Semua Bab 逆ハーレム建国宣言! ~恋したいから国を作りました~: Bab 11 - Bab 20

94 Bab

第11話:記憶を継ぐ者と、血を継がぬ継承

「……わたくしが、“あなたの記憶”を守っていました――この時のために!」山の風を背に、現れた少女は堂々と宣言した。銀色の長髪が陽を弾き、まっすぐな視線が“語られぬ王”セレヴェルを見据えている。「……リュシア・アメリア=アルティリオ。記録から消された“姫君”か。」セレヴェルが名を呼ぶと、少女は静かに膝をついた。「祖父上の名を、ようやく“外の世界”で耳にできました。今こそ、失われた記憶を――語るべき時です。」◆◆◆グランフォード本城、応接室。セレヴェルとリュシアを迎え入れた一同は、驚きの連続だった。「まさか、王家に“もう一つの継承筋”があったとはね。」ネフィラが記録魔導具を展開しながらつぶやく。「しかもそれを、ずっと“口伝”で残してたなんて。」「血筋ではなく、言葉と記憶で継ぐ一族……かっこよくない?」「うちの国家、名乗り方いちいちドラマチックなのよ!」エリシアは椅子でぐるぐる回りながら興奮していた。だが、セレヴェルの言葉は重く静かだった。「記録は裏切る。だが、記憶と誓いは、魂に刻まれる。私はそれを証明するため、あらゆる痕跡を捨て、眠っていた。」「つまり……“忘れられること”すら、覚悟の上だったってこと?」ユスティアが問うと、セレヴェルは頷いた。「そして今。君たちが記憶を呼び覚まし、“忘れられた者たち”に光を与え始めた。」「それは、この世界における“血を超える継承”だ。」リュシアが口を開く。「我々“記憶継承者”にとって、何より尊いこと。それは――“思い出してくれる
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-10
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第12話:王都動乱と、最初の継承式

「……エリシアは最近、“誰か”のことばかりだな。」魔王領の旧兵舎跡。カイラムは一人、壊れた石柱に腰掛け、スープをすすっていた。「料理?ユスティア。記録?リュシア。なんか忘れてないか……?俺のこと……。」彼の背後で、リビアが気まずそうに翼をぱたつかせた。「まぁ、その……閣下は“宰相”としても大忙しですし……。」「俺だって宰相だし、魔王だったし、初期メンバーだし!ていうか、最初に木刀で吹っ飛ばされた被害者だし!」「それは確かに……いや、ちょっと誇れる内容ではないのでは?」「くそっ……!エリシアの奴、今頃“継承式”の準備とかで浮かれてるんだろうな……!」そう、現在グランフォードでは“王家による正式な国家承認”の是非をかけて、“最初の継承式”を開催する準備が進められていた。王都からの使者も到着し、“新たな王位継承者”としてエリシアの名前が取り沙汰されている。◆◆◆その頃、グランフォード本城・会議室。「ねぇこれ、“王位”って言っても形式上だけよね?」「今さら何を言うか。もう継承式の招待状、王都に送っちゃったぞ。」「え、あの金ピカのやつ!?冗談のつもりだったのに!」「……エリシア様、それ冗談で国政動かしてたんですね……。」ユスティアがこめかみを押さえ、クレインが真顔でメモを取る中、ネフィラは厳しい声を上げた。「でも気になるのは、王都の“沈黙”よ。」「使者は来たのに、本家からの返事がないってこと?」「うん。しかも
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-11
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第13話:失われた大地と、二番目の恋

