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ジャン、合図を送る

مؤلف: 結城慎二
last update تاريخ النشر: 2026-07-25 18:00:02

 何も知らない野盗は男の先導で正面門から入ってくる。

 準備の整った村はしんと静まり返っているので寝静まっているものとたかをくくっているのか、辺りに気を配るような慎重さに欠けている。

 さすが野盗だ。

 いいぞいいぞ、その調子だ。

 十九人のうち二人が出入り口となる門を見張る役のようだ。

 ふむ、さすがにそこまで抜けちゃいないか。

 でも、これは想定内だ。

 いや、むしろこちら側にとって好都合というものだ。

 僕は櫓の中で合図用の小石を手に取り、奥へと進む野盗たちとの距離を測る。

 なにせ相手は荒くれた十九人の男たちだ。

 近すぎると四対十九と圧倒的に不利になる。

 遠すぎると村の主戦力三人を欠いた迎撃隊が不利になりかねない。

 もちろん、ただの村人でも野盗に対抗するための戦術は用意している。

 けど、はらの据わった野盗相手に善良な村人が命懸けの戦いで気合い負けしないとも限らない。

 できれば敵戦力を二分したい。

 五十シャ
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     ルダーを連れ立って僕は館に戻る。  館につくとザイーダが現れた。「なにかあったのか?」「いえ、御用がおありかと」 よく気がつきますこと。「じゃあ、イラードを呼んできてもらえないかな?」「ワタシならここに」 うおっ!  後ろから突然声をかけてこないでくれ。「じゃあ、みんな中へ」 と三人を招き入れる。  館の一階は基本的にはこの世界の常識にならって土足でいいのだけど、二階と奥座敷は土足禁止になっている。  その奥座敷には囲炉裏が切ってあって常時火種を絶やさない。  その囲炉裏に炭をくべ水を入れた深鍋を乗せる。  お茶が欲しいなぁ……。  他の地域がどうか知らないけど、この村では昔から水を沸かして飲んでいた。  白湯であったり湯冷ましであったり、基本生水は飲まない。  この季節ならダリプの果汁が子供達に人気だった。  大人たちはまぁダリプ酒を昼日中から飲んでた。  原始的な醸造だからか、甘くてアルコール分低めなので水のようにがぶがぶ飲めてしまえる。  けど今は、僕の前世知識から平日は仕事中に飲んではいけないことにしている。  アルコールは脱水を促すし、肝臓に悪いしね。  ルダーが四人分のカップを持ってくる。  勝手知ったる他人の家ってやつか?  ザイーダは野生のスタベラをジャムにしたものを湯の中に入れる。  甘酸っぱくて疲れた体になかなか効果がある。  そうか、日本茶的なのは難しくてもハーブティー的なものなら飲めるかもしれない。「ルダー、ハーブティー的なものってできそう?」「ん? 食える草はいくつかあるけど、うまい飲み物になるかどうかは……」「アニーたちと一緒に試してみてよ」「んーん……まぁ、来年な」 あ。  そろそろ冬枯れの時期か。  仕方ないな、本題に入ろう。

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