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Cleared for take off

ผู้เขียน: 水守恵蓮
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2026-02-02 09:33:13

OCOで初めて過ごした八月は、まるで駆け抜けるように過ぎていった。

九月に入り、夏休みも終わって、旅行、航空業界のオンシーズンも一段楽。

ピーク時に比べてフライト数も落ち着いて、穣は通常比かなりゆったり……私は相変わらずバタバタと仕事をしている。

「八巻さん。小松60便のフライトプラン、フェイストークで受け渡して」

「はい」

「三十分後、機長とオンラインブリーフィングやるから、準備よろしく」

「了解ですっ」

気象データを集める間にも、矢継ぎ早に指示が入る。

フライト数は減ったのに、私はハイシーズンと変わらない忙しさ……目が回りそうだ。

――でも。

フライトプランを機長に受け渡すために、社内アプリのフェイストークにフライトプランを移しながら、隣の彼の横顔を窺った。

私がこんなにバタバタなのも、それに反して穣がゆったりなのも、私に仕事を任せてくれているからだ。

八月最終週の胴体着陸事故前までは、仕事を振ってくれるだけで、『任せてもらえている』という実感には至らなかった。

でも今は、左腕くらいには信頼してもらえていると、自負している。

彼女だから、じゃない。

むしろ穣は意識して、仕事中、努めて事務的に接しようとしている。

おかげで、以前以上に塩対応に拍車がかかった……ようにも見えるけれど。

私に、異議はない。

だって穣は、一歩空港を出るとメガトン級に甘いから。

――と言うか、エロい。

今はモニターに注がれていて、私を映さない真剣な目も、持て余すようにペンを回す長い指も、燃料重量を自分に刻むみたいに唱える唇も。

あと数時間して仕事が終わったら、今夜また私に、あんなこともこんなことも――。

「……八巻さん。視線が熱い」

「っ」

溜め息交じりに言われて、私はハッと我に返った。

穣が左手で頬杖をついて、右手の指でペンを回しながら、私を斜めからの角度で見ている。

「フライト減って、少しくらい手が空いても、仕事中に妄想する余裕、あんたにはないだろ」

「うっ。すみません」

私は条件反射で、シャキッと背筋を伸ばした。

煩悩を払おうと、両手でパンと頬を打って……。

「……なんで、妄想ってバレた……?」

思わず首を捻る横で、穣は顔を伏せ、笑いを噛み殺していた。

「いや、わかるだろ。そんな食い気味の熱視線。炙られるかと思った」

「!」

目を細めて揶揄されて、私はカアッと頬を茹らせた。

「ご、ごめん。集中、集中……」

弾かれたように自分のデスクに向き直り、念仏のようにブツブツと呟く。

私と違って仕事のペースが確立している穣は、まだ頬杖をついたまま、私を眺めていたけれど。

「……やっぱり、成長早いな。こういうのも、いつまでかな……」

なにか、ぼんやりと独り言ちた。

「え?」

私が聞き拾って顔を向けると、「いや」と口元に手を遣ってかぶりを振る。

「こっちの話」

明後日の方向を見遣って、わかりやすく誤魔化す彼に、

「……?」

私は、訝しい思いで首を傾げた。

日勤の休憩時間は、ちょうどいいお昼時。

穣と一緒に職員食堂に行くと、副操縦士の制服姿の水無瀬君とばったり会った。

「ちょうどよかった、氷室! 話したかったんだ。あ、八巻さんもお疲れ。俺も一緒にいい?」

水無瀬君も、昼食休憩のようだ。

三人揃ってハンバーグ定食のトレーを持って、ランチタイムのピークで混雑する食堂の奥に進み、窓際のテーブル席に着いた。

私の隣に座った穣が、水無瀬君と向かい合って、わりと丁寧に「いただきます」と両手を合わせ、味噌汁を啜る。

「なあ、氷室……」

食事そっちのけで、身を乗り出す水無瀬君を、

「この間の、胴体着陸だろ」

目線も上げずに、遮った。

「どうせ、俺が担当ディスパッチャーだったって聞きつけて、コックピットの様子を詳しく聞かせろって言いたいんじゃないの」

水無瀬君は、一瞬虚を衝かれた様子で瞬きをしたけれど。

