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21話

مؤلف: 佐伯れもん
last update تاريخ النشر: 2026-04-29 12:42:06

今度は弥一が慌てる番だった。

早苗に香水臭い上着を着ていることで冷たい目を向けられるのを避ける為に脱いだ上着だったが、脱いどいて正解だったと思った。

と、言うのもー

かすみに他の女性の存在を気取られるのは避けたい、とそう思ったからだった。

たが、なぜそう思うのかは自分でもわからなかった。

きっと、早苗のような視線を彼女にも向けられるとなったら癪に障るからだろうと、そう思うことにした。

なので彼は頭をフル回転させると、「お酒のせいで身体が熱くなったんだ。だから脱いだ。」と、最もらしい意見を述べる。

かすみは「そうだったんですね。」と頷くと、「接待お疲れさまでした。いつものをご用意してありますので、どうぞダイニングにてお召し上がり下さい。」と言った。

弥一は唇を噛んで「うん。」と答えると、革靴からスリッパに履き替える。

そして、かすみが開けてくれたドアからリビングへと入っていった。

ドアノブに手を掛けたまま、弥一が通り抜ける様を伏し目がちに見ていたかすみだったが、ふと目線を上げた先で、弥一の首の襟元にべったりと付いた口紅の跡を見つけてしまう。

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