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第21話

Author: ASAMI
last update Last Updated: 2026-01-12 00:14:53

「おまえら!! 見て……んがっ…」

見てんじゃねー。

そう言ってしまう前に、私は慌てて先輩の口を両手でふさぐ。

先輩は、モゴモゴと声にならない声をあげている。

私の手から逃れた先輩は、眉間にしわを寄せて私を見下ろした。

「何してやがる」

「あ、いや、あの…」

「おまえの為にしてやったのに」

「あ、いや。 私は別に……」

ゴニョゴニョと口ごもると、『別に何だよ』と、さらに絡んできた。

「そんな事より、今からどこか行くんですよね?付き合いますよ」

状況が悪化しないうちにあからさまに話題を変え、先輩の腕を引いた。

もちろん。

周りの視線を避けるように、先輩の長身に隠れながら。

2人で肩を並べてやって来たのは、この前のファミレスだ。

先輩いわく、ここは昔から3人のたまり場だったらしい。

『金のない俺らが、唯一長時間居座れる場所』と、ちょっと可愛い事を言っていた。

「ところで、話しって?」

ここに来る途中、先輩は何やら真剣な表情で、私に話があると言っていた。

早速本題に入ると、先輩は『ああ……』と一拍置いて話し出した。

「レオの、事なんだけど」

私は、レオくんの?と、言葉をそのまま返した。

「あいつ、種目何にするって?」

種目と言われて、一瞬の何のことだかわからなかった。

私が眉間にしわを寄せていると

「クラスマッチだよ。そろそろ決める時期だろ」

先輩がコーヒーカップに口をつけながら言った。

「レオくんは、ソフトだったと思います」

「はっ? ソフト?」

少しコーヒーを吹きだす先輩。

「あいつが、ソフト?」

「ああ、でも、レオくんの意思じゃないですよ。レオくん、HRの間ずっと寝てたから。 あまりもののソフトに、自然と名前が」

私が苦笑しながら言うと、先輩は大きなため息をついた。

「ったく、あいつは……」

椅子の背もたれに全体重を預ける。

しばらくテーブルに指を打ちつけていた先輩は、突然私に視線を向けてきた。

「おまえは?」

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