All Chapters of 結婚相手を間違えました〜従順妻はヤンデレ執着夫の重すぎる溺愛から逃げ出したい〜: Chapter 31 - Chapter 40

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7.不安と違和感の中で*⑥

 結葉の動きをわざと封じるように自分の体重でグッとベッドに押さえ込んだまま、偉央はもう一方の先端も、手指でギュッと摘んでこねる。「あ、やぁんっ! い、ぉさっ――!」 途端、熱に浮かされたように自分の名を呼びながら、押さえ付けられた身体を懸命に震わせる結葉を見て、偉央は心の底から彼女の全てを独占したいと思った。 手に入れたばかりの、この無垢で淫らな二律背反としか言えない美しい妻を、絶対に誰の手にも渡したくないと願った。 チュッと音を立てて上に吸い上げてから右の乳首を解放すれば、ふるりと震えて未だ物足りないと言わんばかりにツンと天井を仰いで愛らしくとんがる。それが堪らなく扇情的で。 偉央の唾液でテラテラと光るそこは、強めに与えられた偉央からの刺激で赤く鬱血して、よく熟れた野苺みたいに見えた。 「結葉、キミは最高に可愛いよ……?」 耳元で囁くようにそう告げたら、偉央の声だけで結葉が小刻みに身体を震わせて。  今、この娘は全身で自分からの刺激を受け取ろうとしてくれているのだと実感させられた偉央は、堪らなくゾクゾクした。 「下、凄いことになってるね、結葉」 その上で結葉の下肢をサラリと撫でれば、そこがしとどに濡れそぼっているのが分かった。「結葉、キミはこういう経験なんて一度もないはずなのに、物凄くエッチに乱れるんだね」 わざと結葉の羞恥心を煽るようにそう言ったら、結葉が両脚をギュッと閉じて「言わないでください……」と涙に潤んだ目で偉央を見上げてくる。「勘違いしないで、結葉。僕はキミを心の底から褒めているんだよ?」 クスッと笑って結葉の耳朶に口付けながら声を低めて言えば、彼女が恥ずかしそうにイヤイヤをする。 「なぁ結葉。――僕を見ろ」 そんな結葉に命令口調で少し強め
last updateLast Updated : 2026-07-25
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8.歪んだ形での愛の実感*①

 偉央は結葉が頷いたのを確認するなり彼女の下肢へと手を伸ばした。  結葉の下生えは、まるで子供のようにほんの少ししかないうえに、ふわふわと柔らかい毛質で。 偉央の指先は、まるで少女のような結葉の下腹部――恥骨の辺り――をスルリと通過する。「あっ、偉央さんっ、そこは――」 その瞬間、ハッと我に返ったように結葉が身体を固くして、脚を閉じようと縮こまらせてきたけれど、偉央は「さっき許可したよね?」と低くつぶやいてそれを封じてしまう。 ついでに「触りにくいから足、力抜いて?」と追加で指示を与えれば、結葉はフルフルと震えながらもゆっくりと脚の隙間を開いてくれる。 「結葉は素直でとっても良い子だね。――大好きだよ」 うまく言いつけを守れた時は惜しみなく褒めてやる。  そんなご褒美を命令の合間に挟み込むことで、羞恥心と葛藤する結葉を巧みにコントロールしている偉央だ。「そのまま動かないでね?」 言って、ゆっくりと敏感な秘芽の周りをクルクルと辿って、一度だけわざと掠めるように触れてから、結葉の身体をビクッと仰け反らせる。 今はそれ以上そこには触れない、と密かに心に決めている偉央は、いじらしく刺激を求めて勃ち上がった陰核には殆ど触れず、温かく濡れそぼった谷間に沿って指を進めた。「や、……ぁんっ」 そんなところ、他人に触られたことなんてないんだろう。 結葉が、思わず脚を閉じそうになって、先の偉央からの言いつけを守ろうと懸命に堪えているのが、同じく顔の横から動かしてはいけないよ?と命じてある手指がギュッと握られたことで分かる。「結葉はこういうことをするの、初めてだからね。しっかりほぐしておかないと僕のを受け入れるの、辛いから……恥ずかしいだろうけど我慢するんだよ?」 言外に「キミのためだ」と含ませ
last updateLast Updated : 2026-07-26
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8.歪んだ形での愛の実感*②