「ご名答」

背筋を伸ばして、にっこり笑う。

「俺が乗務予定だったフライト、あの影響でディレイになって。ターミナル内で見てたんだ。久遠さん、本当に見事な着陸だった。俺、コーパイ席に着きたかったなあ」

「水無瀬君、見てたの?」

私が茶碗を手に持って質問を挟むと、こちらを向いて大きく頷く。

「フライトマニュアルに背く、機長判断。管制が許可したのもびっくりだけど、ディスパッチャーが氷室だったって聞いて、これは相当なバトルだっただろうと……」

穣が目を伏せ、深い溜め息を挟む。

「久遠さん……事故調、どうなった?」

乏しい表情で訊ねる横顔を、私は黙って窺う。

「終わったよ。厳重注意だけで、お咎めなし」

「……よかった。まあ、当然だけど」

水無瀬君の返事を聞いて、ちょっとホッとしたように、彼の口元が緩んだ。

そのわずかな仕草からも、彼自身が『さすが』と称賛した技術を誇る久遠さんの処分を、心配していたのがわかる。

私は、ちょっぴり優しい顔で目を伏せる彼に、思わず見惚れて……。

「それで? 久遠さん、管制や氷室とどんなやり取りしたんだ?」

水無瀬君が、話題を元に戻そうと質問を繰り返す声に、ハッと我に返る。

いけない、いけない。

水無瀬君もいるのに、自然にときめいてしまった……。

地味に自分を叱咤する私の横で、穣が渋く顔を歪めた。

「火事に群がる野次馬か、お前は」

「後学のためだよ。俺もいずれは機長に昇格する日が来るし、ああいう緊急時に、氷室みたいなディスパッチャーも黙らせて、同意させないといけない」

からかうような口調に、チッと舌打ちをする。

「飛行機バカが」

「お前だってそうだろ。持ち場が空か陸かの違いだ」

水無瀬君の応答に、仏頂面で眼鏡のブリッジをクッと押し上げる。

だけど。

「言われなくても黙る。いつか水無瀬が機長になっても、機体が空にある以上、空からの判断に従う」

目を伏せて早口で言って、やや大きめに切ったハンバーグをポイと口に放った。

「お?」

その応答が意外だったのか、水無瀬君が軽く腕組みをする。

穣は、自分に注がれる視線を私に流すように、横目を向けて、

「空に一番精通してるのは、管制官でもディスパッチャーでもなく、パイロットだから。操縦の判断は任せて、地上で待ってよう……って、コイツに言われた」

「っ! ブホッ」

あの時、熱くなって彼を諭した言葉を、前触れもなく持ち出され、私は思わず吹き出した。

水無瀬君が、「へえ」と目を瞠る。

「『航空事故』だからこそ、パイロットに、フライトマニュアルに沿った操縦をさせないと……って。俺はあの時、頭ガチガチにして、久遠さんとバトった。許可した管制はあくまでも外部の人間だから、同じ社員の俺が、なんとか社内規定に従わせないとって。……八巻さんに、一人じゃなくて、みんなで分担しようって言われて、目が覚めた気分だった」

私は口元をハンカチで押さえながら、静かにポツリと口にする穣の横顔を、涙目で見つめた。

「人の手を借りるより、自分一人の方がペースが乱れない。確かに俺、ずっとそうやって仕事してた。……周りを、信用しようとしてなかったから」

「……そっか」

水無瀬君が、なにか訳知り顔で目を細める。

ようやく箸を持ち上げると、味噌汁で濡らした。

「氷室もやっと、運命の女と巡り会えたかー」

自分の言葉に納得したように、何度も首を縦に振る彼に、私は「えっ!?」と声をひっくり返らせた。

「なっ……水無瀬」

今度は、穣が「ゴホッ」と噎せ返るのを聞いて、

「じょ……氷室君、大丈夫?」

慌てて声をかけ、彼の背中を軽く叩く。

水無瀬君は、なにやらニヤニヤと私たちを眺めている。

穣は、私に「ああ」と頷いてから、コップの水をゴクゴクと呷り、

「なんちゅう意味深な言い方するんだ、お前」

向かい側の彼を、ギロッと睨む。

なかなかの眼力なのに、水無瀬君は怯む様子もない。

「意味深に聞こえるのは、氷室が意識しすぎてるからだよ」

むしろ強気に、ふふんとほくそ笑む。

「俺が、なにを」

「パイロットの間でも、滅茶苦茶キレるけど一匹狼の石頭って言われるお前が、八巻さんの言葉で改心した。お前の仕事人生を変えたに等しい出会い。運命だって、俺は思うよ?」

