Beranda / 恋愛 / 異世界に逃げたら仮初の夫に取り憑かれた! / 【第19話】山猫亭③(スキア・談)

Share

【第19話】山猫亭③(スキア・談)

Penulis: 月咲やまな
last update Tanggal publikasi: 2026-02-04 13:50:01

「はぁぁぁぁぁぁ⁉︎」

 店内どころか、外にまで聞こえそうな声をマリアンヌがあげた。彼自身がこの店や周辺一体のオーナーでもなければ通報モノの大声だ。“男”丸出しの低い声だったからか、彼を“彼女”だと認識していたルスがかなり驚き、僕の履いているスラックスの太腿部分をぎゅっと掴んでくる。その甘えがちょっと嬉しいなと思っている自分に喝を入れつつ、「その夫です」と宣言して僕は軽く手を挙げてみた。

「最初から『誰だ?コイツ』とは思ってはいたけど、ま、ま、まさか、一番有り得ないだろうと思った答えだったなんて…… 」

 愛どころか恋すら理解していなさそうな(実際問題、マジで理解していないのだが)くらいに幼い容姿をしたルスの連れが、こんなオッサンでは確かに一番予想しない関係性だろう。しかも昨日まではこの町に居なかった、急に降って湧いた存在だし、当然か。

「……あ、詐欺?詐欺ね?結婚詐欺。『お金あげるから結婚しろ』って言われて『うん』って答えちゃったんじゃないの?ルスちゃん!」

 結婚詐欺としては辻褄の合わぬ内容を早口でまくし立て、僕の腕の中に綺麗に収まったままになっているルスの方へ、ぬっと筋肉質な腕
Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi
Bab Terkunci

Bab terbaru

  • 異世界に逃げたら仮初の夫に取り憑かれた!   【幕間の物語③】とある日のお茶会

     とある午後の日。 シュバルツとマリアンヌ、その二人からの『一人で来てね♡』という招待に応じ、ルスが山猫亭までお茶会に参加する為に来ている。この店はルスが借りている部屋からは目と鼻の先である為、呼ばれていないスキアは来なかった。だが『一時間で戻って来るんだぞ』と釘を刺され、ルスの手の甲にはカウントダウンの、無駄にオシャレなフォントを使用した数字がうっすらと浮かんでいる。この数字がゼロになった瞬間、ルスの体は自動的に自室まで戻されるという転移魔法的なものをスキアが掛けた。 ——事にして、実はこっそりルスの影の中に溶け込んで、ちゃっかりついて来ている。 そもそも影を自在に操り、利用出来るスキアが使える移動系の魔法は、スキア本人が居なければならないからだ。だが、三人はその事に気が付いてはいない。影の状態に戻っている彼の存在に気が付ける者など、この世ではせいぜい生物の頂点にあるドラゴン族くらいなものだろう。 ちなみに弟のリアンは同じ敷地内に住んでいる獣人の子供達の部屋に遊びに行っているので、姉も弟も、今日はちょっとした気分転換が出来そうだ。無自覚なままルスに執着心を抱き始めているスキアを除いて、だが。 「——え? マリアンヌさんって、異性愛者なのかい?」 男性の拳程もありそうなサイズのシュークリームを両手で掴んでかぶりつきながら、シュバルツが驚きの声をあげた。つるぺたな胸の子が好きだと言っていたので同性も恋愛対象であると思っていたのだが、彼の勝手な判断でしかなかったみたいだ。「えぇ、そうよ。確かに私は、自分の胸以外は平胸が大好きよ!絶壁であればある程ゾクゾクするわ。でもだからって、真っ平らであることが当たり前な年少者や、比較的胸が無い人が大半である男性には興味が無いのよねぇ。女性で、真っ平って事が尊いのよぉ。きっとコレが『ギャップ萌え』って言うやつね!」 もうすっかり性癖を隠そうともしていないマリアンヌが、赤く染まる頬に左手を当ててうっとりとした瞳をルスの方へちらりと向ける。その視線はどう見ても彼女の絶壁に釘付けで、ルスはそっと自分の胸を表情も変えぬまま両腕で隠した。「そうか、別に合法ロリ・ショタに興味がある

