む。 結構、勇気がいることを理解して戴きたい……だってふたりは、仲良さそうに手を繋いでいるのだから。見るからにふたりの世界を満喫中って感じだしね。「あのさ人捜し、手伝ってやろうか?」 辺りに響き渡る俺の声に、ぎょっとした顔で振り返りながら、慌てて手を離したふたり。イケメン漁師がじぃっと俺の顔を見つめ、小首を傾げて口を開く。「……周防先生の息子さん、ですか?」 初見でそれを見破るとか、親父の顔の広さに呆れ果てるしかないな。「やれやれ。この島では親父のせいで、悪さができないね。内地で小児科医をしている、周防武と言います。コイツは連れのバカ犬」 面倒くさくなり歩の自己紹介を省略してやったら、バカ丸出しの顔をしてくれた。いつもながらの反応に、内心笑ってしまう。「ちょっ、それって酷くない!?」 「自己紹介くらい自分でやれよ。だからいつまで経っても、バカ犬呼ばわりされるんだ」 そんなやり取りをしている俺たちを、細身の男性が口元を押さえて笑いを堪えていた。さっきまで悲壮な表情を浮かべていただけに、和んでもらえて何よりだ。「こちらこそ、紹介が遅れてしまって済みません。島で漁師をしている、井上穂高と言います」 「えっと弟の千秋です。はじめまして」 なるほどねー。まったく似ていないから兄弟に見えなかった。むしろ、恋人同士かと思ったんだけど――「看護学生の王領寺歩です、はじめましてです……」 ふてくされながら自己
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-29
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告白のとき(周防目線)一緒に島へ4

「でかした! こっちに運んでくれ」 手間取ったという割りには早いと思ったのだけれど、渋い顔をして男のコをその場に横たわらせてくれる。 多分、水面にでも浮いていたのかもしれない――そんな姿を見たら、少しでも早く助けてやりたいと思うのが人というものだ。 余計な邪念を追い払うべく、気を引き締めながら男のコの頚動脈に両手で触れつつ、他にケガがないか、大まかに診ていった。「康弘!? 康弘っ」 横たわる男のコに、追いすがってきたお母さん。気持ちはわからなくはないが、バイタルチェック中の今は、離れていてほしい。「歩、患者さんからお母さんを遠ざけてくれ」 その指示に、歩はお母さんを軽々と持ち上げ、引き離してくれる。「康弘っ……どうして……」 「お母さん、絶対大丈夫だから。タケシ先生、すっげぇ名医なんだ」 普段聞いたことのない落ち着かせるような声色が、お母さんの心を打ったのか、離れたところから、俺たちを見守ってくれた。 その様子に安堵しながら男のコの胸に耳を当てて、心音を確かめる。ショック状態でも、わずかに心臓が動いているときがあるから。 頬を強く叩いてみても、声をかけながら体を揺すってみても、まったく反応なし。呼吸停止に心拍も……止まったままか。意識レベルは300だな。「千秋……千秋、大丈夫かい?」 「穂高さん――」 「俺がちゃんと捜していたら、こんなことに」 自分を責めるなんて、バカなことを考えているな。こういう事故は、偶発的に起こるものなのに。「千秋くん、自分を責めるのはお門違いだよ。あの場面で君が思い出してくれたから、無駄な動きをせずに、みんなで捜さずに済んだ。しかもお兄さんがちゃんと、見つけてくれたじゃないか」 心拍を再開させるべく男のコの上に跨り、胸を押してやる。千秋くんがどんな顔して、俺の言葉を聞いたかはわからない。だけど小さな声で、ありがとうございますと言ってくれたのが、結構嬉しかった。「発見が早いに、こしたことがないんだからね。俺としては、大助かりなんだから……っと、やっぱあまり水を飲んでないみたいだ」 胸を押し続けたら、口から少量の水が出てきた。冷水に浸かり続けたせいで、早く意識を失ったため、水を飲まなかったのかもしれない。「歩、親父んトコ行って、ドクターヘリを頼んでくれ。低体温療法ができる病院に、搬送するように! 医者
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-09-30
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