いつもは爽やかな笑みに、そこはかとないブラックさを滲ませ……。

「ね? 八巻さん」

あろうことか、私に同意を求めてくる。

「えっ!? ええと……」

私は素っ頓狂な声をあげて、穣の判断を求め、チラッと視線を投げた。

「回りくどくカマかけるな。お前……絶対なにか知ってるだろ」

穣は口元を手の甲でグイと拭ってから、お腹の底から深い息を吐いた。

「情報源は誰だ。今野さんか? じゃなかったら奥さん……」

「残念。佐伯だよ」

「は? 佐伯……?」

わりとあっさり回答を与えられて、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をする。

二人が、なにを話題に会話を進めているか。

はっきり口にしなくても、推測するには容易い。

「あの……氷室君。この間、瞳が氷室君の連絡先知ってたのは、佐伯君に聞いたからで」

私は肩を竦めて、コソッと教える。

「え? 今野さんが?」

「うん。瞳、佐伯君と付き合ってるの。でも、一年くらい経つよ?」

穣は訝し気に眉根を寄せていたけど、思考が繋がった様子で天井を仰いだ。

「アイツ……聞いてねえぞ」

「お前、なかなか同期会に顔出さないから、同期同士の話題に疎いよな」

水無瀬君が、先ほどまでとは打って変わって、モリモリとご飯を食べながら言葉を挟む。

「で。今野が言ってたダブルデート、俺と嫁さんも混ぜてもらっていい?」

あっという間にハンバーグを半分食べ終えて、私に小首を傾げた。

「っ、えっ!?」

「ダブルデート? なんのこと?」

穣が頬杖をついて、私を斜めに見上げてくる。

「あ。そ、それはね、瞳がフライングして盛り上がってただけで……」

穣と水無瀬君、二人から探るような目で見られ、私は身の置き場がない気分で縮こまった。

だけど、すぐに我に返り、

「そもそも、水無瀬君と理華の場合、『デート』とは違うんじゃ」

隣から視線を感じながら、水無瀬君にツッコむ。

「え? 違わないよ。恋人が嫁さんってだけで」

当然のように返されて、思わず息をのんだ。

穣が、「はあ」と声に出して溜め息をつく。

「結局、自分が惚気たいだけだろ」

水無瀬君は、ハンバーグの最後の一口を頬張って、

「俺に惚気と言うからには、認めたってことでいいね?」

悪戯っぽい……策士な笑みを浮かべた。

それには穣も、返事に窮して口ごもる。

「あー……ええと」

きまり悪そうに視線を彷徨わせるのを見て、水無瀬君は満足げに口角を上げた。

そして。

「ご馳走様」

食べ始めたのは一番遅かったのに、ハンバーグ定食を綺麗に平らげ、両手を合わせて挨拶をした。

呆気に取られる私に、「お邪魔しました」と目を細め、椅子から立ち上がる。

「あ。えっと……理華によろしく」

トレーを持ち上げた彼に、私は軽く腰を浮かせてそう言った。

「うん。目出度く付き合い始めたみたいだよって報告したら、アイツもすごく喜ぶと思う」

「!」

「じゃ、氷室。トリプルデート、楽しみにしてるな」

まるで台風のように私たちを引っ掻き回して、最後は彼らしい爽やかな笑顔を見せる。

水無瀬君がテーブルから離れていった後、私と穣はまさに台風の目の中に入ったように静まり返った。

「えげつない探り方しやがって……。水無瀬のヤツ」

苦々しそうに、ボソッと呟く彼と顔を見合わせ……。

「ぷ。ふふっ」

私はくすぐったい気分で、肩を竦めて笑い出した。

穣も、『やれやれ』と言いたげに、肩を落とす。

「なにがトリプルデートだ。望月さん以外、全員シフト勤務。予定が合うわけないだろうが」

「そうだね。でも……」

私は、彼には目尻を下げて同意を示し、遠ざかっていく水無瀬君の背中を目で追う。

「きっと、楽しいよ」

いつ実現するかわからないその日を思い描いて、顔を綻ばせた。

穣は無言ながら、何度か首を縦に振った。

「藍里、早く食べないと、時間なくなる」

腕時計を見ながら、自ら箸を進めて私にも促す。

男気ある気持ちのいい食べっぷりをする彼に、私はなんとなく視線を送った。

午前中聞き拾った彼の独り言が、ずっと胸に引っかかっていた。

でも、気にすることじゃないよね……?

