Share

9.陛下と私

Penulis: satomi
last update Terakhir Diperbarui: 2025-11-06 09:03:30

 予想通りの広まりの速さを見せたウワサ。

 私は陛下に呼ばれることとなりました。

 謁見の間で話すほどの事でもないので、城内の応接室で話すこととなりました。

 応接室といえどもかなりの広さがあります。やはり家具が煌めいています。

「城内で噂になっていることは知っているな?」

「はい。私が男を私室に引き込んだとか?ですよね。訂正させていただきます。その男というのはブロック殿下です。私が狼化をした殿下の散歩をしていた所、狼化をした殿下が発光し、狼化が解け、全裸の人間となりそうだったので、急遽私の部屋の私のベッドに押し込みました。その後、私は部屋を留守にし、ガイヤード様とシルフ様に助けを求めました。なにしろ全裸ですからね。殿下としての衣服なんかを調達しに行ったのです。その時に運悪く、近くの部屋の侍女仲間がわからない問題を私に聞きに来たらしいです。噂を広めたのは彼女ですねぇ。侍女というのは噂好きですから」

「ふむ。‘散歩’というのは?」

「首輪とか全くつけていませんでしたけど(殿下だし)、王城内で散歩でもできれば、狼として私が撫でたり、ボールとかで遊んだりするよりもいいかな?って誘ってみたんです。実際ご機嫌でした。終始尻尾を振ってましたよ?」

「うんうん随分懐いているんだな」

「おかげさまで。私が趣味で作った狼の縫いぐるみもイイ感じで完成度が高くなっています!」

「貴殿……。そんなものを……」

 陛下も呆れていますか?

「私はなぁ、ヘレン嬢と息子の婚約破棄は失敗だったかと思っているんだ。あの場で息子の体質を伝えていたら良かったかなぁ?と後悔することが多々あるのだよ」

「何を仰いますか!私はこの処遇で満足しております!日々狼化した殿下と戯れる職場!素敵じゃないですか!もしあの時聞いていても、狼化した殿下が懐いてくれたかはわかりません。自信がありません」

 そうなんだよね。殿下と特別親しかったわけじゃないし、形ばかりの婚約者って感じかなぁ?そんな状態で、懐いてくれたか本当にわからない。手を出した瞬間に噛み千切られそう……。

「無事に殿下が元に戻れて良かったです」

「ヘレン嬢は、噂の事は気にしないのか?」

「噂はそのうち消えるでしょう?殿下が無事だった事の方が重要ですよ」

「それにしても…あのお堅い男が狼化するとヘレン嬢にお腹を撫でられたり、ボール遊びに散歩か!」

「『取ってこ
Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi
Bab Terkunci
Komen (1)
goodnovel comment avatar
buchi
そうだよね!動物がお腹を見せるのは、絶対服従の合図だしね^o^。睨めっこに勝ったのも大きいよね笑笑。
LIHAT SEMUA KOMENTAR

Bab terbaru

  • 婚約破棄したら殿下は狼男だった。   24.お茶会

     昔は王妃殿下に媚薬を盛られたりしたなぁ。懐かしい思い出よね。でも、それでライルを授かったんだからそれもアリかしら? あ、エヴァンス嬢と王妃様にお茶のお誘いの手紙を出さないと!議題は『夫婦のカタチ』よ! 王妃様……エヴァンス嬢に媚薬盛らないわよね?あの二人は若いからそのうち子供出来ると思うけど。「王太子妃殿下?いらっしゃいますか?エヴァンスです」 あらまあ他人行儀。「やだわ、エヴァンス嬢。‘お義母様’って呼んでよ~。王太子妃殿下なんて長いじゃない!で、どうしたの?」 やや赤面した感じね。「あのー。新婚というのはどういう感じなのですか?」「私も昔王妃殿下に聞いたわ~。誰しもが通る道って感じね。王妃殿下は毎日陛下が尻尾とか耳とか出して途中で完全に狼化しないかドキドキだったみたいよ。で、朝に人の姿でスヤスヤ寝てる姿を見ると安心するんですって。私もそんな感じかなぁ」「そういうもんなのですか?」「そういうもののようよ。他に何か質問はある?」「新婚期間てどのくらいなのですか?」「一般的には3か月って言われてるけど、人それぞれかなぁ?私はそのくらいだったけど、淡白な人だったら初夜で終わりって人もいるかも」「それはそれで新婚なのに……ってなりますね」「あ、そういえば私とエヴァンス嬢と王妃殿下でお茶会しようと思ってお誘いの手紙を送ったんだけど届いているかしら?新婚さんだからってライルが握りつぶしてたりしないわよね?」「ライル様ならあり得るかもです。独占欲が強いようで……」 赤面で恥ずかしがるエヴァンス嬢は可愛いわね。ライルの気持ちもわかるけど、母の気持ちもわかってほしいわ。エヴァンス嬢をいびろうとしているわけじゃないし。「口頭で伝えるわ。来月の3日に王宮の庭でお茶会をします。是非参加してください。ライルが不参加の返事を出している可能性もあるわね」 ライルの独占欲なんかきつそう。しかも今は新婚だし。「あ、無理しなくていいからね!ライルと仲良くしてね!仲良くしてくれてありがとう」 あのテーマならエヴァンス嬢がいなくてもいいのよね。むしろ新婚さんに聞かせる話の内容じゃないのかも『夫婦のカタチ』。   お茶会でやっぱり王妃殿下はエヴァンス嬢のお茶に媚薬を盛るつもりだったみたいで、彼女の不参加に残念そうでした。「ライルとエヴァンス嬢の披露宴の時