  • 異世界に逃げたら仮初の夫に取り憑かれた!   【第43話】疑問・後編(スキア・談)

    「いいよ!何も訊いて」 カップを落としそうになった時の様子とは一転して、随分と張り切った声だ。ルスの中でどんな思考の流れがあったのかまでは不明だが、訊けと言うのなら遠慮なく訊いていこうかと思う。「確か二人は、大体一年と一ヶ月くらい前にこっちへ来たんだったよな?」 「うん、大体そのくらいかな。“ルートラ”っていう魔法使いに勧誘されてこっちへ移住して来たの」「へぇ」 契約が完全に完了し、自在にルスの“記憶”と“知識”を彼女から引き出せる様になった。例え彼女がきちんと覚えていない事柄でも、脳に記録さえされていれば覗き見れる。だけどその時の細かな感情の動きまではわからない。余程インパクトのあった件ならその時の感情も“記憶”の中から汲み取れたりもするが、今はルスがどのくらいまで自分の“記憶”を認識しているかを知りたかった。「リアンは元々獣人だったのか?」 違うと知ってはいるが、そうである事を打ち明けるわけにもいかないのであえて訊いた。勝手に記憶を盗み見られているなんていくらルスでも気味が悪いだろうから、既に色々知っているとは言わないつもりだ。「違うよ。リアンはまだ赤ん坊で、このままじゃ面倒を見るのは厳しいって判断されてね、フェンリルの子供の姿にしてもらったの」 返答を聞くたびに頭の中にその時の様子が浮かび、今の彼女の表情からその時の感情を察していく。「ルスが、フェンリルにと指定したのか?」 あんな生活をしていたルスが『巨狼・フェンリル』なんて生き物を知っていたとは思えない。しかも血を分けた弟を、自分から天災級の化け物にする事を希望するタイプでもないので不思議でならなかった。「いいや。獣人にする事を了承はしたけど、種族は彼らに任せたの。ルートラは『代償の問題で仕方なくそうするしかなかった』って言ってたけど……それ以上詳しくは聞かせて貰えなかったんだよね」 ルスが苦笑いを浮かべている。代償が何かも知らず、追求出来るだけの知能も持っていなかったのだから、知らないままでも当然か。 僕が思うに、リアンがフェンリルと化したのは、ルス達の代償に『あの母親』が含まれたせ

  • 異世界に逃げたら仮初の夫に取り憑かれた!   【第42話】疑問・前編(ルス・談)

    (——い、いいいっ、言ってしまった!我儘じゃ無かったかな、面倒だとか思われなかったかなっ) 平然と、朝ご飯を食べる事で頭が一杯になっているフリをして着替えを済ませ、リアンの部屋に急いで向かう。 失敗した……かもしれない。  過去を再体験するみたいな悪い夢を見て気持ちが凹んでいたとはいえ、そんなタイミングで、機嫌直しの為のプレゼントを受け取りやすい口実として『記念日に欲しい物が何かないか?』と気遣うみたいに訊かれたとはいえ、だ。『ワタシはスキアが傍に居てくれるだけで、寂しくないってだけで充分嬉しいよ』だなんて言ったのは、やっぱりマズかったのだろうか。別段嬉しそうでもなく、何となくスルーされた気さえするせいか、段々不安になってくる。(やっぱり、高望みだったのかな……) 森の奥深くで命を救われて以降。ほぼずっと傍に寄り添ってくれ、同じ布団で眠ってまでくれていたから、つい調子に乗ってしまった。毎晩の様に体に触れてくるから、より一層ワタシ達は『夫婦』なんだって実感して、心が勘違いをし始めているみたいだ。奥深くまで触れてくるアレはただ契約印に魔力を馴染ませているだけなのだと、何度自分に言い聞かせて窘めても、ふとした瞬間に見せてくれる熱の籠った眼差しと流れ落ちる汗を前にすると、『好きって感情をぶつけられるのって、こういう感じなのかな』だなんて勝手な妄想が頭に浮かび、いつも過度な反応を返してしまう。事が済んで冷静になる度に猛省してはいるが、あんな目と視線が絡んでは、むしろ『増長するな』という方が無理なのでは?と、そんな言葉は言われてもいないのに逆ギレしそうになってきた。…… 気持ちを宥めつつリアンの部屋の扉をノックし、反応がない事を確認してから部屋に入って大きなペットベッドで眠っているリアンに声をかける。「……起きて、リアン。朝だぞー。用意しないと、遅刻しちゃうよー」 「くぅぅんっ」 瞼が閉じたまま、でも返事だけは返してくれた。寝る子は育つと言うけれど、リアンはよく眠る割に、そこまで成長していない気がする。栄養が足りていないのか、ワタシの管理が悪いのか。今のこの子は長寿種であるそうだから、ただ単にフェンリルという種の成長ペースが遅