私も気を取り直して、箸を動かした。

午後五時半で仕事を終えて、私は空港ターミナルの展望デッキに出た。

九月になって、日の入りが少し早くなった。

夜を迎えるこの時間は、沈みゆく夕陽と、滑走路から飛び立つ飛行機が融合した夕景が美しい。

そのせいか、展望デッキのあちこちに、スマホやカメラで、飛行機と空を撮影する人の姿が見られる。

私はデッキの端っこまで行って、フェンスを握りしめた。

ちょうど、うちの会社のジャンボ機が、プッシュバックで駐機場を離れたところ。

目を凝らすと、辛うじて、尾翼付近の機体番号が読み取れた。

間もなく離陸態勢に入る、関空行き。

日勤勤務終了間際、この便の機長から、フライトプランの修正依頼が入った。

穣は私だけ先に上がらせて、自分はその対応に当たっている。

オフィスを出る時、『展望デッキで待ってるね』と言っておいた。

無事、フライトに漕ぎつけたようだし、そう待つことなく来てくれるはず――。

私は、彼の訪れを待ってきゅんとする胸元に、そっと手を当てた。

指導担当と教え子という関係もあって、私たちはほぼ同じシフトが組まれている。

おかげで、二十四時間三百六十五日のシフト勤務でも、仕事上がりの時間は夜も朝も彼と同じ。

一緒にオフィスを出て、彼のマンションに行く。

二人で夕食を、朝食をとって、多くの時間を共に過ごせる。

恋人になって間もないけれど、彼のマンションに私の私物が増えつつある。

着替えもばっちりだし、多分今夜も……。

仕事中は払拭できた煩悩が湧き上がって、心臓が拍動を速める。

「ふう……」

私は声に出して息を吐き、夕焼け空を仰いだ。

――いつも一緒にいられるのが幸せすぎて、そうじゃなくなるのが怖い。

「まさか、そんな腑抜けたこと、思う日が来るなるなんてなあ……」

誰にともなく、独り言ちる。

柄にもなくセンチメンタルになったのは、午前中の穣の独り言が、やっぱり胸に引っかかったままだからだ。

『こういうのも、いつまでかな……』

今、再び脳裏に蘇らせて、彼の意図を探る。

――まさか。

彼には、すでに別れの予感があるとか。

いや、そもそも、私とはほんのいっとき、仮初めでしかなかったりして……。

一人でいると、悪い方向にばかり妄想が進む。

「気になる……」

「なにが?」

フェンスに額を預けて漏らした、無意識の独り言に聞き返されて、ビクッと肩を縮めた。

「……えっ?」

「お待たせ」

弾かれたように振り返ると、穣がすぐ後ろに立っていた。

「あっ。お疲れ様。ごめん。全然気がつかなかった」

とっさに笑顔を繕った私に、不思議そうに首を傾げる。

「珍しく物憂げな感じだったから、声かけられなかった」

穣は片手をスラックスのポケットに突っ込み、私の隣に並んだ。

「気になるって、なにが?」

もう片方の手でフェンスを掴み、滑走路に目を遣りながら訊ねてくる。

私は、ぎこちなく目を伏せた。

「大したことじゃないから、気にしないで」

「珍しくって言っただろ。お前が微妙に落ちてることくらい、俺にもわかる」

はぐらかそうとした私に機嫌を損ねた様子で、眼鏡の向こうの目を鋭くする。

「でも、俺に関係ないって言い張るなら、無理には聞かない」

――私を気にして、心配してくれている。

恋人になったからこそ向けられる優しさは、やっぱりどこか不器用で……。

他の誰でもない、穣だから、私を堪らなくときめかせる。

「じゃあ……聞いて」