  • 婚約破棄したら殿下は狼男だった。   23.夫婦のカタチ

     シルフ様のところに行きました。シルフ様も見目がよろしいのですからこのような場所では女性が寄ってきそうな感じがしますが、シルフ様の付近がなんだか冷たい空気なのでちかよりがたいのでしょうか?私は構わずに行きます。「シルフ様、ごきげんよう。奥様は一緒ではないのですか?ああ、アレならそこら辺にいるだろう」 なに?その投げやり。「夫婦は一緒だと思ったのですが?」「貴女は今まさに、ブロック様と別行動をしてるじゃありませんか?」 何も言えません。「放っておいていいのですか?」「私は、ナイジェル家に子孫が残ればいいのです」「奥様がふらふらとどこの馬の骨かとわからない男の子供を妊娠するかもわかりませんよ?」「ああ、それは大丈夫です。護衛のフリして、監視をしていますから」 コワっ。「おそくなりましたが、王子殿下のご成婚おめでとうございます」「ありがとうございます。当の二人は疲れたんでしょうね。とっくに別室に下がってますよ」 いろいろと夫婦の形というのはあるものだと思いました。貴族ならばこのような場所ならばともにいると思ったのですが、己を思えば別行動をしているのでなんとも言えないですね。「あ、ブロック様!ガイヤード様の奥様には会えました。二人はラブラブですね。シルフ様は子孫が残ればいい。と言ってますがどうなんでしょう?」「シルフの愛のカタチがあれなんだろう。あれでも奥さんを大事にしているんだ。貴族ならこういう場ではラブラブしておいて、一歩家に帰れば触らないでみたいな夫婦だってあるから、一概にどうとか言えないぞ」 はぁ、難しいんだなぁ。今度王妃様とエヴァンス嬢とお話しよう。 その頃、別室の二人は大変なことになっていました。「きゃ~、ライル様可愛い‼‼ドレスが汚れちゃうじゃないですか、汚れてもいい服に着替えるので待っててくださいね!」 ライルは待ての状態で待つことになりました。 ――――ここに汚れてもいい服あるかな?うーん、バスローブしかないけど何もきてないよりいいよね…。「お待たせ~」「何て格好をしているんだ?」「それはライル様の方ですよ!ご自分の格好を見て下さい!」 ライルは狼化から人に戻った時に服を着るのを忘れていました。「まだ、バスローブがありましたからそちらを着るなりしてください!」 バスローブを着た若い男女が二人……。「な

