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濃煙の果てに、愛は灰となった

濃煙の果てに、愛は灰となった

授賞式の夜、消防隊長である彼氏の久保大介(くぼ だいすけ)は、控室で電話を受けたきり、煙のように消えてしまった。 残されたのは私、和泉夏希(いずみ なつき)ひとり。ドレス姿のまま壇上に立ち、彼の代わりに「年間最優秀消防士」の表彰盾を受け取った。 司会者がにやりと笑いながら言う。「久保隊長の胸の内には、名誉よりも大切な方がいらっしゃるようですね」 どっと沸く会場の笑い声。私はただ立ち尽くし、手足の先がじんじんと冷えていくのを感じていた。 家に戻っても、彼が帰ってくることはなかった。出迎えたのは、鼻を突くガスの臭いだった。 次の瞬間、激しい爆発が家を襲った―― 瓦礫の中から近所の人に助け出されたとき、スマホに一枚の写真が届いた。 寮のベッドで、大介が上半身裸のまま横たわっている。その寝顔は、驚くほど穏やかだった。 一言メッセージが添えてあった――【隊長ったらもうヘトヘトで、今夜は帰れないって。「あいつがいれば、家のことは心配ない」って言ってたよ】
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那知神山のハクサンコザクラ

那知神山のハクサンコザクラ

心臓を逸生に移植してから五年後、私は人工心臓の拒絶反応で病室のベッドの上で息を引き取った。 意識が消えていくその瞬間、閻魔の声が耳元に響いた。 「笹本千遥――おまえに執着する者が人間界にいるせいで、おまえは輪廻に入れぬ。 五日の猶予を与える。その間に現世へ戻り、執念を解け」 再び目を開けたとき、私は死の五日前に戻っていた。 手には北東部行きの乗車券が握られている。 逸生とは三十歳になったら神山で結婚式を挙げようと約束していた。 前の人生では、その切符を病院のゴミ箱に捨ててしまった。 だが今回は、人でごった返す駅で列車に乗り込んだ。 まさか列車に乗り込んだ時に、同じく北東部へ向かう逸生と、彼の婚約者に出会うとは思わなかった。
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心臓をささげてから、新しい人生へ

心臓をささげてから、新しい人生へ

「宿主、本当西園寺月美(さいえんじ つきみ)に心臓を提供するつもりですか? 宿主は攻略者だから、任務が終わるまでは本当に死ぬことはありません。でも、今の体から心臓を失えば、それは死刑宣告と同じですよ。 私はその後、新しい体を探してあげますけど、その間で宿主は苦しい臨死体験を味わうことになります」 西園寺節美(さいえんじ せつみ)は無表情のまま、冷静に答えた。 「わかってる」 深尾廷悟(ふかお ていご)が常にその話題を避けていた。 でも、彼女にはわかっていた。月美を救うには、自分が死ななければならないことを。
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風に消えた恋

風に消えた恋

白木夏希(しらき なつき)は先天性の不妊症だった。それでも夫は「たとえ一生子どもを持たないとしても、必ず君を妻にする」と言って結婚した。 しかし、結婚して五年後、夫の浮気スキャンダルがTwitterで炎上した。彼は後悔しきりで夏希に詫びた。「敵に薬を盛られただけだ。あの夜のことは何も覚えていない」と。 そして十ヶ月後、夫は突然、双子の赤ちゃんを連れて帰ってきた。 その子に母乳を飲ませていたのは、夏希の大学時代のルームメイト、つまり、あの一夜を共にした女だった。
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あいにく春はもう終わっていた

あいにく春はもう終わっていた

「ミス・ワールド」の応募締め切りの最後の瞬間に、私はやっと決心して送信ボタンを押した。 10分前、私は日向南人(ひなた みなと)の肩にもたれかかって結婚写真を選んでいた。 私は胸を弾ませながら、これがどうかと彼に写真を差し出した。 しかし、彼は突然、私を強く押しのけると、背筋をぴんと伸ばし、スマホから目を離さなかった。 「心音……自殺する」 私が反応する間もなく、南人は慌てて病院へ向かった。 自分の伸ばした手を見て、私は突然、この数年一緒にいても全然意味がなかったと思った。 3年前、木村心音(きむら ここね)の兄は南人をかばって刺され、命を落とした。 それ以来、彼女は私たちが一緒になるのを阻止するため、ありとあらゆる口実を繰り出してきた。 これが、666番目の口実だ。
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妻を「汚い」と捨てた夫。真実を知り嫉妬に狂う