「……この地図、変よ。」ネフィラの一言に、会議室の空気がピリリと張り詰めた。「どうした?見慣れた地図じゃ――。」「そう、“見慣れてる”はずなのに……この区域、前は“湖”だったのよ。」ネフィラの指先が指す先――そこには、現在“乾いた草原”と記されている。「湖が……干上がったの?」「違うわ。記録上は最初から“草原”になってる。でも、私の記憶では確かにここは“蒼の水鏡湖”だった。」「記録と記憶が、またズレてる……?」ユスティアが眉をひそめる。「誰かが、“土地の記憶”を操作した可能性がある。」「土地の記憶……それって、“存在そのもの”を塗り替えるってこと?」「うん。そして、その中心部で“謎の揺れ”が観測されたの。」「行くしかないわね!エリシア探検隊、出動よ!」「そんなノリで国家の調査隊を出すなぁ!」◆◆◆数日後、調査隊一行は“元・湖”だったとされる草原地帯へ到着する。「……ここが、あの蒼の水鏡湖……のはず、なんだけど。」エリシアが歩を進めると、突然、空気がひんやりと冷たくなる。「魔力濃度、異常に高い……。この空間、“魔力の傷跡”だわ。」「何かが、ここで“封じられた”……あるいは“消された”。」そのとき、風に乗って、誰かの歌声が聞こえた。『……忘れられた風を追い、影は静かに舞い降りる
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-12
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第14話:記録の底と、遺された魔力

「……どうしてこの部分だけ、記録が“空白”なんだろう。」ネフィラは記録管理室の古文書を前に、眉をひそめていた。「魔王領にまつわる記録の中でも、特に“魔力の起源”に近い文献がごっそり抜け落ちてるのよ。」「また記憶操作……?それとも、意図的な封印?」ユスティアが地図と照合しながら唸る。「でも、興味あるわ。“記録から消えた魔力”……って、なんだかロマンあるじゃない?」エリシアは軽い口調で言いながらも、心の奥に小さなざわめきを覚えていた。(このところの記憶や恋に関わる現象、すべてが“何か”に繋がってる気がする……。)「場所の特定はできるの?」「はい。ここです。“グランフォード地下第三層、未調査領域”。」「未調査?でもそこ、建国初期に調べたはずじゃ――。」「“記録上は”ね。でも、実際には“立入禁止”の印だけが残されてて、中の調査記録は一切残ってないの。」「うちの国家、ほんと記録に穴ありすぎじゃない!?」◆◆◆グランフォード地下第三層。岩肌がむき出しの空間を進むと、古びた扉が現れた。そこには、今では使われていない古代文字が刻まれていた。「“ここに遺せしは、過去にして未来。記されずとも、力は残る”……?」「……記されずとも……。」セーネの言葉が蘇る。“記録に残さなくても、想いと魔力は宿る”――「行こう。この扉の向こうに、“遺された魔力”があるなら、今こそ向き合う時だわ。」◆◆◆扉の向こうに広がっていた
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-13
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第15話:国家間交流と、恋する政略

「外交、ですって?」エリシアが口をあんぐりと開けたのも無理はない。「うん。ついに来たよ、国交樹立のお誘いが!」ネフィラが書状を振って誇らしげに報告する。「え、え、どこの国から?」「三つ来てるわ。“氷雪の王国グレイスフロスト”、“砂の自由商都エリゼール”、そして……“新王制を掲げたルヴァーニュ共和国”」「多いな!?建国から何ヶ月だと思ってるのよ!?恋する暇ないじゃない!!」「逆ハーレム国家、外交もハーレム構造なのか……?」ユスティアが若干引きつった表情で呟く。◆◆◆「というわけで!」エリシアは気合を入れて、各国の使者を迎えるための“大歓迎セレモニー”の準備に取りかかっていた。「国家間の友好関係は、“第一印象”が大事よ!ここで『この国イケてる!恋もできそう!』って思わせなきゃ!」「その基準で外交してるの、世界広しといえどグランフォードくらいですよ……。」クレインがため息をつきつつ、宴会のメニュー表に目を通す。「でも正直、心配なのはルヴァーニュ共和国ね。」ネフィラが神妙な顔で続ける。「彼らは、“感情”より“実利”を重んじる国家。うちの『恋する国政』に、どう反応するか……。」「ってことは、逆に“感情面”を刺激すれば、突破口があるってことね!」「……エリシア様、それ、まさか――。」「決まってるじゃない。政略恋愛よ!!」「また爆弾投下したぁ!!」◆◆◆三国の使者が一堂に会したグランフォード迎賓館。冷ややかな視線のグレイスフロスト王子リューディル、陽気で策略家のエリゼール
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-14
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第16話:仮面の国と、真実の選択

