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最後に一度だけ

作者: 影畑凛星
last update 公開日: 2026-06-22 19:27:18

 その日の夜。

 佳苗はリビングのソファで参考書を開いていた。

 昼間はあまり集中できなかったが、三浦と話したことで気持ちが整理された気がする。

 問題集に視線を落とす。

 数問解いたところで、テーブルの上のスマートフォンが震えた。

 雄吾だ。

 仕事関係の連絡だったらしい。

 短く返信を打ち込み、画面を閉じる。

 だが数秒後。

 再び通知音が鳴った。

 今度は別の相手らしい。

 雄吾が画面を見て小さく眉をひそめる。

「三浦か」

 佳苗は顔を上げた。

 何となく予想がつく。

 雄吾はメッセージを読み終えると、スマートフォンをテーブルへ置いた。

「向こうから返事が来た」

 佳苗は静かに待つ。

「会うなら一回だけでいいらしい」

 予想通りだった。

 佳苗は驚かなかった。

「悟さんが?」

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