漫画『蟲師』のアニメ版サウンドトラックを聴いていると、作中の「蟲」という存在が放つ不思議な雰囲気がそのまま音になっている気がする。あのゆったりとした時間の流れと、自然の中に潜む不可解な現象を、音楽は言葉以上に
雄弁に語っている。特に『瞼の光』という曲は、目に見えないものを見ようとする主人公のまなざしを、優しい弦楽器の音で表現している。
そういえば、小説『氷菓』を原作としたアニメのサウンドトラックも、日常の中に潜む謎を解き明かしていく過程を、軽やかなピアノ曲で彩っていた。特に『君に届け』という曲は、主人公たちの淡い青春と、ふとした瞬間の気付きを同時に描き出していて、何度聴いても新鮮な驚きがある。世迷言からインスピレーションを得た音楽というのは、こうした作品の世界観を深く理解した上で生まれるんだろうな。