ルヴァーニュ共和国――それは“感情を統制する国家”として知られている。表情、語調、服装に至るまで“合理性”と“統一性”が求められ、感情の発露は“社会的なノイズ”とされる文化だった。「……なんて退屈そうな国なの。」エリシアはクロードに連れられ、共和国の中心・サンクト議政庁に足を踏み入れた。「形式美と管理こそが、我々の誇りです。」そう語るクロードの背はまっすぐで、感情の揺れなど微塵も感じさせなかった。けれど――「……ほんとに、そう思ってるの?」彼の瞳の奥には、かすかに“ためらい”があった。◆◆◆「クーデター未遂事件に関し、証言が必要です。」応接室に通されたエリシアは、共和国の官僚たちから次々と質問を受けた。「あなたの国家では、恋愛が政務に影響を与えるのですね?」「ええ、バリバリに。恋がなきゃ税制改革もできないわよ?」「……理解不能です。」「そうでしょうとも!」堂々と笑うエリシアに、誰もが困惑の表情を浮かべる。だが、ただ一人――クロードだけが、視線を伏せていた。◆◆◆その夜。「この国、本当に全部が“仮面”ね。人の顔も、言葉も、街も……みんな均一で、誰も泣かない、誰も笑わない。」エリシアは屋上で夜風に吹かれながら呟いた。「……それが、我が国の安定の源です。」クロードの声が背後から響く。「けれどその安定が、“恋すら許さない”なら、それはただの――。」「欺瞞、ですね。」エリシアの言葉を、クロードが遮った。「……私は、知
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-15
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第17話:星降る丘と、願いを継ぐ者

「今夜は、“星降りの夜”なんですって!」エリシアがワクワクした声で言うと、家族と仲間たちは一斉に顔を上げた。「年に一度の流星群か……。」カイラムが空を見上げながら呟く。「願い事、考えておかなきゃね!」「お嬢様、その手の願掛けは“恋人と並んで星を見る”のが正式な作法だそうですよ。」「なんですって!?そんなロマン行事、聞いてないわよ!」◆◆◆丘の上では、祭りの準備が進んでいた。屋台が立ち並び、子どもたちが星形のランタンを持ってはしゃぎ回る。エリシアはふと、静かな一角に佇むカイラムを見つける。「どうしたの?お祭り嫌い?」「いや……昔、この夜に、祖父……つまり前魔王が、何かを呟いていたのを思い出した。」「何を?」「“星が降る夜には、魔王の願いが空に返る”って。」その言葉が、なぜか胸に引っかかった。「……ねぇ、カイラム。もしかして、“魔王の願い”って、まだこの国のどこかに残ってるのかな。」「わからない。でも、残ってるなら――。」彼は空を見上げた。「“継ぐ者”に届いてほしいって、そう思ってたんじゃないか。」◆◆◆夜が深まり、星が降り始めた。そのとき、ひときわ大きな流星が、空を切り裂くように駆け抜けた。「っ、あれは……!」地平の彼方、旧魔王領の奥深く――かつて誰も足を踏み入れたことのない、黒の谷に、光の柱が立った。「……あれは、“魔王の遺産”かもしれない。」カイラムの言葉に、空気が凍る。「私たちの旅、“国づくり”じゃなく
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-16
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第18話:豊穣の市場と、未来の主役たち

「エリシア様、ついにやりました!市場ができました!」ネフィラが畑帰りの格好で、息を切らしながら報告してきた。「えっほんと!?あの“仮設テント村”だったグランマルシェが!?“ちゃんとした市場”に昇格!?」「はい!ついに“常設型屋根付き市場”へと進化しまして、農産物、加工品、衣類、雑貨、果ては占い屋まで勢揃いです!」「やったーーっ!!」エリシアは飛び跳ねた。思えばここまで長かった。「“豊かな国”を目指すなら、まずは“豊かな市場”よね!」彼女の言葉に、近くで聞いていたカイラムがくすりと笑う。「そっちの豊かさ、最初は“恋愛豊か”のことかと思ってたけどな。」「それも含まれてるの!恋もお金もごはんも全部!トータルで幸せにしてこそよ!」◆◆◆市場のオープン初日。広場にはグランフォードの住民がわんさか集まり、屋台の威勢の良い掛け声と笑い声が飛び交っていた。「お嬢様、こちら“恋が成就するリンゴ飴”でございます!」「えっ買う!カイラム君も食べる?」「なんで俺に?」「意味深にしといた方が後で盛り上がるじゃん。」◆◆◆その頃、市場の隅では――「ユスティア様、こちら“新世代の甘味菓子”試作品です!」「どれどれ……これは……革命の味……ッ!」ユスティアはすでに“次世代スイーツ監修官”としての才能を開花させていた。一方その裏では――「……ネフィラ、なんか“未来枠”がすごく増えてない?」「ふふ、実は子どもたちにも市場運営を学ばせてるの。将来の“自治”に必要でしょ?」「はぁ~……未来の主役、着々と育ってるのね……!」◆◆◆夕暮れ、エリシアは丘の上から市場を見下ろしていた。音楽が流れ、光が揺れ、人々が笑っていた。「……こういう日々を、ずっと続けられたらいいのにね。」「続けられるさ。俺たちが“選んだ国”なんだか
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-17
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第19話:揺れる国境と、微笑む仮面