 結葉が小さな声でそう言ったのへ、「どんな風に少し?」と具体的な説明を求めるのは優しさからだろうか、それとも言わせることで結葉に恥ずかしい思いをさせたいという被虐性の表れだろうか。 何となく後者の意味合いが強い気がした偉央だ。「…………す、少し……そのピリッと、して……苦しい、です」 言うなり恥ずかしそうに顔を歪めた結葉が可愛くてたまらない。 そんな風に思ってしまう自分はおかしいのかも知れないと心の片隅でもう一人の自分が警鐘を鳴らす。 今まで女性と付き合ってきて、これほどまでに支配したいと感じさせられた娘は居なかった。 (僕は本当に結葉のことを心の底から愛してるんだ) それでそう自覚してしまうと言うのもおかしな話だとは思うけれど、実際偉央にはそうとしか思えなかった。 *** 「結葉はここに指とか入れたことないの?」 自分でそういうことをしたことはないのか?と問われて、結葉は真っ赤になって首を振る。 性的な目的で、下腹部に触れたことすらない結葉だ。  中に指を入れるだなんて有り得ない。 結葉のその反応に、偉央が嬉しそうにクスッと笑ったのが分かって、結葉は訳が分からず戸惑ってしまう。 自分はそんなにおかしいことを言ったのだろうか。 オロオロと視線を彷徨わせたら、偉央が「嬉しいな」とつぶやいた。「え……?」 聞き間違いかと思ったけれど、偉央は結葉の中に指を挿し込んだまま、結葉の頬へチュッと口付けを落としてきて。「結葉の初めて、僕が全部もらえるんだって思ったら嬉しくなっちゃった」 言葉通り、偉央はとても楽しそうで、結葉はその笑
last updateLast Updated : 2026-07-26
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9.言えない気持ちが降り積もる①

 結葉が偉央と結婚して丸三年。 結婚した際、偉央から、「結葉が寂しくないように連れて来るといいよ」と言ってもらえて一緒に嫁いで?きた、ゴールデンハムスターの福助が、つい先日3年半の生涯を閉じてしまった。 未だ子宝にも恵まれていない結葉は、初めて経験するペットロスで、寂しさに押しつぶされそうな日々を送っている。 23歳で八つ年上の偉央に嫁いだ結葉も、今年で26歳。  アラサーと言われる年齢に差し掛かった。 偉央は結葉が生理だったり、体調が芳しくないとき以外は基本的に毎日のように結葉を抱くのだけれど、未だに徹底して避妊を怠らない。 対して、結葉は結婚した当初からずっと、子供が欲しいと望んでいる。  アラサーに差し掛かった今では特に、自分の年齢のこともあってその思いは募るばかり。 友人から子供が出来たよと知らせを受けるたび、胸の奥がチリチリと痛んだ。 でも、偉央が乗り気になってくれないのだ。 余り言うと偉央の機嫌を損ねるのでなかなか強く言えない結葉だったけど、自分の両親や義理の両親が孫を心待ちにしているのも知っている。  実際に「うちはまだかなぁ」とか何気なく言われるたび、肩身が狭い思いをしているし、自分だってその努力をしたいんです!と叫び出したくなる。 毎日のように夫から身体を求められるのに、その行為は新しい命を育むための営みではないというのも凄く悲しくて。 それを偉央に強く言えない自分の不甲斐なさにもしょっちゅう泣きたくなった。  結葉は、自分の心の隙間を埋めてくれていた福助が天に召されたことで、今度こそちゃんと偉央と向き合おうと決意したのだけれど――。 *** 「偉央さんは子供がお嫌いですか?」 偉央に抱かれたあと、結葉は思い切って夫に聞いてみた。 
last updateLast Updated : 2026-07-27
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9.言えない気持ちが降り積もる②