彼と同じように、フェンスの方に身体を向けて、俯いて切り出した。

「私、今、すごく幸せ」

「は?」

「穣が指導してくれて、毎日一緒に仕事できて。恋人にしてもらえたら、穣、いつも一緒にいてくれるし」

「……?」

意味がわからないといった顔つきで見下ろす彼に、堰を切ったように捲し立てる。

「まだ、付き合い始めたばかりだけど。これ以上を望んだりしたら、バチが当たりそうで怖いんだけど」

穣は、ポカンとした顔をした。

だけど、思い詰めて言い募る私を、茶化すことも憚られるのか。

「なにか、俺にしてほしいことがある?」

困惑顔で質問を挟まれ、私は勢いよく首を横に振った。

「穣はなにもしなくていい。私が、ずっとずっと穣の彼女でいたいだけ」

彼に身体ごと向き直り、引き締まった腕に両手で掴まって訴えかけた。

忙しなく揺れる瞳を見つめているうちに感極まって、鼻の奥の方がツンとして――。

「……おい」

穣が、訝しげに眉根を寄せる。

レンズの向こうの端整な目元が、私の視界の中でぼやけた。

「お願い。いつまでかな、なんて考えないで」

最後は声が詰まり、自分が泣いていることに気付いた。

突然、下目蓋から涙を溢れさせて、ポロポロと頬に伝わせる私に、

「ちょっ……藍里」

穣がギョッとしたような声をあげた。

私をフェンスの角に押さえつけ、自分はそこに両腕を突っ張り、展望デッキにいる人たちの視線の、盾になってくれる。

「待って。ええと……もしかして、今朝の俺の独り言?」

混乱しながらも思い当たったようで、私を見下ろして訊ねた。

それには、一度こくりと頷いて応える。

わずかな間の後、頭上から深い溜め息が降ってきた。

「確かに、藍里とこうしていられるのは、いつまでかなって思ってるけど、お前が考えてるような意味じゃない」

「……?」

説明を求めて、おずおずと顔を上げた。

穣は苦笑いして、私の目尻の涙を、両方の親指でグイと拭う。

「勝手に思い込んで勘違い。お前の得意技だな」

呆れたようなからかい口調で言って、私の頬を両手で挟んだ。

顔の向きを固定され、私の濡れた瞳には、困ったように微笑む彼の顔しか映らない。

いやがおうでも、ドクンと心臓が跳ねた。

そのおかげで、涙が止まる。

私がひくっと喉を鳴らすと、穣は片手で自分の口を覆った。

「……ごめん。独り言とは言え、紛らわしかったか。まあ、そもそも聞かせるつもりもなかったんだけど」

大きな手に阻まれ、彼の声はくぐもってしまう。

私が食い入るように見ているせいか、きまり悪そうにツッと視線を横に流し……。

「今のまま、ずっとこうして。でもそれは、藍里が一人前のディスパッチャーになるまでの、期間限定」

「私が……ディスパッチャーになるまでの?」

瞬きも忘れて、彼の言葉を反芻する私に、「ん」と相槌を打つ。

「今は新米運航支援者でも、そのうち無線通信士や運航管理者の資格を取って、社内試験もクリアする。早ければ四年……五年後には、お前は一人前のディスパッチャーになる」

穣が噛み砕いて説明してくれたのは、私の長年の夢。

今は確かな目標だ。

「……うん」

私は、頬に置かれた彼の手に自分の手を重ね、目を合わせた。

「そのために、穣が指導してくれてて……」

「そう。それで藍里がディスパッチャーとして独り立ちしたら、俺のアシスタントからも離れる。もちろん、ずっと同じシフトってわけにはいかない。昼夜真逆で、すれ違うこともあるだろ?」