――数日前。グランフォード北東部に位置する国境警備隊の見張り塔に、緊急の報がもたらされた。「不明部隊、ルヴァーニュ方面より接近!旗印はないが、動きは整然……おそらくは、仮面軍!」その報せに、エリシアは目を細めた。「……クロードの国が?このタイミングで?」かつて、“感情の自由”をめぐって共に戦った仮面の青年、クロード・ヴァンス。ルヴァーニュ共和国の改革を支え、副首相に就任した男だ。その国が、沈黙を破って“仮面部隊”を再び動かしたという。「正式な外交文書は届いていない。けどこの整然さ、まるで“招かれぬ訪問者”が、礼儀だけは守って来たみたいな感じ……。」カイラムが口を挟む。「牽制か、あるいは“仮面の仮面”――裏の誰かが動いてるかもしれないな。」「……行くわ。この目で見なきゃ、本当に“選べる未来”なんて語れないから。」◆◆◆そして国境沿いの森。エリシア一行が接触したのは、やはり仮面をつけた一団――ただし、クロードの名も印もなく、言葉も持たぬ沈黙の仮面たちだった。「……これは、仮面を“捨てきれなかった者”か、“仮面を逆に操ってる者”の仕業ね。」ネフィラが呟く。そのとき、一団の中でただ一人、仮面を半分だけ外した青年が進み出る。「グランフォードの王女、エリシア・グランフォード殿。クロード・ヴァンスより、“密使として”言葉を託されています。」「……密使?」青年は静かに頷いた。「“仮面の奥に、真実が潜む時。笑っている者にこそ、最大の注意を”――彼はそう申していました。」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-18
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第20話:嵐の前と、揺れる想い

「――ということで、次の国際会議は月末に決定。ついでに“農産物品評会”の予備選も今週中に開催します。」「……え、待って。会議とお祭りと選挙、全部同時進行……?」「はい。お嬢様のスケジュール帳、既に真っ黒です。」ネフィラの冷静な宣告に、エリシアは思わず机に突っ伏した。「こんなに働いてるのに、恋の進展ゼロってどういうことなのよぉ~……。」「恋は待つものではなく、仕掛けるものでは?」「ネフィラ、あんたほんとに舞姫だわ……。」◆◆◆一方、カイラムは訓練場で少年兵たちに剣の指導をしていた。「――次は連携攻撃。合図と同時に左右へ散開して……。」その背中をじっと見つめるユスティアがひとり。「ねぇカイラム君。」「なんだ?」「……エリシア様と、最近どう?」「……変わりはない。忙しそうだなとは思ってる。」「うん。でも、君が“何も言わない”のって、それはそれで罪深いと思うよ?」カイラムは黙ったまま、目を伏せる。「想いを伝え合うって、“国づくり”より大事かもしれないよ。」「……言葉にした瞬間、何かが壊れる気がしてな。今の距離が、ちょうどいいんじゃないかって……。」「それって、“嵐の前の静けさ”と似てるね。」ユスティアの声が、どこか意味深だった。◆◆◆その夜。エリシアは、城のバルコニーから星を眺めていた。「この空の下に、いろんな想いがあって……でも、ちゃんと届いてないのかもしれないな。」手すりに頬を預けて呟くその背後に、そっ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-19
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