  • 異世界に逃げたら仮初の夫に取り憑かれた!   【第41話】簡単に揺らぐ決意(スキア・談)

    「——っ!」 突如視界に真っ白な天井が広がった事に驚き、勢いよく体を起こした。今いるのが“記憶の夢”の中なのか現実なのかもわからず、慌てて周囲を見渡す。「……くぅ……」 外から聞こえてくる小鳥の囀り、カーテンの隙間から差し込んできた優しい朝の日差し。すぐ隣で、幸せそうに寝息をたてつつ口の端から涎をこぼして眠っているルスの顔を見てやっと、自分が“記憶の夢”から覚めたのだと自覚した。ちょっと大きなシャツを着て、穿いているショートパンツから伸びた細い脚を、捲れた掛布が無防備に晒している。 ほっと息を吐き、ぐっすり眠っているルスを見ていると、夢で見た過去の姿と、今の彼女の姿が重なって瞳に映った。あんなにも見窄らしかった、当時まだ九歳だった少女が、此処では立派なアイスブルー色の尻尾を持ち、胸元こそ控えめだが、ちゃんと健康的な体つきになっている。不健康でくすんでいた肌も、今では白くてとても艶やかだ。 幸せそうに寝入っている姿がとても眩しい。とてもじゃないが、あんな過去を経験してきた者には到底見えない。「……昨日は、ちょっと弄り過ぎたか?」 ふっと笑い、顔の方に落ちてきている髪を指でそっとよけてやる。ちょっとだけくすぐったそうに眉を寄せたが、ルスはまたすぐに眠りの中へ戻って行った。「もう……離れないと、手放さないと……なんだよな」 ルスとの契約を切れば、彼女の想像力に頼って構成されたこの体を僕は失う事になる。肉体が無ければ、こうやってもうルスに触れることは叶わない。ただ近くに居るだけで伝わってくる心地いい体温、触れると手に馴染む柔らかな肌、微かに香る甘い匂い。その全てを……もう感じられなくなるのかと思うと、即座に顔を顰めてしまった。 悔しいが、腹が立つが、だけどもう……僕には騙し討ちみたいな真似は無理そうだ。 肉体を持たない性質の僕が、“善性”という猛毒には勝てない事が、この契約で痛い程にわかった。欲に溺れさせるどころか、まずは心を開かせる事で精一杯になり、真っ白な魂をドロドロとした欲望で黒く染め上げてやろうとした思惑の一切が叶わなかった。何も手にする事なく育ったせいか、幸せに感じる物事の基準があまり

  • 異世界に逃げたら仮初の夫に取り憑かれた!   【第40話】異世界への移住④(スキア・談)