「あ……」

言わんとするところを理解して、私は大きく目を見開いた。

「お前が言った名コンビも、残念ながら、そう長い期間にはならない。……俺も、今が幸せすぎて。今のまま一緒にいたいって思ってるから、カッコ悪いけど、つい本音が出た」

穣が、照れ臭そうな笑みを浮かべる。

それを目の前で見ていた私は、心臓を鷲掴みにされ――。

「な、なんだ……よかった……」

へなっと脱力して、膝が折れた。

「え、おいっ」

穣が反射神経よく私の腰に腕を回して、抱き止めてくれる。

私も、反射的に彼の胸に両手でしがみついて。

「一緒にいたいの、私だけかって……そうだったら、どうしようって……」

肩を動かして安堵の息を吐くと、すぐ額の先で、「まったく」と呆れた声が聞こえる。

「予想の斜め上をいく勘違いで、泣かれても困る。少しは俺を信用して」

穣が不機嫌を憚らない早口で、背を屈めて私を覗き込んでくる。

「……水無瀬も言ってた。お前、俺の運命の女らしいから」

「!」

私は虚を衝かれて、ドキンと胸を跳ね上げ……。

「うん。ごめんなさい。……ふふっ」

照れ臭いのと、踊り出したいくらい嬉しいのをなんとか抑え、引き締まった硬い胸に頬を擦りつけた。

「っ、藍里、くすぐったい」

穣は言葉通り、ぎこちなく身じろぎするけれど。

「塩ってさ。甘さを引き立てるスパイスでもあるんだよね。スイカとか、塩大福とか……」

「……は? なに言ってんの? 腹減った?」

怪訝を通り越して、やや引き気味のツッコみさえも愛おしい。

「違うよ。もう」

私はクスクス笑って、彼の胸から顔を離した。

「穣、帰……」

促しながら見上げると、穣は首だけ滑走路の方に向けていた。

彼の目線を追って、私もそちらに目を向ける。

「あ」

関空行きのジャンボ機が、滑走路に進入を開始していた。

私は、フェンスに向き直った。

穣と一緒に、無言になって、最終離陸態勢に入った機体を見守る。

ピタリと停まった飛行機から、ゴーッという音が聞こえる。エンジン出力全開。

飛行機が滑走路を走り出すと、穣が私の手をぎゅっと握った。

「Cleared for take off」

きっと無意識だろうけど、離陸前にコックピットが管制と交信する、嫌というほど聞き慣れた言葉を口にする。

『離陸に、支障なし』――。

地上のパイロットとして、空に飛び立つパイロットを激励しているようだ。

私は彼を視界の端に映して、応答の代わりに、ぎゅっと手を握り返した。

轟音のようなエンジン音が、キーンという甲高い音に変わる。

――離陸推力、TO1到達。

大きな大きなジャンボ機が、滑走路を走り出した。

私はゴクッと唾を飲み、一気に加速度を増す機体を注視する。

穣も、本日最後の自身の仕事を見届けるみたいに、飛行機を見つめていたけれど……。

『V1』

頭の中で、コックピット内のコールを再現する私の視界を、背を屈めて阻んだ。

「え?」

離陸寸前の飛行機を目で追っていたはずが、眼鏡を額に持ち上げた彼の顔に占められる。

「っ、んっ……?」

唇に重なった、私のものではない感触と温もりに、大きく目を瞠った。

『VR』

滑走路から飛び立った飛行機の主翼が、彼でいっぱいの視界の端を掠める。

やがて、機体の尾翼も確認できなくなって――。

どのくらいの間、そうしていたか。

「一緒に、住む?」

穣が唇を離し、私の瞳の奥まで見据えるような目をして、短く問いかけてきた。

「……は」

「同棲ってやつ」

彼の言動は突拍子がなさすぎて、私はなにを言われたか、瞬時に理解できない。

瞬きを忘れ、大きく見開いた目を向けるだけの私に、

「すでに半分以上そういう状態になってるし。改まって始める必要もないけど……ずっと一緒にいたい。考えておいて」

穣はぶっきら棒に言って、スッと踵を返した。

「え……?」

思考回路は飽和状態で、思うように作動しない。

でも、騒ぐばかりの心臓が、確かな動力になる――。

「穣っ」

私は、さっさと先を行く彼の背中を追って、駆け出した。

「私。私も……」

穣と、一緒にいたい……!

数メートル先で、穣が足を止めて振り返った。

珍しくはにかんだような笑みを浮かべて、私にまっすぐ手を差し伸べてくれる。

憧れは、尽きない。

『好き』が、限界を突破する――。

「っ……」

制御できない想いが溢れ返り、地面を蹴った。

虚を衝かれた様子で目を丸くした後、彼が微笑んで両腕を広げてくれる。

私は、身体の奥底からせり上がる、唯一無二の想いに突き動かされて……。

「好きっ」

逞しくて広い胸に、飛び込んだ。

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    JAK73便の乗客乗員四百十一名に怪我はなく、全員無事だった。胴体着陸なんて大事故が、目と鼻の先で起きたのに、夏休みシーズンで普段より混雑していた空港ターミナルでも、目立った混乱は見られなかったそうだ。タッチアンドゴーを繰り返さず、一発で着陸を成功させたおかげで、ターミナル内にいた旅客の多くが、そんな事態に陥っていたことに気付かなかったためだ。結果として、久遠さんの判断がすべてにおいて功を奏し、巡航中の機内だけでなく、空港全体の秩序を守った。英雄と崇められてもいい。とは言え、胴体着陸ともなると、航空事故に分類され、重大インシデントに認定される。着陸前から、社内で事故調査委員会が発足していた。明日には、国土交通省による、事故調査チームが調査に入る。それに先立って、社内での聴取が行われることになった。着陸を終えて間もない久遠さんと副操縦士を、社内の調査委員がターミナルで出迎えた。73便の機体整備を担当した航空整備士、胴体着陸を許可した管制官の立花さんとその上司、そして、担当ディスパッチャーの穣と運航支援者の私も招集された。委員も含めて十五人ほどでの聴取は、本社の役員会議室で行われた。私はこの時初めて、ディスパッチャーにも恐れられる、『鬼機長』の久遠さんと対面した。フライトプランの件で、穣と一触即発のやり取りをした記憶も新しい。四本ラインの制服姿が凛々しい、美しい鬼……いや、エリート機長は、ちょっと怖そうだけど、真面目で真摯な印象を受けた。ほんのちょっと……穣に通じるところがある。重苦しい空気の中行われた聴取では、離陸前の機体整備状況に問題はなく、事故の原因も、バードストライクによるエンジントラブルと結論付けられた。その後争点になったのは、穣も反対した、フライトマニュアルに反した一発での胴体着陸という、機長の判断だった。久遠さんは、カンパニーラジオ越しに穣にしたのと同じ説明を繰り返し、立花さんも『久遠機長の操縦技術は確かですから、その判断を信頼し、全面的に支持しました』と答えた。調査委員から意見を問われた穣は、燃料に十分な余裕があったことから、フライトマニュアルに沿って、タッチアンドゴーを試みるのが第一選択だったはず、と答えた。だけど……。「以上が、一ディスパッチャーとしての意見です。私個人的な意見を申し上げますと……今後、自分が