 ただ、偉央は結葉がマンションから勝手に出ることをとても嫌ったので、買い物に行くことなども基本的にはあらかじめ偉央に申告しなければならなかったし、急遽どこかに出かけなければいけなくなった時には逐一連絡を入れて、偉央の許可を取るように言われていた。 もしも電話やメールが通じなくても、「僕の勤め先自体すぐそこなんだから、最悪の場合会いにくれば話せるでしょう?」というのが偉央の持論で。  病院に来るまでの道のりを出歩くのは、百歩譲って許可しようと言われていた。  もちろん道すがら他所へ立ち寄るなどは許されない。 とはいえ、マンションと動物病院は道路を挟んですぐ向かいにあるという立地なので寄り道のしようはないのだけれど。 結葉はこの三年間、完全に偉央に囚われた籠の中の鳥だった。  タワマンに住まう優雅な主婦などと言う表向きの華やかさより、結葉は安普請の借家住まいでも構わないから、もう少し自由が欲しいと思っていた。***「福助がいなくなって寂しくなっちゃった?」 唇を指の腹でやんわりなぞるように撫でられながらそう聞かれて、福助のことを思い出した結葉が涙目でこくりとうなずいたら、「そっか」と偉央が優しく頭を撫でてくれる。 実家からこのマンションに持ち込んだアクリル製の福助用ケージは、とても大きかったから、存在感が半端なくて。  その分、中に住まう福助がいなくなってからは、その大きさが仇となって結葉の胸を締め付けてきた。 「――それで赤ちゃんが欲しいって思っちゃったんだね」 もちろん、それだけではないけれど、それも一因ではある。 結葉が泣き濡れた目で偉央を見やると、偉央は優しく微笑んで「分かったよ」と言ってくれて。 「それじゃあ」  と期待に偉央の方へ身を乗り出した結葉に、「結葉が寂しくないように、今度の休み、一緒にペットショップへ行
last updateLast Updated : 2026-07-27
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10.厳しい管理下①

 昨今、みんな携帯電話を持っているのが主流で、家に固定電話を設置している家庭の方が少なくなっているだろう。 だが、御庄家では少し違っていて。「はい、御庄でございます」 御庄偉央の妻である結葉は、夫から携帯電話を持たせてもらっていない。 彼女の旦那の偉央が、妻が自分の預かり知らぬところで誰かと繋がることを許さないからだ。 独身時代には持っていた携帯電話も、結婚して専業主婦になった時に「結葉は家にいるんだし、必要ないよね?」と解約させられた。 以来、結葉は自分名義の携帯電話を持っていない。 外出する用がある時だけ、偉央から〝子供用携帯〟を渡される。 偉央が〝管理者として〟ロック番号を管理しているそのキッズ携帯は、ネットサーフィンをすることはおろか、偉央が認めた人間――アドレス帳に登録された番号――からの着信しか受け付けないように設定されている。 ちなみにアドレス帳に登録されている番号は、自宅の番号と『みしょう動物病院』の番号、それから偉央の携帯番号と結葉と偉央の両親の携帯番号、両家の自宅の固定電話の番号のみ。 電話帳に登録されていない番号からの着信は端から拒否されるし、結葉が勝手にアドレス帳をいじることも偉央から固く禁じられている。 もし何か新しい番号を追加したい場合は偉央に許可を求めなければならないのだけれど、今まで一度だって了承されたことはないのが現実だ。  いわく、「自宅の電話からかければ済む話でしょう?」と。 その固定電話にしても、毎日偉央に発着信の履歴をチェックされているし、通話の明細書も動物病院宛に届くようになっていて、全て偉央が管理している形だ。  だから結葉には勝手なことが出来ない。 友人たちからは偉央と共有で使っているパソコン宛にメールがくるか、こんな風に昼間、偉央が居ない時に家の方に電話がかかってく
last updateLast Updated : 2026-07-28
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10.厳しい管理下②