    『……ぁ、ぇ……』 何が起きたのか理解が追いつかず、呆然と固まっているルスに向かい、いかにもな魔法使いっぽいローブに身を包んだ、吊り目が特徴的な少年は構う事なく話を続ける。『初めまして。ボクの名前は“ルートラ”。“輪廻の輪”に引き込まれた貴女を探し出し、やっと悲願のお迎えに……ゴホッ!——し、失礼、失礼。知らん事を口にして警戒されたらマズイから「勧誘に来た」って言えって言われていたんだったな……。勧誘に!勧誘に来たんだ!』 大声になったり小声になったり、また大声で叫んだりと。一人芝居みたいな事をしながら、ルートラと名乗った少年は空中に浮いたままルスに話した。『かん、ゆー……』 そんな言葉をルスが知るはずがなく、何それ?と思っていそうな声色で小さく呟くと、ルートラは何度もうんうんと頷き返した。『そうだよ。貴女が、こんな世界から逃げたい、消えたい、全てを捨てたいと願うのをずっと待っていたんだ』 『……』 爽やかな笑顔をルスへ向けたが、彼女は処理落ちしたみたいにリアンの手を握ったまま黙ってしまった。『いやー。この世界に産まれていた事まではすぐに突き止めていたんだけどね、初代魔塔主の不祥事のせいで異世界への転移魔法陣は禁忌魔法として封印されていたし、仕方なくそれを引っ張り起こしたり、各国の王族供から魔法の使用許可をもぎ取ったりするのとかで苦労しっぱなしでさぁ。いざ使ってみようとしたら“害悪にしかならない不要な存在”しか召喚対象に出来ないっていう制約が魔法陣に根強く紐付けされていたから、それをどうにか“不要な存在の周囲の者も召喚対象者として含む”ってとこまで条件を緩めたり、発動の為にはアホみたいに莫大な量の魔力が必要だったものを異世界のモノを代償として捧げる事で補える様に術式を書き換えたりするので、これまためちゃくちゃ時間かかっちゃって。それ以外にも受け入れ準備をしたり、だけど貴女だけでは目立つから他の移住者も大量に用意したり——ってあぁ!混乱するから言うなって言われてるのにっ!』 己の口の軽さに気が付いて慌てて両手で口を塞ぐが時遅く。だが、ルートラがちらりとルスを見たものの、彼女はやっぱり固まったままで、全く話を理解

  • 異世界に逃げたら仮初の夫に取り憑かれた!   【第39話】異世界への移住③(スキア・談)

     ボロボロのアパートの一室。 二人きりになった部屋の中でリアンの寝息だけが微かに聞こえる。まだ相当小さいから、きっとルスの時と同じく、生まれて間もない状態で此処へ連れて来られたのだろう。 ルスはひとまず絵本を床に置くと、背伸びをしてダイニングテーブルの上に置かれたタオルの塊の状態を確認した。ぐっすりと眠っているリアンの姿が見えたが、こちらもやっぱり顔が真っ黒に塗りつぶされていて、どんな顔をしているのかも全くわからない。覚えていたくなかったのか、そもそも人の顔を上手く認識出来なかったのか。 もしくは、母親の面影があるであろう自分達の顔を忘れ去ってしまいたい気持ちの表れの様な気もする。 手を伸ばし、おっかなびっくりとした仕草で自分の方へ引っ張り、ルスが小さなリアンを細腕に抱えた。赤ん坊なんか触るのはこれが初めてだ。ベビーカーで寝ている赤子や親に抱えられている子なら窓越しに見た事はあっても、この部屋から一度も出た事のないルスでは赤ん坊の抱え方など知るはずもなく、ただテキトウに抱えているせいでリアンの頭が仰け反っている。『……やわい』 ボソッと呟き、ルスはリアンを抱えたまま絵本を置いた場所に戻って行った。 硬い床にリアンを寝かせて、ルスもすぐ隣にぺたんと座る。布団に寝かせた方がいいという発想すらも今の彼女の中には無いみたいだが、小さい弟の側には居てやった方がいいとは考えたのだろう。 母から受け取った絵本を手に取り、ルスが表紙をじっと見つめる。子供の目を引きそうな絵がクレヨンで描かれているが、タイトルはない。日々生きるのだけで精一杯で、この部屋にはボタンを押せば音の鳴る板状の機械一つしかルスくらいの年齢の子供が遊べそうな物はないからか、ただ表紙を見つめたまま開こうともしない。絵本を開いて読むという発想自体無いのかもしれない。 しばらく経ち、やっとルスが絵本を開いた。『——むかしむかし。とある……の、とある……では、ニ、ンゲンとマモ、マモ、ノ?……がいつもケンカをしていまし……た?』 ボソ、ボソッと、今にも消えてしまいそうな声でルスが絵本を読み始めた。 真っ黒なクレヨンで描かれた魔物

