このところ自分はシャワーばかりで、いま浴槽にお湯が溜まっていないんだ、と申し訳なさそうに付け加えながら、「それでも熱いお湯を浴びると違うんじゃないかと思って」とタツ兄が言うから……。 何だかそれってとっても恥ずかしいお誘いに思えてしまった私だ。 だって、なおちゃんとはお風呂と性行為は必ずセットだったから。 (タツ兄にはそんな下心ないのかな?) なおちゃんとの数年間で、すっかりエッチが生活の一部みたいになってしまっていたはしたない私は、タツ兄相手にそんなことを思ってしまう。 「タツに……、たっくんは……入らない、の?」 身体が冷えている云々で言えば、彼もじゃないかな?って思った私だったけど、思い返してみれば、タツ兄は実際レインコートを脱ぐとそれほど服は濡れていなくて。 髪の毛だけが濡れそぼっていたのはレインコートのフードから滴り落ちた水滴がタツ兄の顔を濡らしていたからだろう。 むしろ、さっき私を抱きしめてくれた時に私の服から水気を吸ってしまったかも知れないくらい。 「僕は……平気だよ」 言われて、私は少し考えた。 靴下を脱いで小さくまとめて手に握りしめると、 「えっと……着替えとタオルを貸してもらえたら……すぐにでもそうさせてもらえたら……嬉しい、な?」 上り框にそっと湿った素足を下ろしながら、意を決してそう告げた。 *** シャワー後に身に着けていた下着をもう一度身に着けるのは少し抵抗があった。 でもこれしかないんだから仕方がない。 ブラジャーは残念ながら結構濡れていたから仕方なくタオルで包んでギューッと水気をふき取ってみた。 でも着けるのは難しそう。
Terakhir Diperbarui : 2025-12-09 Baca selengkapnya