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108話

last update Date de publication: 2026-07-12 09:59:14

「はい、そこまで。」

巴が、パンっと手を叩く。

それから、

「かすみちゃん、部屋に案内するわ。着いてきて。」

そう、かすみに微笑みかける。

弥一は身を乗り出すと、

「まだ話が済んでないんですけど!」

そんな弥一の肩にジョンは手を置くと、

「弥一、醜い嫉妬はnonsenseだ。」

「そういうこと!」と、巴もジョンの意見に同意し、再度かすみに振り返ると、

「さ、行きましょう!」

そう手を差し出す。

かすみがその手を取ると、巴はかすみの手を自身の腕に絡めるようにして、リビングを後にした。

「見た?あの二人の仲良く手を取り合う様子!まるで娘がもう一人出来たみたいな気分だよ。僕感動しちゃった。」

と、ジョンは胸に手を当て、目元を潤める。

確かに、その点に関しては弥一自身ほっこりしたので同意するとしてー

「あんなの絶対デートじゃん。」

そう意気消沈すると、リビングのテーブルに突っ伏した。

と、弥一の携帯電話がメッセージを受信する。

突っ伏したままで、弥一はパンツのポケットを漁るとそこから携帯電話を取り出した。そして、顔の
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    「ナポリタンすっごく美味しかったね!」 喫茶店を出た弥一は、そう言ってかすみに振り返った。 そして、そんな弥一の目に、かすみがかばんから財布を手に取る姿が映ったので、 「かすみさん、お金なら要らないよ?」 喫茶店の代金は弥一が払った。 もちろん、そうしたかったからだった。 この喫茶店では支払いの際にクレジットカードが使えなかったのだが、弥一は現金をいくらか持ち歩くようにしていたので問題なかった。 「いえ、年下の方に奢らせるわけにはいきません。せめて自分の分だけでも払わせてください。」 弥一はかすみを真っ直ぐに見つめると、 「かすみさんのそういう、人を頼らない自立心?すごくかっこいいと思うよ。俺は、小さい頃からお金は男が払うものだって教わってきたし、なんなら俺って結構お金持ちなほうじゃない?だから一層、払って当然だって思うし、思われてると思う。そんな俺にとって、自分の分は自分で、って徹底してるかすみさんはかっこいいよ。」 弥一に褒められたかすみは、照れたように笑った。 だが、次に弥一はかすみと目線を合わせるべく、少しかがんでみせると、 「けど、俺はかすみさんのことが好きな男だからさ。好きな人からは頼られたいし、デートの時はお金を払いたいもんなんだよ。例え自分のほうが年下だといえどもね。知らなかった?」 弥一のストレートな言葉に、かすみは嬉しいのと恥ずかしいのとで、目が泳いでしまう。 「ーどうしてこんなおばさんを?前にも言いましたが、御子柴さんなら引くて数多です。わざわざこんなのを選ばなくても。」 弥一は小さく笑うと、 「かすみさんって、自分に自信がないみたいに言うけど、いつも意外だなって思ってたんだ。」 「え?」 「だって、かすみさんってかなり我が強いじゃない?俺と会わないようにしようって決めたら、同じ家に住んでても本当に会えないし、この日に出ていくって決めたら、そうしちゃうからさ。我の強い人だな、ってずっとそう思ってたよ。」 「それは、その。すみませんでした。」 「ごめん、ごめん。謝らせるような言い方しちゃった。けどね。過去の自分のせいだって分かってても、好きな人がある日忽然と姿を消しちゃったっていうのは、俺の中でも今もかなりのトラウマでー」 「本当に申し訳ありませんでした。」

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  • 君に触れたい〜逃した未来は大きかった〜   4話

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  • 君に触れたい〜逃した未来は大きかった〜   2話

    見知らぬ女の唐突の挨拶に面食らった弥一はしばらくお辞儀したままの女を見つめていたが、女が顔を上げて再度自分と目が合うと、すぐさまハッとしたように我に返って女の挨拶を無視して八重子に向かって言った。 「おばあさま、誰ですかこの人?てか、何なんですかこの状況!」 そう尋ねながら、ちらりと女を見る。 その後、弥一は女のそばに寄りたくないのを隠す様子もなく、女から距離を取るようにわざと迂回して八重子に近づいていった。 その様子を見ていた八重子はこちらも不快な気持ちを一切隠すことなく、ありありとその顔に浮かべると、 「あんたみたいな女の見る目もなければ礼儀もなってないような人間を孫

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