  • 地上のパイロットは同期の私に塩対応が過ぎる   ……さすがキャプテン

    お昼過ぎに瞳からLINEをもらい、あの後の大まかなアウトラインは報告した。でも、散々迷惑をかけてしまったし、ちゃんと謝罪とお礼をしておかなければ……。『今度、時間合わせて会えないかな』それには、『OK!』と、指サインのスタンプが返ってきた。お互いシフト勤務の上、瞳は毎日東京に帰ってくるわけではない。彼女とは、それから一週間後の八月下旬に、空港の職員食堂で会う約束をした。公休明け、私は新任運航支援者フォローアップ研修のために、五日間本社勤務で、氷室君……穣と勤務は別々だった。間に公休を挟んで迎えた、瞳との約束当日。一週間ぶりにOCOに出勤すると、穣の方が公休で不在だった。結局、瞳との約束までに、彼と話すことはおろか、顔を見ることもできなかった――。LINEで伝えた以上のことは、なにも報告できない。お盆のハイシーズンが過ぎ、私たちの業務もだいぶ落ち着いていた。でも、世間はまだまだ夏休みで、業界的にはオンシーズン。お昼のピークを過ぎても、食堂に出入りする職員は多い。私はミートソーススパゲティをのせたトレーを持って、キョロキョロと辺りを見回しながら、奥まで進み……。「藍里、こっち!」大きな柱の影になるテーブルに、CAの制服をビシッとカッコよく着こなした瞳がいた。座ったまま身を捩って振り返り、手を上げて合図してくれる。彼女はフライト合間のブレイク中で、三十分だけ時間を取ってくれていた。「あ」私はやや急ぎ足で、彼女の方に急いだ。その向かいの席に、作業服姿の短髪の男性がいるのを見留めて、少し手前で足を止める。「お疲れ様、八巻さん」私に向けてくれる、素朴で屈託のない笑顔。同期の航空整備士、佐伯君。瞳の彼だ。「えっと……お疲れ様」私はテーブルの側まで歩いて行って、同じ労いを彼に返した。佐伯君も昼食休憩のようだけど、食事は終わっているようだ。彼の前のトレーには、綺麗に空になったプレートがのっている。「ごめんね。充とは、偶然会っちゃって」瞳が、私に向かって両手を合わせる。「ううん。ええと……私、今日は遠慮しようか?」佐伯君は私もよく知る同期だけど、せっかく恋人同士で休憩中なのに、割って入るのは気が引けた。若干腰を引かせて気遣うと、瞳が「なに言ってんの」と頬を膨らませる。「変な気遣わなくていいから、座って」

  • 地上のパイロットは同期の私に塩対応が過ぎる   今、すごく抱きたい

    ――ふわふわする。頭も、身体も。微かな振動を受け、ゆらゆら揺れる。「う、ん……」私は、夢と現の狭間で、呻いた。「……むろ、く」ぼんやりと口にした名前。それが、夢の中だったか、現実で口を突いて出た寝言かも判断できない。自分の身体の感覚も思考も、酷くぼんやりして、曖昧で心許ない。だけど、ただ一つ。胸に当たる硬い感触が、とても温かく心地よかったから、今自分がどんな状況にあったとしても、不安はなかった。「くん、の、バカ……」重い意識の中、なにも恐れることなく、心のままに唇が動く。「意地悪。鬼。冷酷非道。人でなし……」ポッと浮かび上がる罵詈雑言を、意味を考えることもせず、つらつらと口にする。「思わせぶりな、スケコマシ。遊び人。女の敵。……さいてー」最後はむにゃむにゃと言って、口を噤み……。……そんな男でも、私は――。「……好き……」――だから、私も。あの人みたいに、『穣」って呼びた……。……――。「寝言のわりに、随分とこき下ろしてくれるな。今度はどんな夢見てるんだ?」突然、刺々しい低い声に、ふわふわした意識を切り裂かれた。鼻をギュッと摘ままれる感触。――息苦しい。一拍分の間の後、鼻呼吸ができないのを自覚して、「ん、むっ!?」私は、ぷはっと口を開けた。浜辺に打ち上げられた魚みたいに、口をパクパクさせて酸素を取り込む。目蓋の裏が白く明るいのに気付き、バチッと目を開けた。途端に降り注ぐ、黄金色の明かり。私は「うっ」と呻いて、目を眩ませた。何度か瞬きをして明かりに慣れると、真上から降ってくる影にも意識が向いた。うっすら白い膜がかかった視界で、必死に焦点を合わせ――。「……。……氷室、君っ!?」不機嫌そうに眉を寄せる、作り物みたいに整った顔を認識して、私は弾かれたように飛び起きた。途端に襲ってくる頭痛と眩暈に、「う」と額に手を当てる。「やっと気がついたか」溜め息が聞こえる方向に、ぐるんと顔を向けた。氷室君はノーネクタイで、白いシャツの第二ボタンまで開き、シャープな鎖骨ラインをチラチラさせている。眼鏡をかけていなかったから、頬骨あたりの泣き黒子が目に入り、条件反射でドキッとして……。「えっ!? こ、ここここ、ここどこ!?」私は、ひっくり返った声をあげ、忙しなく辺りを見回した。私の部屋ではない。ホテ