  • 異世界に逃げたら仮初の夫に取り憑かれた!   【第14話】昼寝・前編(ルス・談)

     今日はスキアからの提案と甘い誘惑に流されて、急遽お休みとなった。討伐ギルドから頂く仕事はほぼ全て単発のものなので、毎日行かねばならないものではないから支障はないのだが、この世界へ移住して来て、三ヶ月間の教育期間を経て以降、お休みだなんて初めての事だ。そのせいかちょっとソワソワとしてしまう。自分はすっかり仕事中毒状態だったのだと、約二百七十日ぶりに休んでみて初めて気が付いた。 この部屋の家賃は大家であるマリアンヌさんと町のご厚意により他の同等物件よりは安く済んではいるらしいものの、二人分の食費だ、リアンの保育代だと払っていくと、ワタシの収入では殆どお金が残らなかった。でもそれが当たり前だと

  • 異世界に逃げたら仮初の夫に取り憑かれた!   【第11話】コレでは、ただの『同居』では?(スキア・談)

     討伐ギルドのある通りからまた少し奥の方へ進み、広めの路地を住宅が多く並ぶ通りへ向かうと、ルスの弟・リアンを預けている保育所がある。 入口から中に入った途端、開口一番説教されてしまった。『ご自分で、この時間までと言っていた時間通りに迎えに来て欲しい』と。僕らよりも先に討伐ギルドの方から伝書鳥が送られてはいたらしく、深刻な事情があっての延滞である事は理解しているものの、それでも人手が足りていない現状では連絡無しのまま延滞されるのは非常に困るのだとか。(……まぁ、向こうの言い分も理解出来るが、一人寂しく森の中で瀕死にまでなっていた者に対して言う台詞では無いのでは?) ついそんな事を考えて、す

  • 異世界に逃げたら仮初の夫に取り憑かれた!   【第10話】討伐ギルド・後編(スキア・談)

    「——つまりは、『助けてもらった優しさに触れて、この人に一目惚れした』と言うわけね?」 腕組み状態にあるシリルが要約を口にしながら訊いてくるが、どう見たってルスの話を信じている感じではない。だが、僕らが所詮は『仮初の夫婦でしかない事』や『契約を交わして、僕がルスの身に取り憑いている状態にある事』をきちんと伏せた上でルスが事実説明をやり遂げたので、ひとまずは良しとしよう。「はい。スキアさんが森の中で倒れているワタシを見付けてくれていなかったら、あのまま獣の餌食になっていたかもしれませんから」 ルスは一言も『一目惚れをした』とは言っていないのだが、反射的に訂正するというバカはせず、話の補足を

  • 異世界に逃げたら仮初の夫に取り憑かれた!   【第9話】討伐ギルド・前編(スキア・談)

     ルスの目的地である討伐ギルドは、ソワレの目抜き通りからは一本逸れた通りにある。煉瓦造りのその建物の周辺には薬を扱う店や防具・武器屋、質屋などが数軒あるが、それよりも酒屋や飲み屋の方が多く並らぶ。そのため昼間は比較的静かな通りなのだが、日の暮れた今では酷い有様だ。討伐依頼などをこなして得た稼ぎの全てを使い倒す勢いで酒を煽る者がいたり、喧嘩になって殴り合う奴らもいて、とても騒がしい。 初めて来た町なのに、この通りが昼間どんな様子なのかを僕が知っているのは、全てルスと契約したおかげだ。 “影”を経由して色々な物を入手出来る以外にも、契約対象となった者の“知識”などを読み解く能力を僕

Bab Lainnya
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status