  • 婚約破棄したら殿下は狼男だった。   22.ライルの結婚

     ライルとエヴァンス嬢の結婚式はあの黄ばんだドレスではなく、真新しい真っ白のドレスを着てもらう事にしました。 代々伝わってもらうのは、婚約指輪にしましょうと王妃殿下と相談しました。「結婚後は結婚指輪をするでしょうから、婚約指輪は王家の宝物庫にでも入れておけばいいのよ」と、王妃殿下は仰っていました。豪気な方だなぁといつも思います。 私もエヴァンス嬢に‘お義母様’って呼ばれたいなぁ。などと思うのですね。これは義母の心というものでしょうか? あ、そうそうガードナー伯爵家ですが、長年に渡りエヴァンス嬢を虐げてきたという事実を突き止め、降爵ということになりました。今は子爵家でしたか?領地経営も碌にしていなかったことが発覚し、領地が没収され領地の少ない子爵家となっているハズです。  エヴァンス嬢は後ろ盾が弱くなるかと思いますが、そこは王家ですいつの間にやらエヴァンス嬢は王国内の公爵家の養子となっていました。 公爵家は王家との関りが強いといいますが、このようなことをしているからでしょうか?公爵家に臣下として下っているという話は聞いた事がありません。 ブロック様はどこで仔狼化する赤子を見たのでしょう?方便でしょうか?ライルが仔狼の姿となりモフモフできたので満足ですけれど。 ライルはドレス姿のエヴァンス嬢を見て、ドキドキしたようです。 結婚式の参列者が王家の事情を知っている人間のみだけなのがよかったです。 このままだとライルが狼になってしまいます。「ライル、精神を何とか集中するのよ!完全に狼化しては式が数時間中断よ!」 と、私はライルに声をかけました。 ライルは本当に真面目に育ちました。犬耳と尻尾で耐えています。可愛いんですけど?モフモフしたい……。 隣でブロック様に咳払いをされてしまいました。「父上、アレはツッコミを入れていいものでしょうか?」「騎士道としてはどうかと思うが、ここは見守らなくてはならない」 ガイヤード様も大変なようです。 ガイヤード様もシルフ様も結婚してはいるけれど、奥様は王家の事情をご存じないので結婚式には参列を許可されていません。お二人の奥様を見たかったので、ライルの結婚の際にお会いしたかったのに残念です。「ライル様。お可愛らしい姿ですよ?」「精神を集中しているんだ。今は話しかけないでくれ!」 式は滞りなく終わりました

  • 婚約破棄したら殿下は狼男だった。   21.バイトちゃん3号

     エヴァンス嬢は強かった。昔、私はライルに負けちゃったんだよなぁ。その後のブロック様のおかげでライルよりも序列は上になったけど。 それにしても…エヴァンス嬢、眼力が半端ないわ。「まぁ、ライル様がお腹を見せてくれていますわ」「撫でてあげると喜ぶわよ?」「…そんな痴女のような真似」 恥じらうようなエヴァンス嬢は可愛いと思いますけど、私はその痴女のような真似をためらうことなく、全力で撫でてました……。 元の姿に戻った時、やはりライルは凹んでいた。「なんなの?ライル。昔はよく私と遊んでいたじゃない。今更よ」「成人してからの重みを感じているのです」  そんななので、ライルとエヴァンス嬢は正式に婚約をすることとなりました。「私もライル様をモデルとした縫いぐるみを作った方がいいのかしら?」「そんな趣味は母上だけでいい!」 あ、そんな趣味とか言われた……。バイトちゃん・改、返してくれないのに。「あー、でも。私達に子供が出来た時にその子に縫いぐるみを渡せたらと思います」「……」 それ以来ウォルフォード王国では王家に嫁いだものは、王家にて御子に自作の縫いぐるみを渡すという事が慣習化されました。 それによってウォルフォード王国の貴族の令嬢の嗜みとして縫いぐるみの作製が必須となりましたが、何故王家に嫁いだものが御子に自作の縫いぐるみを渡すのかは伝わりませんでした。 結局、エヴァンス嬢の気持ちを受け入れるような形となったライルは自分がモデルとなり、バイトちゃん3号を作る事となりました。「バイトちゃん3号は私が作製します!」 というエヴァンス嬢の情熱には負けてしまう。エヴァンス嬢には快くライルが協力するようで、簡単に狼化し、人に戻った時には筋肉の付き方などアドバイスをしていました。 私にはスパルタだったのに、エヴァンス嬢には甘いなぁと見ていました。微笑ましいです。 ライルの優しいアドバイスとエヴァンス嬢の情熱でバイトちゃん3号は予想よりも早く完成しました。「あら、これは二人にさっさと結婚してしまえという事かしら?」 と、私が言うと二人とも俯いて赤面してしまいました。ライルにいたっては精神が乱れまくって、狼化するようですがこの場にはライルよりも序列が下の者はいません。 ブロック様に私、エヴァンス嬢。そしてライルですので序列でライルが下となります