  • 地上のパイロットは同期の私に塩対応が過ぎる   よいフライトを

    休憩を終えてデスクに戻ると、午後十時の終業時間までノンストップで仕事だ。このハイシーズンは、とにかくフライト数が多い。午後七時になっても、フライトスケジュールはびっしり。滑走路からは、他社便も含めて、ほぼ分刻みで離陸していく。「八巻さん。午後九時台の関空、伊丹全便、ロードプラン急がせて」カンパニーラジオのインカムを装着した氷室君が、マイクをオフにしながら私に指図した。「すぐ、コントローラーに連絡します」「それから、さっき離陸した広島12便。ランディングで強風の影響受けるかもしれない。気象データ確認して」私が最初の命令を実行しようと、電話の受話器を持ち上げる間にも、間髪入れずに次の指示が入る。「はい。広島、広島……」短縮番号をプッシュして、左の肩と耳で受話器を挟み、右手でマウスを動かす。耳に、『はい、ステーションコントロール部です』と、受話器越しの応答が届いた。「お疲れ様です。運航管理部、八巻です。すみません、午後九時台の広島全便のロードプラン、急いで……」パソコンモニターに展開した、広島の天気図に目を凝らしながら、ほとんど無意識に口を動かすと。「違う。関空、伊丹」隣からビシッと声を挟まれ、マウスを動かす私の手は、条件反射で止まった。「……え?」受話器を右手で支えて、隣のデスクに顔を向ける。「広島は気象データ。ロードプランは大阪」氷室君はこちらをちらりとも見ず、フライトプランを作成しながら、やや棘のこもった声で、一語ずつ区切って繰り返した。私は、言われたことを頭の中で噛み砕いてから、ハッと我に返る。「す、すみませんっ! 急いでほしいのは、九時台の大阪……関空、伊丹便です」冷や汗を掻きながら、電話の向こうのロードコントローラーに訂正した。一年のうちで、一二を争うハイシーズン――。OCOで初めて迎えるお盆シーズンは、目が回るほどの忙しさ……もとい、私は本当に目を回していた。氷室君のフォローで、なんとか無事、関空、伊丹便のロードプランを急かして電話を切ると、半分デスクに突っ伏しながら「ふーっ」と息を吐いた。「氷室君。ロードプラン、あと十分って……」報告しながら、顔だけ彼の方に向ける。だけど、返事はなく。「こちら東京OCO。JAK60便コックピット、応答願います」氷室君は表情一つ変えずに、巡航中のコックピットと交信

  • 地上のパイロットは同期の私に塩対応が過ぎる   こっちこそ、よろしく

    泣いた。辺りを気にすることなく、まるで子供の頃のように、わんわん声をあげて。顔を突っ伏した枕がグショグショになるほど、涙を流して。喉が嗄れて、泣き声も出なくなるほど。涙が枯渇して、全身の水分が失われ、干上がるかと思うほど。思いっきり泣いて、力尽きて泣きやんだ。ゴロンと寝返りを打って、ベッドに仰向けになる。天井を仰ぎ、お腹の底からはーっと息を吐いた。最後の嗚咽の余韻のように、ひくっと喉が鳴る。もう、しゃくり上げる力も残っていなかった。目の上に両腕を翳し、閉じた目蓋に力を込める。「言うな、ってなんなの。真剣なのに、言わせてもくれないなんて、酷い男……」実際に声になっていたか、それともそういう形に唇が動いただけかはわからない。だけど、意識してはっきりと彼を詰れたおかげで、少しだけ気分が晴れる。そうよ。あんな酷い男、仕事以外で尊敬する部分なんて、なに一つない。いくらずっと憧れていたディスパッチャーだからって、一度寝ただけで変な情が湧いて好きになるなんて、いい年してどうかしてた。いや、それだって錯覚だったかも。氷室君と、二度目の夜。あの時の私は、身体は疲れてるのに、頭は冴えて気持ちが高揚していた。心と身体、脳みそがバランスを欠いて、明らかに尋常じゃなかった。私は、彼の意味深な言い回しを、誘われたと勘違いして期待した……なんて方向に、意地悪に誘導されただけだ。いっそ、心を巧妙に操作された、と言い切ってもいい。今日だって、頭の中で脳神経が一本切れたような、興奮状態だった。氷室君は、恋愛に本気になるのは嫌だと言った。私は適当な遊び相手でしかなかっただろうし、『好き』なんて口走らなくてよかった。――止めてもらえて、よかった。「っ……」冷静になって導き出した結論は、絶対正しいと思うのに、彼を詰る私の心は張り裂けそうだった。彼を悪者にして、自分を肯定しようとすればするほど胸が痛み、なんの慰めにもならない。だって今なら、私もよくわかる。私が運航管理部に異動したのは、すでに立花さんが、氷室君に復縁を求めていた頃だろう。自分の都合で氷室君を振っておいて、今もまた、自己中心的に彼を欲しがって。氷室君は、気持ちでは強く突っ撥ねていても、あまりに彼女を理解し難いせいで、思考回路を占領される。そんな自分は、彼女に囚われているかのようで

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