妻を「汚い」と捨てた夫。真実を知り嫉妬に狂う

九条瑠璃(くじょう るり)と九条蓮(くじょう れん)が結婚して5年目のこと。瑠璃のもとに、親友から一枚の写真が送られてきた。 写真の中には、華やかなイルミネーションを背景に並んで立ち、同じ夜空を見上げている、蓮と彼の秘書である江崎奈美(えざき なみ)の姿があった。 友人からはこう添えられていた。【瑠璃、この奈美っていう女には気をつけたほうがいいと思う】 瑠璃は写真を数秒見つめると、思わず笑ってしまった。そして、軽い調子で返信する。【大丈夫。世の中の男が全員浮気しても、蓮だけはしないから】 そう言い切れるだけの自信が、瑠璃にはあった。 蓮は九条家の御曹司として知られる存在だが、その彼が瑠璃を心から愛していることは、周囲の誰もが知っていたし、奈美の美貌も雰囲気も育ちも、瑠璃と比べればかなり見劣りする。少なくとも瑠璃には、奈美が自分たちの関係を揺るがす存在だとは思えなかった。 瑠璃はスマホを置き、再び花を生け始める。この時はまだ、親友からの忠告を気に留めていなかった。 だが3日後の夜。蓮がシャワーを浴びている時に、ベッドサイドに置かれた彼の携帯の画面がふっと光った。ラインの通知だ。 瑠璃は覗き見るつもりはなく、ただ何気なく視線を向けただけだった。しかしその瞬間、彼女の目は画面に釘付けになった。 それは、奈美からの連絡だった。 そして、蓮が彼女につけていた登録名は――「いい子ちゃん」
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新しいパパとママとの巡り会い

新しいパパとママとの巡り会い

正月の前夜、私が窓をちゃんと閉めなかったせいで、妹がくしゃみをした。 父の楚山太郎(そやま たろう)と母の麻里子(まりこ)は怒って、私を家から蹴り出し、真っ暗な中で薪を拾ってこいと命じた。 家の中では家族が集まり、笑いながら妹にお年玉を渡している。 私は泣きもせず、騒ぎもせず、慣れた手つきで背負い籠を背に、風雪の中を山へ向かった。 けれど薪は見つからず、代わりに男を見つけてしまった。 彼の脚は岩の隙間に挟まれ、血まみれで見るからに痛々しい。 私に気づいた彼は、かすれた声で言った。 「お嬢ちゃん、俺を助け出してくれたら、何でも望みを叶えてやる」 私はぼんやりと顔を上げ、視線を合わせた。 「本当に?じゃあ、私のお父さんになってほしい」
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7年の愛、死んだ君はもう振り向いてくれない

7年の愛、死んだ君はもう振り向いてくれない

会社の飲み会で、同僚たちは「彼氏に電話してお金を振り込んでもらえるかチャレンジ」を始めた。 誰の彼氏が一番気前よく送金してくれるか、誰が一番早く電話に出るかを競うのだ。 案の定、私・一ノ瀬夕奈(いちのせ ゆうな)は今回も最下位だった。 「一ノ瀬さん、そんなの気にしなくていいですよ。社長はぶっきらぼうだけど、お金はあるんですから!」 みんながそう言って取りなしてくれて、暗黙の了解で昔話は伏せられた。 例えば、諏訪涼介(すわ りょうすけ)と創業して7年経つのに、彼が一度も結婚の話をしないこと。 会社の株を役員に分けた際、私が最後の一人だったこと。 私が胃がんだと診断された日だって、親友だけが付き添ってくれた。 私は小さく笑うだけで、特に反応しなかった。 視線の先では、新人の小林夏希(こばやし なつき)がスマホをきつく握りしめて困った顔をしている。 「私はやめておきます。相手が出張中で、とても忙しいんです」 気まずい雰囲気の中、夏希を助けようと、私は手を伸ばして代わりに電話をかけ、スピーカーに切り替えた。 誰も出ないと思ったその電話は、すぐにつながった。 広い個室に、しんとした静寂が広がる。 電話から流れてきたのは、他でもない。ぶっきらぼうな私の恋人、涼介の優しい声だった。 「ミモザの日のプレゼント、もう届いたかい?」
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十年追いかけた愛は嘘だった

十年追いかけた愛は嘘だった

十年前、白野修二(しらの しゅうじ)は白野家と決別し、藤田夏美(ふじた なつみ)を連れて駆け落ちした。 今では成功を手にし、海崎市中の花火を買い占め、世紀の結婚式を企画している。 誰もが夏美が賭けに勝ったと羨んでいた。 修二は彼女の髪に口づけし、深い眼差しで尋ねる。 「夏美、この結婚式のために一年かけて準備したんだ。楽しみにしてるか?」 夏美は小さく頷いた。 たしかに楽しみだ――修二の兄に嫁ぐことを。
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夕風に散る過去

夕風に散る過去

朝霧澄華(あさぎりすみか)が三十歳の誕生日に願ったのは、海外出張中の久遠雅彦(くおんまさひこ)に会うことだった。 玄関の扉が突然開いたその瞬間——澄華が声を発する暇もなく、彼女は窓ガラスに押し付けられていた。 「雅彦……」振り返った澄華は、息を荒げながら彼を見上げた。「私、三十歳になったの。私たち、もう三年付き合ってる。そろそろ、結婚したいの」 愛し合ったあと、雅彦は煙草をくゆらせながら、優しく澄華を抱き寄せた。 「澄華……俺の事情は分かってるだろ。家の決めた政略結婚には、できるだけ逆らうつもりだ。でも、今はまだタイミングじゃない。安心しろよ、俺はお前なしじゃ生きていけない。それだけは、ずっと変わらないから」 ——だが、澄華がこの目で見たのは、雅彦にすでに婚約者がいるという現実だった。しかも彼は、友人の前では澄華のことを「ババア」と嘲笑っていた。その瞬間、澄華の中で何かが音を立てて崩れた。 「お母さん、お見合いの話……してたよね。受けることにする」 雅彦、あなたと私の間には、山と川が隔てているように——二度と交わることはないのよ。
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