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第9話 カイルの過去②

ผู้เขียน: アイさん
last update วันที่เผยแพร่: 2025-12-22 22:21:01

そして現在、俺はこの国の危機を守らなければならない!そのために俺が…俺が…!!

「うわぁぁぁぁぁあ!!!!」

カイルが思いっきり剣を振ると黒い根っこは根元から一気に切り落とされ、切られた部分が霧散していった。

多少時間を稼げるが再生を続けるこの黒い根っこは10秒もあれば元どおりの状態に戻れた。

「このままじゃ…このままじゃ…」

諦めるな!カイル!

エミルの声が頭の中で蘇った。

「そうだな、よし!俺も本気出さないとな。」

するとカイルの剣が黒く変色し、瞳が黒から赤く変わった。

「一発で止めてやる!」

カイルは縦に思いっきり振ると根元まで一直線に切れていった。

そして切れ目から影の蛇が現れ、切れた根っこを貪り尽くした。

「あと何秒だ!グレン!」

魔力を溜め続けているグレンの方を向くとグレンの周りには黒い炎が溢れ出していた。

「あと10秒だが、もういける。お前は良くやった。休んでろ。」

そして、グレンは空間移動で根元まで移動した。

「ー生命を駆逐する破壊の業火」

するとグレンが唱えた呪文によって根元の周りに5つの魔法陣が束になって囲んだ。

「あれは…五重魔法陣!?」

「え、それって凄いの?」

ミーナがそれについて聞くとカイルは別の意味でびっくりした。

「え、凄いだろどう考えても!?魔法陣1つ出すだけでもかなり労力を消費するのにそれを5つも…今まで見てきた中であいつはエミルに続いての化け物だな…」

「え、エミルって…」

ミーナが聞こうとした瞬間、グレンが魔法陣の中心に刀を突き刺した。

突き刺した瞬間、国全体に響き渡る衝撃が発生し建物が全て消滅した。

そして、刺した根元はチリとなって消え再び再生しなかった。

衝撃は周りの建物と悪魔となった者だけが巻き込まれ、他の人間には一切衝撃には巻き込まれなかった。

だが、建物が全て消滅した事でイフリーク全土は何もない殺風景と変わり果てた。

それを目の前にカイルは目を大きく見開いたまま固まった。

そして一言。

「俺たちのイフリークが…何もない…。」

それはこの国を愛していたカイルにとってあまりにも厳しく信じられない光景だと思う。

ミーナも学校で同じような事があったため、カイルを見て自分の過去を思い出し体が震えていた。

するとグレンが瞬間移動して戻ってきた。

「終わったぞ。カイルとか言ったな。助かった。お前がいなければこの国は終わっていた。」

「……」

グレンがカイルに礼を言うがカイルは固まったまま動かなかった。

「とりあえず人を殺さない様に魔力を練ってたから人は死んでないと思う。救助しやすいようにその辺の建物を掃除してやった。」

「掃除…だと?」

「ああ、生き埋めになってる奴がいるかもしれんだろ?それに建物はまた立て直せばいい。」

「あ、ああ。…そうだな。お前もその辺考えてたのか。ありがとう。」

カイルは一瞬イフリークの建物をゴミ扱いされたのかと勘違いし一瞬殺意が湧いたが、グレンなりの思いやりだと感じて怒るのを止めた。

しかし。

「考えてた?笑わせるな。お前ら俺が助けなかったら薄情者だとか言ってくるだろ?だから仕方なくお前ら弱い人間に手を貸しただけだ。まあ、こんな国1つ守れない騎士団じゃ無理か。すまんな。」

グレンは表情を一切変えずに真顔で言った。

感情移入されていない一定の声のトーンはまるで心を感じさせない悪魔のささやきだった。

そして次の瞬間、グレンの頬に鈍い音が響き渡った。

カイルが拳でグレンの頬に殴ったため、強烈な痛みが走った。

そしてカイルはプルプル震えながら口を開いた。

「ふざけるなよ…この国は平和の象徴だ。この国で過ごした者でしか分からない、愛してる故郷を潰されたこの気持ちがお前なんかに分かってたまるか!!」

カイルは涙を溜めながら声を荒げた。

小さい時から自分ともう1人の親友、エミルとの思い出の国を壊されて精神が安定出来るはずがなかった。

だが、それを聞いてもグレンの顔色は一切変わらない。

「くだらないな。愛とか平和で世の中成り立つ訳ないだろ。弱者はそうやって言い訳を重ねて弱い立場から抜け出そうとしない。だから国一つ滅びたんだ。…俺の故郷の様にな。」

グレンは最後の一言だけ聞こえない様にボソッと言った。

しかし、カイルに最後の一言は聞こえなかったため怒りが頂点に達してしまった。

「貴様ぁー!!!」

剣に魔力を溜めようとするが体力が残っていないため、そのまま地面に倒れてしまった。

「…ミーナ、こいつを騎士団の奴らに届けるぞ。」

「う、うん。…ねぇ、グレン?」

「なんだ?」

「…なんでも無いわ。行きましょ。」

ミーナは一瞬曇った表情を作ったが、すぐに笑顔に変わり言うのを止めた。

グレンはカイルを背中に乗せてミーナと一緒に転移でこの場から消えた。

人は誰しもが強くなれるのではない。

誰もが負けというものを必ず味わい、そして初めて気づくことができる。

自分はまだまだ弱い、このままではダメだと。

負けたことのない者は弱さを知らず、勝利を知らないものは勝てない自分への劣等感を覚え、自分への自信がなくなるかもしくは強くなろうと努力する。

しかし、彼は違った。

負けを知ったが強くなるための努力をした事がない。

自分の元々の才能と魔力、悪魔と契約して手に入れた強大な力を心と引き換えにした為だ。

人は心が無くなるとその人はもう人間ではなくなる。

悪魔でも人でもない、悪魔を滅する為だけの存在。

それが悪魔祓い(デビルブレイカー)なのだった。

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