 帰る前の連絡は必須だったけれど、例えば0時を回ったからと言って叱られることもなかった。  それが一変したのは、結婚をして一緒に暮らすようになってから。 前述したように仕事は寿退社をせざるを得ない雰囲気にされてしまったし、家にいるなら必要ないよね?と携帯電話も取り上げられた。 それでも結婚してすぐの頃はお伺いを立てれば友人たちと出かけることも渋々ながら許してもらえていたし、夜だって0時を過ぎないことを条件に出してもらえていた結葉だ。 キッズ携帯を肌身離さず持っておくことは義務付けられていたけれど、それさえ守っていれば偉央は結葉の手綱を少しだけ緩めてくれた。  それが許されなくなったのは、結葉が偉央との約束を違えて、0時までに帰宅することが出来なかった時から。 加えて女子会だと話していたのに、たまたま居酒屋で同級生の男の子たちと出会ってしまい、男女混合で飲んだのが偉央にバレてしまって、彼の逆鱗に触れてしまい。 嘘つき女、お前のこと、信用できなくなった、と口汚く罵られた挙句、結葉は今の窮屈な生活を強いられるようになったのだった。 *** 『たまにはいいじゃない? ね? 昼間2時間ぐらいの会だし、ご主人が帰ってくるまでには家に戻れるって』 結葉の同級生から、家の電話に中学の同窓会の誘いの電話が掛かってきたのは、今日の昼下がりのことだ。 同窓会といえば当然男の子たちもくる。  到底偉央が許可してくれるとは思えず、「旦那が許してくれっこくれないから」と渋った結葉に、結葉と同じく地元に残っている幼馴染みの加賀美琳奈が畳み掛けてきた。『結葉、もう2年以上遊びに出てないじゃん? いつだっけ。あの門限破っちゃった日。あれからでしょう? 出してもらえなくなったの』 言われて、結葉はブルッと身体
last updateLast Updated : 2026-07-28
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10.厳しい管理下③

 その当時の偉央は結葉の外出や交友関係に、今ほど口出ししなかったから、結葉はのほほんとした気持ちで答えた。「うん。たまたまお店で出会ってね。懐かしくて合流しちゃったの」 本当にやましいことなんて何ひとつなかったから。 そう言って小首を傾げた結葉に、偉央はいきなり片手で結葉の首をグッと掴んで壁に押し付けてきた。「い、ぉさっ――っ!?」 驚きと恐怖と息苦しさに涙目になった結葉を、偉央が見たこともない冷ややかな目で見下ろす。「門限を破った上に、男が居ただなんて僕、聞いてないんだけど? 女子会だって言うから安心して結葉を送り出してたのにね。何で男と合流する前に、大丈夫かどうか僕に許可が取れないの? 携帯、ちゃんと持たせてたよね?」 いつもは優しく穏やかな偉央に、息が詰まるほどの力で首に手をかけられたことが信じられなくて――。  結葉は一生懸命偉央の手を握って涙目で「離して欲しい」と訴えた。 でも、その様を当然の報いだとでも言いたげに、偉央は冷ややかに見つめてくるだけで。「僕はね、結葉。キミが可愛くて仕方がないんだよ。キミとふたりきりの暮らしを守るために細心の注意だって払ってる。だけど――」 そこで、結葉の首をさらに強い力でグッと押さえつけて、偉央が彼女の唇を塞いだ。「……んっ、ぁっ」 偉央は、酸素を求めて小さく喘ぐ結葉の口を割って舌を侵入させると、彼女の口の端から唾液が落ちるのもお構いなしに口腔内を蹂躙する。 息苦しさに結葉の身体から力が抜け、意識を失いかけた頃、やっと偉央が結葉を解放してくれて。「|結葉
last updateLast Updated : 2026-07-29
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10.厳しい管理下④

