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バレンタインラプソディ・イン・ドライヴ16

Author: 相沢蒼依
last update publish date: 2026-03-30 11:22:40

 両手で差し出された真四角の箱と宮本の顔を交互に見やる、恋人の冷たい態度に緊張したのか、ぶわっと頬を染めたままフリーズする。

「どうした雅輝?」

 カチンコチンに凍った人形のような宮本を見て、仕方なく話しかけた。

「あ、その、えっとただ『はい、陽さん』って、気軽にチョコを渡そうと直前まで思ったんです」

「うん……」

「ただ渡すだけじゃ芸がないというのに気がついて、頭の中で一番最初に浮かんだことを言ったんですけど、それが思いのほか外してしまったのがショックでして」

「お前は今日、3人の女からチョコを渡されてるんだろ?」

 ふいっと宮本から視線を逸らしながら、追求したかったネタを口にした。

「はい、いただきました。貰えるなんて思ってなかったので、びっくりしちゃって」

 バツの悪そうな宮本の声が、静まり返ったリビングに妙に響く。

「貰えるなんて思ってなかったって、なんだそりゃ」

「だって俺は江藤ちんや陽さんみたいにカッコよくないし、冴えないただオタクでしょ」

「それなのに今年に限って、3人の女からバレンタインに告白された。今までとは、何かが変わってるんだって」

 差し出されていた真四角の箱
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