  • 婚約破棄したら殿下は狼男だった。   20.ライルの秘密

    「いらっしゃい、エヴァンス嬢!今日は大事な話があるのよ~。実は、ライルなんだけど、精神が乱れると狼化するのよ~。嘘みたいでしょ?でも、バイトちゃん2号の子供の方はライルが小さい時の筋肉の感じを参考にしてるわ。あ、誰でも触れるわけじゃないのよ?」「お母様だからですか?」「違う違う!野生だもの。睨めっこよ。睨めっこに勝った方が序列で上になるの。バイトちゃん・改はブロック様を参考にしてるわ。あ、痴女みたいでしょ?私も思ったわよ?でもそこは「狼が相手」って気をしっかり持ったのよ。ちなみに、ライルはバイトちゃん・改を赤子の時から一緒にいたから大好きなのよ~。私が狼を嫌いにならないようにって無理矢理傍に置いたんだけど」 ガイヤード様もシルフ様もブロック様まで反対したわね。懐かしいわ。「ブロック様が狼化した自分の事を嫌いだったみたいで、そんな風にならないように、傍においてたの。そしたら私に譲ってくれなくて、そんなだからバイトちゃん2号とその子を作製。ライルにも協力してもらったわ。ライルがスパルタでね。なかなか作製したものにOK出してくれないのよ。「きんにくのつきかたがちがう」とか?」「大変だったんですね」「そうなのよ。小さい子って残酷よね。無邪気に言ってくるから、こっちにはグサっと刺さるのよ」「それで、この物語は終了ですか?もっとなんかこうグッとくるものがあるといいんですけどね」 エヴァンス嬢が信じてくれない……。そうだよね、荒唐無稽な話だものね。そんなこともあると思ってブロック様の許可は貰ってるわよ!「ライルはいるかしら?誰か、ライルを呼んできてくれる?」 しばらくするとライルが着ました。「母上、なんの用ですか?今、私はガイヤードに剣術を教えてもらっていた所だったんだけど?」 やっぱり上に立つものは強くないとね。軟弱なトップって嫌ですよ。「エヴァンス嬢にライルのというか王家の呪い(私は可愛いから好きなんだけど)の話をしたんだけど、信じてくれないのよ」「はぁ、それで母上は百聞は一見に如かずと思っているのですか?」「流石ライルね~!ご名答よ」「私の精神が乱れない限りは……」「ライル……残念なことだけど、エヴァンス嬢に話すってだけで動揺したのかしら?耳が可愛らしいわよ?」 ライルは自分の耳が頭の上から生えている事、尻尾が生えている事を確認しまし

  • 婚約破棄したら殿下は狼男だった。   19.ライルの今後

    「王太子妃様がその縫いぐるみを作ったんですの?素晴らしいわ。是非、うちの子(小型犬)をモデルにした縫いぐるみも作っていただきたいわぁ」 バイトちゃん・改とかを褒めればライルとの婚約の道が広がると思っているのかしら?そんな簡単なものじゃないけど?「私が作った縫いぐるみはどれだけリアルにできるかを追求していますの。私が作っている縫いぐるみは狼ですので猟師の方から毛皮を譲っていただき作っているんですけれど…貴女が飼っている仔犬の毛皮はありませんでしょう?作れませんわ。残念です」 わざとに残念そうに振舞う。それに小型犬と触れ合うのは面倒ですしね。無駄に吠えて煩いですし。大人しくしていませんもの。ブロック様やライルは本当に優秀なモデルでしたわ。「あら、急用が……大変。そうですの?急ぎ家に戻りますわ。すみませんが失礼いたします!」 本当に失礼なお方。向こうから私とのお茶会を望んできたというのに、向こうの勝手でお開きとするなんて。 おそらく、飼ってる仔犬の毛皮ってあたりで気分が悪くなったのかしら? 私も小型犬との触れ合いなんて嫌ですけど。 空いてしまった時間は王太子妃教育が終わったエヴァンス嬢とお茶会をすることとしました。「全く、小型犬の縫いぐるみなんか作りたくありませんわ、正直なところ」「そうですよね。小型犬の筋肉の付き方なんかどうでもいいとか思ってしまいますわ」「そうよね。見た目もそんなでもないし、筋肉あるの?とか思っちゃう」「わかりますわ。それで作るために触れあわなきゃとかサイテー。テンションも下がりますね」「そうなのよ!」 私は淑女にあるまじきことだけれど、テーブルを叩くようにして立ち上がってしまいました。「テンションって大事よね。バイトちゃんを作る時は針が指に刺さろうともよかったけど、テンションが下がってるときは針が刺さったらやる気もなくなるわ」「ですよね」 エヴァンス嬢ならライルの事情(王家の事情)を話してもいいんじゃないかと思うけど、ことは王家の事だから、ブロック様とも相談しようと思います。 その日の夕食の後、ブロック様に相談をしました。「私から相談があります。ライルの狼化するという事をエヴァンス嬢に話してもいいのではないかと思うのですがどうでしょうか?エヴァンス嬢は最初から大型犬が好きで、私の趣味(バイトちゃん作製)について

Bab Lainnya
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status