 きっと今夜、結葉は琳奈からの電話について、偉央から問い質される。 琳奈が、結葉も同窓会に参加すると伝えてしまうことになってしまった今、結葉の前には乗り越えなければならない問題が山積みになってしまったように思えた。(同窓会、すっぽかしたら琳奈の顔に泥を塗ることになっちゃうかな)(当日に、体調が悪くなって行けなくなっちゃった……とか連絡するのはどうだろう。ドタキャンはダメかな)(今夜の偉央さんからの尋問を乗り越えるだけでも無理な気がするのに、私、どうすればいいの?)(偉央さんに素直に……話す? でも、成り行きとはいえ同窓会に行くことにされてしまったって言ったら、結局彼を怒らせてしまうよね。怖い……) 結葉の頭の中はそんな考えで一杯になった。 とにかく結葉は、偉央の機嫌を損ねてしまうことが、怖くて堪らないのだ。 *** 「結葉、今日は元気がないみたいだけど……僕がいない間に何かあった? 家電の着信履歴に見慣れない携帯番号が残ってたけど、もしかしてそのせい?」 夕飯の時。 偉央にそう聞かれた結葉はビクッと肩を跳ねさせた。 自分では表に出しているつもりはなかったけれど、偉央は結葉の変化にとても敏感だ。  それはひとえに結葉のことを愛しているが故なのだが、秘密事を抱えた今の結葉には、偉央のその目が恐怖でしかなくて。「あ、あのっ……実は……」 箸を持つ手にギュッと力を込めて、結葉は緊張のあまりカラカラになりそうな喉に、なけなしの唾液を飲み込んで潤した。「今日幼なじみの琳奈ちゃんから電話があって……。その、ど、同窓会に誘われたんです」 何とか搾り出すようにそう言ったら、偉央が筑前煮を取り分けた小鉢に手を伸ばしながら
last updateLast Updated : 2026-07-29
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10.厳しい管理下⑤

 こんなに息が詰まりそうな生活をしていても尚、結葉は偉央が優しくしてくれればときめくし、今の生活を破綻させてまで、偉央を裏切ろうとは思わないのだ。 *** 湯呑みから湯気の燻る香ばしいお茶をひと口飲むと、結葉は小さく吐息をついて、恐る恐る切り出した。「同窓会。昼間にほんの二時間ぐらいの軽いものだからおいでって誘われて……それで」 しどろもどろでそこまで言ったと同時、結葉の言葉を遮るようにして「その同窓会は大学の?」 と、偉央が問うてきた。 こちらには視線を向けないままに落ち着いた低音ボイスで尋ねられて、結葉はドキッとしてしまう。 結葉が通ったのは私立のミッション系の女子大だ。  とどのつまり偉央が言っているのは、その場に男がいるか否かということに他ならないのだと、結葉は瞬時に理解した。 「ごめ、なさっ。大学の、ではなくて……。その……ちゅ、中学の頃ので――」 同年代の男の子たちも参加するものなのだ、と結葉は偉央に告白する。「そっか。じゃあ、もちろん断ったよね?」 偉央が、結葉を男性のいる場に出させたくないと意思表示をすることは、自明の理だ。 〝そのことは、結葉も偉央との三年間に及ぶ婚姻生活で嫌と言うほど身にしみているはずだよね?〟と言外に含ませる偉央に、結葉は言葉を失ってしまう。 「あ、あの……私、一度はちゃんとお断りをして……それでっ」 湯呑みを持つ手がふるふると震えて、中のお茶が小刻みに揺れて細波を立てた。 それを泣きそうになりながらじっと見つめる結葉は、偉央の方を怖くて見られない。 「つまり、お断りはしたけどゴリ押しされて行くことにされたって理解したんでいい?」 偉央の声
last updateLast Updated : 2026-07-29
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