** 気が高ぶっているせいで、おとなしく書斎に閉じこもる気にもなれず、冷蔵庫を開ける。食料は大して入っていないのに、飲み物の種類は豊富だ。外食が主の和彦の生活パターンに合わせて、この部屋に通ってくる組員たちがよく飲み物を補充してくれるのだ。 グラスに氷を放り込み、オレンジジュースを注ぐ。しばらくアルコールは自重したかった。 和彦はソファに腰掛け、グラスに口をつけながらテレビのニュース番組をぼんやりと眺める。だが、ある暴力団の幹部が撃たれたというニュースが流れると、無意識に眉をひそめてチャンネルを替えていた。 こんな生活に入る前は、社会の害悪になるような存在がどうなろうが気にも留めなかったが、今は違う。胸苦しさを覚えるのだ。 突然、インターホンが鳴り、ドキリとする。反射的にソファから腰を浮かせて和彦が考えたのは、和彦の今夜の行動が知られ、在宅を確認するために組員がやってきたのではないかということだった。 身構えながらインターホンに出た和彦は、テレビモニターを見てから微妙な顔となる。映っていたのは、千尋だった。 何か用かと聞くのも野暮で、エントランスのロックを解除してやる。 部屋に上がってきた千尋は珍しくスーツ姿で、まとっているのは、香水と化粧品の柔らかな香りだ。 玄関に入るなり、人懐こい犬っころのように嬉しそうな顔をして、千尋が抱きついてくる。「せーんせっ」 あまりの勢いに少しよろめいた和彦だが、なんとかしなやかな体を受け止めつつ、ドアの鍵をかける。「……機嫌がよさそうだな。酔ってるのか?」「うん。きれいな女の人がたくさんいる店に行ってた」「そうか。こんなに酔ってるなら、まっすぐ本宅に帰ればよかっただろ」 何げなく和彦が応じると、顔を上げた千尋が不満そうに唇を尖らせた。「さらりと受け流さないで、少しぐらい嫉妬してみせてよ」「バカ。こんなことで嫉妬してたら、こっちの身がもたない。だいたいお前、カフェでバイトしている頃、よく合コンだなんだって、女の子と遊んでたじゃないか」「あれは、友達のつき合い。今夜は、組
ปรับปรุงล่าสุด : 2025-12-04 อ่านเพิ่มเติม