Short
 浮気男を捨てて私は幸せになる

 浮気男を捨てて私は幸せになる

By:  十一Kumpleto
Language: Japanese
goodnovel4goodnovel
11Mga Kabanata
15.3Kviews
Basahin
Idagdag sa library

Share:  

Iulat
Buod
katalogo
I-scan ang code para mabasa sa App

私は結婚する。 けれど、九年付き合った彼、真田健司(さなだ けんじ)は、まだ何も知らない。 理由は一つ。彼が、離婚して戻ってきた元カノ、木下沙耶(きのした さや)の世話にかかりきりだからだ。まるで姫様を守るナイトのように、彼は何もかも肩代わりして動いている。 二人が顔を合わせた瞬間から、空気が甘く絡み合い、まるで失われた恋を取り戻したようだった。 彼は元カノを迎えるために、空輸で九千九百九十九本ものジュリエットローズを取り寄せ、部屋いっぱいに飾った。 「昔の約束だから」と誇らしげに言ったが、私が重度のバラ科アレルギーだということは、すっかり頭から抜け落ちていたようだ。 結果、私は救急車で搬送される羽目になった。 意識を取り戻した直後、私は両親にメッセージを送り、「お見合いをお願い」と頼んだ。

view more

Kabanata 1

第1話

私は結婚する。

けれど、九年付き合った彼、真田健司(さなだ けんじ)は、まだ何も知らない。

理由は一つ。彼が、離婚して戻ってきた元カノ、木下沙耶(きのした さや)の世話にかかりきりだからだ。まるで姫様を守るナイトのように、彼は何もかも肩代わりして動いている。

二人が顔を合わせた瞬間から、空気が甘く絡み合い、まるで失われた恋を取り戻したようだった。

彼は元カノを迎えるために、空輸で九千九百九十九本ものジュリエットローズを取り寄せ、部屋いっぱいに飾った。

「昔の約束だから」と誇らしげに言ったが、私が重度のバラ科アレルギーだということは、すっかり頭から抜け落ちていたようだ。

結果、私は救急車で搬送される羽目になった。

意識を取り戻した直後、私は両親にメッセージを送り、「お見合いをお願い」と頼んだ。

両親の動きは驚くほど早かった。

退院前にすでに何十人もの男性のプロフィールと写真、さらに十数通りの結婚式プランを送ってきた。最も古いプランは、数年前に用意されたものだった。

母からのメッセージには、こう書かれていた。

【美咲(みさき)、母さんも恋をしてきた人間だからわかるの。健司くんが本当にあんたを愛しているなら、九年も待たせたりしないわ。今、別れるのは正しい選択よ。

お相手も結婚式のプランもずっと前から考えていたの。娘の結婚式は必ず最高のものにしたいからね】

──やっぱり。健司が私を愛していないことなんて、他人から見れば明らかだった。

ただ私だけが、彼の作り上げた甘い幻想を壊したくなくて、現実から目を背けていた。

「ありがとう、母さん。結婚式はシンプルでいいから、相手も任せるよ」

「それなら羽生(はにゅう)家の長男はどうかしら?とても優秀でしっかりしている方よ。善は急げっていうし、式も五日後に決めましょう。あんたは帰ってくるだけでいいの」

「……何の話だ?結婚式って?」

振り返ると、ちょうど健司が帰ってきていた。

私は慌てて通話を切り、スマホの画面を消し、裏返して握りしめる。

彼が手を伸ばしてきたそのとき、彼自身のスマホが鳴り響いた。

静かな夜に、女の震える声が漏れ聞こえる。

「健司くん……あなたが帰ったあとすぐに元夫が来て、ドアを叩いてるの。どうしよう、すごく怖いわ……」

健司の眉が一瞬で寄った。

「沙耶ちゃん、ドアを開けちゃだめだ。寝室に入って鍵をかけて、通報もしておくんだ。俺がすぐ行くから」

言い終えるよりも早く、健司は駆け出していた。ドアすら閉めず、私を夜に置き去りにした。

以前の私なら、泣き崩れていただろう。けれど、今は胸の奥が不思議なほど静かだった。

私はスマホのロックを解除し、姉にひとこと送った。

──【姉さん、今度こそ結婚するよ】

両親よりも私を案じてくれたのは、姉だった。両親が海外赴任してからは、ずっと姉と暮らしてきた。

おかげでこの街に来て、健司と出会った。

あの日、知らない街で不審者に尾けられ、恐怖で立ち尽くした私を助けてくれたのが健司だった。彼は私の青春を照らす光に思えた。

しばらく経ち、姉が結婚することになった。これ以上姉に迷惑をかけたくない私に、健司が「一緒に住めば守ってやれる」と言ってくれて、姉と同じマンションの部屋を購入した。そして私も、姉の制止を振り切って彼と同棲を始めた。

──そして気づけば、九年。

私の「結婚する」というメッセージを見た姉から、すぐにビデオ通話が入った。

「やっとね!健司くんと九年も付き合ったんだもの、ようやくゴールインじゃない」

「……違うの。相手は健司じゃなくて、羽生家の長男。名前もまだ知らないけど、優秀だって母さんが言ってたわ」

画面の向こうで、姉は沈黙した。目に悔しさと哀しみが浮かぶ。

「……本当にいいの?九年も一緒だったのに」

私は微笑んで、頷いた。

「うん、九年も一緒にいたけど、付き合ってる感じがしなかった。同棲していたこの九年間は、ただの曖昧な関係のまま、ダラダラと過ごしてただけ……もう疲れちゃったの」

私の言葉に姉は驚いていたけれど、最後には「応援する」と言ってくれた。

通話を切ると同時に、航空券決済済みの通知が届く。私は五日後、この街を離れる便を手配していた。

翌日。持っていけない多肉植物をいくつか抱え、姉と待ち合わせた商業施設へ向かう。

合流するなり、「結婚祝いに布団一式を買ってあげる」と言って、姉は私を寝具売り場へ連れて行った。

──まさか、そこに健司と沙耶に鉢合わせるとは思わなかった。
Palawakin
Susunod na Kabanata
I-download

Pinakabagong kabanata

Higit pang Kabanata
Walang Komento
11 Kabanata
Galugarin at basahin ang magagandang nobela
Libreng basahin ang magagandang nobela sa GoodNovel app. I-download ang mga librong gusto mo at basahin kahit saan at anumang oras.
Libreng basahin ang mga aklat sa app
I-scan ang code para mabasa sa App
DMCA.com Protection Status